ノコよ、「ヤダ」以外で自分の意思をいいたまえ。
2023年2月20日(月)
ノコ(娘小3)はめでたく平熱になったが、土曜日に予約していた小児科はキャンセルせず行くことにする。小学校では新型コロナウイルスだけでなく、インフルエンザも流行っているので症状があった場合、受診した方が登校がスムーズになる。
いつもの朝のタイムスケジュール(最近のノコはちっともその通りに動かないけれど!)から1時間ほど遅れていたのは確か。でも、ノコが食卓についたので一言声を掛けてからテレビを消した。
「ご飯だからテレビ消すね」
途端、怒るノコ。「消すな」という。テレビをつけたまま食事をしたことがないのに、今日に限って「今は消す時間じゃない」といい張る。
「でも、お食事のときはテレビをつけないよ」
「じゃあ、食べない!」
ランチョンマットごと朝食をテーブルの中央へ押しやり、ぷいっと横を向く。
食べないなら…と私がテレビをつけるわけじゃあないのに。
どうしてこのような交渉的な言葉が飛び出すんだろう。
むーくん(夫)がよく「全部食べたらテレビOK」というからか? それとも「食事中はテレビを消す」ルールに対してなのか?
つけずにいたら、ミロと食パンを四分の一枚だけ食べた。
正直、ノコの体調を心配する私はノコが食べないと”困る”けれど、私自身はお腹が減るわけじゃないので”困らない”。
ノコに伝えてある家を出る時刻まであと5分ほど。
身支度が済んだノコがいう。
「何すればいい?」
本当は「テレビ見ていい?」といいたいのだとわかる。でも、テレビをつけたら5分でノコは消せない。またひと悶着になる。
「うーん、バスケットにたまっている服をハンガーに掛けたら?」
「ヤダヤダヤダッ! 面倒くさっ!」
ノコ、怒る怒る怒る。
でも、怒っているあいだに5分が経過し、出発となる。
なぜ「テレビ見たい」っていわないのだろう。
どうせ「ダメ」っていわれると思っているのかな。
私は理由をいわずにただ「ダメ」とはいわないのだけど。ノコに要望をいわせない何かが私にあるのかな。
たった5分であってもテレビをつけた方がノコはスッキリするのだろうか。番組の途中で消すことになり、ノコが辛いだろうと先まわりして思うのはいらぬ老婆心?
数分でも「見たい」といったときはテレビをつけるか/つけないか。
難しやぁ。悩ましやぁ。
小児科での診察は予約したにも関わらず、時間がかかりノコはだいぶ不機嫌になった。
はじめての小児科で里子が持つ受診券の取り扱いがわからなかったらしく、児童相談所へ問い合わせの電話をしたというのでそのせいで順番が後になったのだろうか。
診察結果はもう平熱だし、このままで問題なし。
少し鼻水が出ていることを伝えたので、鼻の薬を処方するとのこと。
「錠剤でいいかな? 丸い玉のお薬、飲める?」
大大大嫌いな薬と聞いて、しかめ面のままお医者さんを無言で見上げるノコ。
「ほら、シロップがいいの? お粉がいいの? ノコ、飲めるお薬をいって。いわないとわからないよ」
予約制とはいえ待合室には患者さんが結構いた。つい催促してしまう。
何もいわないノコにしびれを切らしたのか、お医者さんはカルテを見る。
「9歳なら錠剤飲めるね」
そういい残して、次の患者のもとへ行ってしまった。
「勝手に決めた! 薬ヤダ!」
お医者さんの姿はもうない。今更いわれても、だ。
「飲みたくないのなら、飲みたくないっていわないと。もしかしたら、お薬を飲むほどじゃないとお医者さんが思ったら出さなかったかもしれないよ」
「考えてたのに」
「それなら、『ちょっと考えています』っていわないと。睨むだけじゃ伝わらないよ」
「飲まないから」
「飲んでくださいね」
「飲まないし」
「飲んだ方が楽になると思うよ」
「ヤダし」
平熱に戻ったノコは、このまま登校したいといった。
家に寄ってランドセルと通学帽を持ち、ノコを学校に送り届ける。
そのあいだもノコは延々と薬の文句をいい続けた。もう昼ゆえ、給食を食べたらノコはすぐ帰ってくる。
それでも。
ほんの少しの時間でも。
不機嫌なノコと私は距離を置きたし。