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DULL-COLORED POP vol.20「福島三部作」一挙上演

8/8日(木)より開幕しました、我らがDULL-COLORED POP第20回本公演 福島三部作の一挙上演。第2部、第3部の単独上演を終え(3部は明日まで)、来週からいよいよ三部作の通し上演が始まります。
…私の母は福島の生まれで、父は原発で働いた技術者だった。
私自身も幼少期を福島で過ごし、あの豊かな自然とのどかな町並みが原風景となっている。
原発事故はなぜ起きてしまったのか?
政治・経済・地域の問題が複雑に絡まり合い、簡単に答えが出せない問題だ。
しかし、だからこそ演劇でなら語れるのではないかと思った。
異なる意見を持つ者たちが出会い、言葉を戦わせ合うのが演劇だ。
答えを示すことよりも、問いを強く投げかけるのが演劇だ。
演劇でなら語れる、「なぜあの事故は起きてしまったのか?」 2年半に渡る取材成果を三部作・三世代の家族の話として紡ぎ直し、人間のドラマとして福島と原発の歴史を問い直したい。
作/演出: 谷賢一

主宰:谷賢一が3年間かけて取材・構想・執筆を行ってきた「福島3部作」。
この想いに突き動かされた作品群を、是非この夏、1人でも多くの方に目撃して欲しいのです。

昨年、この福島三部作の第1部にあたる「1961:夜に昇る太陽」と言う作品に出会い、そして「1986:メビウスの輪」、「2011:語られたがる言葉たち」と言う作品群の創作を目撃する間に、嫌でも自身のこれまでを振り返り、「家族ってなんだろう?」、「家族と自分との関わり方、在り方」を考える事が増えました。
差別や、偏見、無知、無理解、誤解による風評…福島の方々が抱える問題、その深刻さや質とは比較になるものではありませんが…僕にとっては常にまとわりついている問題でもありましたから。

今回のこの作品群を上演するにあたって、この作品を是非、若い人達に観てもらいたいと、僕は、とある地方の県立高校の校長をしている従兄弟に公演のフライ
ヤーや、昨年の先行上演の際の記事や、今年の取材記事などと共に、是非、生徒さん達に紹介してくれないかと手紙を送りました。随分長いこと返事がありませんでしたが、先日やっと返信が。
「この作品の内容や、これを上演する事の意義には非常に共感する。が、このネットで調べればなんでもわかる世の中だ。これを紹介する事で、健一とわたしが従兄弟だ、身内だとわかった時に、父兄からどの様な反応が起こるか分からない。だから申し訳ないが生徒達に紹介する事は出来ない。ここは東京じゃない。田舎だ。地方なんだ。本当に申し訳ない。」と。
そうか…と、納得するしかありませんでした。そうだった、親族が断ってくるのも仕方がない。なにしろ、両親がこの20年強、僕の出演する舞台を見に来た事が1度も無いのだから。

お恥ずかしい話と言うか、今どき考えられないと仰る
むきもあるでしょうが、25歳の時、自分がセクシャ
ルマイノリティである事を両親にカミングアウトして以来、僕は家族・親族の集まる慶事に呼ばれる事はありません。最期のお別れだからと忌事に参加する事は
許されて居ますが、それでもお悔やみの席に並ぶ事はありません。
弟の嫁さんや、妹の旦那さんの顔は知っていますが、両家のご両親や、ご兄弟の顔を知りません。
無事に式を終える前に、僕がセクシャルマイノリティだと言うことが先方に知れて縁談を断られる様な事があるのではと、両親が心配した末の事です。

僕はまだまだ家族にとって…父や、母や、官僚やら、教鞭を執る親族にとって紛れもない出来損ない、知られてはならない家族の「恥」のままなのです。

人と違う事、当人が望むと望まないとに関わらず…人と違った環境、状況に置かれていること、今までとはと違った新しい価値観…こう言ったものを知ろうとすること、理解しようとする事、受け入れる事って、出来るようでいて中々出来るものではないですよね。
また、その人や、環境と、受け入れる側との距離感がそこには大きく影響することも、自分の実体験から少しは分かっているつもりです。
他人事だから、許容できる。理解したつもりになれる…でも、家族だったら許せない。
よその土地、よその国の問題なら冷静に考えられる、でも、自分の住む土地の話なら許せない。
テレビの向こうのトランスジェンダーや、女装家、オカマは許容できても、それが家族なら話は別だと。

セクシャルマイノリティである事は特別なことではな
いのだと知ってもらう、理解してもらおうと自分から
それを表明し、振舞っていた筈が、いつの間にか、「ゲイだから」と扱われる事が常態化して、自分が傷つかないようにと意識も鈍化し、本来の目的を自分自身が見失っていた事に気付かなかったのだと、思い知らされました。

と、自分の話はさておき、話を福島に戻します。知らない事、そこから来る誤解や、無思考、差別や、反感、これまでなかった価値観、存在への無理解がもたらす残酷さを人一倍感経験してきたからこそ思うのです。まずは知って欲しいと。この作品を是非、多くの方に見て欲しいと。そして、谷賢一が地道なフィールドワークによって集めてきた、そこにあるありのままの福島を、そこに生きる人達の声を。そして、知って欲しい。考えてみて欲しいのです。そして、福島の声は、姿は他人事ではない、やがて自分たちも直面するかもしれない姿なのだと。

