谷川温泉のこと
水上温泉から北へ少し奥まったところにある谷川温泉。
古く谷川岳が山岳信仰の象徴として崇められていた頃、訪れる人々は谷川温泉の最奥にある富士浅間神社から延びる古道などをたどり頂に立った。
落ち着いた雰囲気のある谷川温泉は、老舗高級旅館が軒を連ねる。また、おしゃれな雰囲気のペンションが複数軒あるペンション村があり、幅広い層に人気がある。
更に、岸田劉生の麗子像をはじめ、ピカソ、ルノワール、マチスなどの絵画が収蔵されている「天一美術館」(建物は建築家、吉村順三氏の遺作)や太宰治の小説「姥捨」の舞台としても紹介されている。
実際、川端康成から療養のため、当地を紹介された太宰は、旅館たにがわの前身である川久保屋に逗留している。(昭和11年・1936年)
旅館たにがわのギャラリーには、太宰治本人の定期券など太宰ゆかりの貴重な品々が展示されていて、太宰ファンにはたまらない。
谷川温泉入り口にある石碑には姥捨の冒頭が紹介されている。
谷川温泉の泉質:単純温泉
このように、谷川温泉は木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)と言う女神にに由来するようだ。
一説には、姫はかぐや姫とも言われ、日本神話にまで遡る。姫の名前は桜の語源とも言われ、更に富士山信仰の浅間神社にも関連していくようで、谷川温泉にはとても神秘的な趣がある。
谷川富士浅間神社では、毎年春(4/29)と秋(10/29)に御祭禮が行われており、春には神楽奉納も行われている。
また、温泉宿の近くにある栃の木薬師堂でも、毎年春(5/8)と秋(10/8)に御縁日が行われている。
美術館をはじめ、神社、文人にまつわる場所、谷川岳・マナイタグラを一望できるおいしいレストラン、国内でも数少ない尺八工房がある宿、ホワイバレースキー場など、動と静が満喫できる温泉地。
2泊3泊と連泊でゆっくりと楽しみたい。
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