#356 [哲学] 言語哲学、分析哲学に強い影響を与えたイギリス哲学者
第51週 第6日(土)哲学「ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は哲学「ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン」です。
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本の要約
■ルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン(1889~1951)
オーストリアのウィーンの裕福な家庭に生まれた。ゴットロープ・フレーゲの助言に従ってケンブリッジ大学へ行き、バートランド・ラッセルに師事して数学基礎論を学んだ。1914年に第一次世界大戦が始まると、軍隊に入り、戦闘中の塹壕や、捕虜収容所で「論理哲学論考」(1921年)を完成させた。講和後は、イギリスに戻ってケンブリッジ大学で哲学を教え、その中で書き溜めた原稿が、死後「哲学探究」(1953年)として出版された。
・論理哲学論考(1921年)
命題は「世界は○○だ」と言うが、命題は私たちに、系統的な方法で、世界の構造がどのようなものであるかを示している。哲学者は世界が○○という構造を持っていると言おうとするから問題にぶつかるのであり、その構造を論理を通じて明らかにすればよいのだと、ヴィトゲンシュタインは論じている。
・哲学探究(1953年)
哲学的問題は言語についての混乱が原因だと考えていた。問題が起こるのは、私たちが言葉を標準とは違う使い方をしたり、言葉が持つ多様な使われ方を無視したりするときだけだという。
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バートランド・ラッセル
ヴィトゲンシュタインは、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジのバートランド・ラッセルのもとで哲学を学んでいる。ラッセルは分析哲学の父と呼ばれる人で、言語に関する哲学もその一つとしている。
論理哲学論考
ウィトゲンシュタインが生前に出版したただ一つの哲学書であり、かつ前期ウィトゲンシュタインを代表する著作。
世界とは、起きている事全てのことである。(物ではなく、事実の総体であるとする)というのが世界の真理としている。
最後の命題「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」は形而上学の終焉を告知することばとして広く知られており、現在でもしばしば引用される。
わからないものに対して、かっこつけて言うのもありかもしれない。