どうかこの声が皆様の元に届くように、祈りを込めて。

■タイムテーブル
<東京公演@東京芸術劇場 シアターイースト>
8/19(月)~22(木) 休演日
8/23(金)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部★
8/24(土)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部
8/25(日)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部☆
8/26(月)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部
8/27(火)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部
8/28(水)11:00 第一部/13:30 第二部/16:00 第三部
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<大阪公演@in→dependent theatre 2nd>
8/31(土)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部
9/1(日)13:00 第一部/16:00 第二部/19:00 第三部★
9/2(月)10:00 第一部/12:30 第二部/15:00 第三部
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<第三部 福島公演@いわき芸術文化交流館アリオス 小劇場>
9/7(土)18:30 第三部★
9/8(日)14:00 第三部★

※★→終演後、トークディスカッションあり
※☆→終演後、アフタートーク開催
8/8(木)19:00 永井愛さん(劇作家・演出家・二兎社主宰)
8/10(土)18:00 白井晃さん(演出家、俳優、KAAT神奈川芸術劇場監督)
8/17(土)18:00 大森真さん(元テレビユー福島報道局長/現飯舘村職員 ※第三部主人公モデル)
8/25(日)19:00 長塚圭史さん(劇作家・演出家・俳優/阿佐ヶ谷スパイダース)
※斜体字→8/28(水)@東京、9/2(月)@大阪は、入替なしの通し券のみ!!

第一部『1961年:夜に昇る太陽』

■出演者 東谷英人、井上裕朗、内田倭史(劇団スポーツ)、大内彩加、大原研二、塚越健一、宮地洸成(マチルダアパルトマン)、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)、阿岐之将一、倉橋愛実

第二部『1986年:メビウスの輪』
■出演者 宮地洸成(マチルダアパルトマン)、百花亜希(以上DULL-COLORED POP)、岸田研二、木下祐子、椎名一浩、藤川修二(青☆組)、古河耕史

第三部『2011年:語られたがる言葉たち』
■出演者 東谷英人、井上裕朗、大原研二、佐藤千夏、ホリユウキ(以上 DULL-COLORED POP)、有田あん(劇団鹿殺し)、柴田美波(文学座)、都築香弥子、春名風花、平吹敦史、森 準人、山本 亘、渡邊りょう

■作・演出 谷賢一
■美術 土岐研一
■照明 松本大介
■音響 佐藤こうじ
■衣裳 友好まり子
■舞台監督 竹井祐樹
■舞台監督助手 さわださん
■演出助手 大原研二(第二部)、美波利奈(第一部、第三部)
■映像協力 松澤延拓
■音響操作 今里愛((株)エスエフシー)、吉村日奈子(Sugar Sound)
■宣伝美術 ウザワリカ
■制作助手 柿木初美、德永のぞみ、竹内桃子(大阪公演)
■制作 小野塚央

【助成】セゾン文化財団
【東京公演】助成:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)、芸術文化振興基金
【大阪公演】芸術文化振興基金
【福島公演】主催:いわき芸術文化交流館アリオス
【東京・大阪公演】主催:合同会社 DULL-COLORED POP

■ご予約・料金・券種・座席など
<東京@東京芸術劇場 シアターイースト>
全席指定・前売
一般:4200円 学生:3500円 高校生:2000円
通しチケット(第一部~第三部):10000円 ※第一部~第三部まで同じお席となります。※各日100枚限定/前売のみ
当日券一律:4500円
※受付開始は開演45分前、開場は開演の30分前
◎チケットご予約方法◎
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/dcpop/ (Pコード494-475)
東京芸術劇場ボックスオフィス https://www.geigeki.jp/ti/
※学生チケットをご購入の方(チケットぴあのみ)は、当日受付にて座席指定チケットをお引き換え下さい。
※未就学児入場不可。
※開演いたしますと、ご指定のお席にご案内できない場合がございます。
※8月28日は通し券のみ発売します。

残席情報 #福島三部作
8/24・25・28がバラ売りも含めて全ステ完売。23や27も若干枚数です。当日券は必ず出しますが枚数に限りがあります。早めのご予約を!
【東京】
8/18…◎ 8/23…△ 8/24…× 8/25…×
8/26…◯ 8/27一…◯ 二…◯ 三…△ 8/28…×
【大阪】
ぴあにて現在販売中は8/31、9/1の16:00のみ。
カンフェティ当日精算予約フォーム(枚数限定)を
19日10:00より開始開始。

8/31 13:00…× 16:00…◯ 19:00…×
9/1 13:00…× 16:00…△ 19:00…×
9/2 10:00…×

×:完売 △:残り僅か 〇:お席に余裕アリ ◎:おススメ

各公演、御一報頂ければお席の御用意をさせて

頂きます。

通しチケットは御好評につき完売となりました。

が、単発でのお席はまだございます。(28日を除く)

また、通しではとお悩みのお客様は、2部、3部の

前半日程でのご観劇をオススメ致します。

どうぞ、劇場まで御運び頂き、体感して下さい。










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