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超高速馬場の中山外回りで高速上がりによる差し決着が頻発している理由

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 その考案者である立川優馬さんが、レース質(=どのようなレースになるか)をもとに、回収率を底上げする方法を伝授してくれます。

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●今回のポイント

〇今開催の中山芝は歴代トップレベルの超高速馬場で、これまでの常識が通用しない
〇中山芝外回りでは、高速上がりを原因にした差し決着が頻発している
〇中山芝外回りの向正面下り坂の影響で直線入口で馬群が凝縮してしまい、先行馬が道中のポジション差を維持できない状況になっている

先週は、中山芝1600mの内枠有利が薄れている理由を解説しましたが、そんな話を吹き飛ばすような超高速馬場で、全く外枠勢は勝負になりませんでしたね。この馬場なら、京成杯AHのように内に馬が殺到して詰まらない限り、内枠有利が続くと思います。

さて、今週は中山芝が過去最高レベルの超高速馬場になったことで、中山芝外回りに起きている異変について解説していきます。

●先週の中山外回りコースでは逃げ馬不利→差し馬有利の傾向顕著

中山芝コースは、1200m、1600m、2200mが外回り、1800m、2000m、2500mが内回りになっています(特殊距離除く)。
先週の芝外回りは1200mと1600mのみで7レースが行われましたが、開幕週にもかかわらず、逃げ馬は未勝利。各レースの勝ち馬7頭の4角での位置取りと上がり3Fタイムは以下のとおりです。

・2歳未勝利(1600m)12頭立て 4番手 34.3
・アスター賞(1600m)8頭立て 4番手 34.0
・汐留特別(1200m)11頭立て 7番手 32.3
・新馬(1600m)15頭立て 2番手 33.4
・1勝クラス(1600m)16頭立て 11番手 32.5
・セプテンバーS(1200m)10頭立て 5番手 33.2
・京成杯AH(1600m)16頭立て 8番手 32.7

新馬や2歳未勝利は先行有利になりやすいことを差し引くと、開幕週にもかかわらずかなり差し馬優勢の結果になっていることが分かります。この理由は明白で、「①超高速馬場で非常に速い上がりが出ること」、そして「②外回りのレイアウト上、後続の追走が楽で馬群が凝縮しやすいこと」の2点になります。

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