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ガルニで見た究極の柱状節理
柱状節理という言葉をご存じだろうか。知っている方は高校時代に地理あるいは地学を学んでいた方だろう。もしそうでなければ、かなりの物知りだ。
柱状節理とは、岩体に発達した規則性のある柱状の節理のことを言う。六角柱状のものが多いが、五角柱状や四角柱状のものもある。
日本でも関東では日光や東尋坊でもその姿を見られる。僕がみた過去一番素晴らしいと思った柱状節理は佐賀・唐津の七ツ釜だった。どでかい柱状節理を横から見る光景は圧巻だった。
ただ、今までの柱状節理の僕なりの見解やら規定をはるかに通り越した柱状節理がアルメニアのガルニにあり、僕は導かれるようにしてそこへたどり着いた。あるいは柱状節理が僕を呼んでいたのかもしれない。そう思わざるを得ないくらい、まったく有名な観光地でもないにもかかわらず、たまたま発見してたどり着くことができた。
アルメニアの首都エレバンから車で40km程度東に移動したガルニという村近郊にある柱状節理は、上に乗ることこそできないが、下から見上げることができる。柱状節理を見上げた姿はそれこそ圧巻であり、本当にこれが自然の叡智の結集と思うには少しばかりの時間がかかった。下から見上げる姿こそが本当の柱状節理だと思った。それが自然が織りなす奇跡だと理解し、様式美にうっとりしてシャッターを何度も切ってしまった。この物語に大した顛末はない。「柱状節理」を言いたくて、知ってる人に見て欲しくて、書いただけだ。
柱状節理遠景
横から見る柱状節理
下から見る柱状節理①
下から見る柱状節理②
下から見る柱状節理③
真下から見た柱状節理
ガルニでは珍しい斜めに生える柱状節理
ひと通り柱状節理を見終わり、首都エレバンまでの帰り道にWifiが通じるカフェがあり友人グループに写真を送ったら、一人の地学マニアに「すげえ柱状節理!!」と興奮をした様子でやや食い気味に連絡を貰った。
この世界で生活するには困らない知識以外のことで盛り上がれること自体、ある側面ではあるいは無駄かもしれない。しかし別の側面では高尚で素晴らしいことだ。願わくば仕事以外においてはできる限り生産性のない会話で盛り上がっていたいものだ。
そんな生産性のない会話で盛り上がれるのも、生産的な出来事、例えば仕事があってこそだと思う。肝心の仕事がなかった2019年であったが、年明けにでも仕事探しをしようと思った出来事であった。
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