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右手首骨折の、その後。
#20250223-518
2025年2月23日(日祝)
右手首骨折から28日目。
ギプスが外れて3日目。
手首がほんの少し――20度くらい、そるようになった。
2日目まではそらしているつもりでも、見ればまっすぐなままだったのに比べると多少動くようになった。相変わらず握る力はないし、握ろうとすると痛い。
かぶるタイプの服を脱ぐときも辛いが、前が開くタイプの服のほうがしんどい。右手で左の袖を引っ張りたいのに掴んでいられない。
ハンドクリームを塗るにもクリームを押し出すこともできなければ、指先まで伸ばすこともできない。
ようやくマグカップは持てるようになったものの、それ以上重さは耐えられない。
意外と早く左手だけよりできるようになったのが、PCのキー入力だ。
今も両手で打っている。打ちにくいキーはあるが、スピードはさほど落ちていない。
文字も右手のほうがきれいに小さく書ける。日本語の文字は、そもそも左手で書くには筆運びが厳しい。左手で書いていたときも書き順は守らず、その字の形になればよしとして書いていた。握る力が弱いので、まだ手早く書くことやたくさん書くことはできない。
それでも、左手で書いた字より読みやすい。
包丁もトマトなどやわらかいものならば切れる。左手だとあんなに切れなかったのが嘘のようだ。
ハサミもやはり右手のほうがうまい。
左手用はさみを購入し、袋を切るなどはできていたが、操作性は右手のほうが上だ。
ぎこちなかった食事もフォークを卒業し、箸が使えるようになった。
手首をひねることができないので、口許まで箸先を上げるのはだいぶ痛みを伴うが、少しずつできるようになってきている。
洗濯洗剤のボトルなど、握ってひねるタイプの蓋は辛い。
ついボトル本体を足で挟んで左手で開けてしまう。
洗顔は手のひらを上に向けられないので、左手と同じようにパシャパシャと水をすくっているようで全然すくえていない。水がだらだらと垂れる。
左手で仕上げ洗いをせねば、洗顔料が残ってしまう。
動かす度に「痛い痛い」といってしまうせいか、ノコ(娘小5)が飛んできてやろうとしてくれる。左手が絶対安静のときは「〇〇して」とお願いしても、ばっさり「ヤダ!」だったのに、だ。
「ありがとう。でも、ママの練習だから。自分でやるから」
慌ててそう返すと、ノコは唇を尖らせ、出した手を引っ込める。
ありがたいが、手伝ってほしいときにしてくれれば、なおありがたかった。
ノコはまだ相手の立場になって想像することが難しい。子どもなんて、そういうものかもしれないが、骨折から2週目に医師から絶対安静といわれた。骨折部位が少しずれてしまったのだ。これ以上ずれが大きくなれば、手術になるかもしれない。
むーくん(夫)とノコにもそのことを伝え、ギプスをしている右手を使わないで済むよう協力してほしいと頼んだ。
むーくんは仕事のほかに、家事と私のお世話とさらに熱心に取り組んでくれたが、ノコは違った。
早々に自分で自分のことをするのに飽きてしまった。
「ママママ、ママママ、早く治ってよ」
これはまだよい。母の完治を願ってくれているように聞こえる。
「ママが私のお世話してくれないと困る」
おいおい、自分が困るからなのか!
「もう、自分のことするの、飽きたし」
飽きたのかーい!
しかも、たいしてできていない。
突っ込みどころ満載だ。
私の怪我を機に、ノコには「自分のことを自分でする」ようになってほしいと願ったが、3週間ばかりで変わるはずもなく、ノコはノコのペースを崩さなかった。
相変わらず、準備はギリギリにし、間に合わなければそれなりに。周囲の大人がカバーしてくれるのか、なぜかノコ自身はあまり困らないらしい。また困ったり、嫌な思いをしても持続性がなく、喉元過ぎれば熱さを忘れるようだ。
その経験を次回に活かせない。
「経験を活かす」。
これって、なかなか難しいのだとノコを見ているとしみじみ思う。
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