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【ネタバレ感想】『ザ・バットマン』と『マインドハンター』
『ザ・バットマン』だが今のところ映画館で4回も観てしまった。その間、削除されたシーンが公開された。バットマンとジョーカー(と思しきアーカムの患者)とのアーカムでの面接シーンである。
このシーンを観て『羊たちの沈黙』や『レッド・ドラゴン』のハンニバル・レクター博士とFBI捜査官のクラリス・スターリング、ウィル・グレアムとの面接シーンを思い出す人も多いかと思う。
『ザ・バットマン』は監督マット・リーヴスによると『マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班』(ジョン・ダグラス著、早川書房刊)から着想を得て物語を作ったと語っている。同書はNetflixで同名のドラマになっている。
リドラーはゴッサムに不満をもつ者をSNSを通じて指嗾し、新市長や市民の命を狙わせる。おそらくだが、同書でも言及されているチャールズ・マンソンがモデルになっているのではないか? リドラーがもたらそうとする「真の変化」はゴッサムを一度暴力で破壊し生まれ変わらせるという、マンソンが掲げた「ヘルタースケルター」を思わせる。
ちなみにマンソンはシャロン・テートの殺害を仕向け『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』は同事件を扱っている。余談だが同作とドラマ『マインドハンター』でマンソンをデイモン・ヘリマンという同じ俳優が演じている。
さて『羊たちの沈黙』などのレクター博士シリーズを著したのはトマス・ハリスだが、ハリスは『マインドハンター』の著者ダグラスの同僚である伝説的プロファイラー、ロバート・K・レスラーに取材して小説を書いたとのこと。ダグラスやレスラーがFBIで行ったの犯罪者に面接して犯罪のパターンを収集する手法にバットマンの捜査手法(そしてシーン)が似てくるのは必然といえるだろう。
削除されたシーンからはバットマンとジョーカーの因縁が見てとれる。『ザ・バットマン』の冒頭で明らかにジョーカーのメイクのようなギャングが登場するが、彼らは伝説的犯罪者ジョーカーのフォロワーなのではないだろうか?
そうであるとすれば、アーカムでの面接シーンも含めリドラーとジョーカーがキャラ被りしてしまう。惜しいがシーンの削除は適切だったといえるかもしれない。