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ソーカツの推し「映画から学ぶトンネルの施工管理」#4
九州地方整備局の総括技術情報管理官(ソーカツ)です。
六月、from DOBOKUのテーマは「トンネル」。
土木施設では「橋」と比べ絵になりにくいのが「トンネル」です。
ソーカツの生まれ故郷は北九州市若松にも「第二若戸」として沈埋トンネルが完成しましたが、地区のランドマークとしては「橋」に譲る感じがします
そこで今回のテーマは「映画から学ぶトンネルの施工管理」です。
土木技術者は映画を観ても、こんなことを考えている?という紹介です。
映画は、ソーカツ推しの俳優スティーブマックィーンが主演の「大脱走」
第二次大戦中のドイツ収容所から「トンネル」を掘って脱走するというお話しです。観てない人は是非観てくださいとにかく面白い。
この映画から学ぶトンネルの土木施工管理!
キーワードは4つ
1.換気が一番 (安全管理)
映画では抗口から手作りの「ふいご」でトンネル内に空気を送風しています。
これをしないと坑内で働く人が酸欠になって大きな事故につながります。
ソーカツがゼネコンで下水道の推進工事に携わっていた頃、先輩から既設のマンホールや管路に入るときは「カナリア」の入った鳥かごをぶら下げて行くと教わりました。酸欠に弱い「カナリア」が気絶したら危険だから戻って来るそうです。真偽は定かではありません。
切羽(きりは)が崩れるから「現場ではお茶漬けを食うな」とも言われました。
2.土捨て場は決めとけ
映画では、トンネルから発生する土の処分に困り、畑の土に混ぜたり、宿舎の屋根に隠したりしています。このシーンを観て土木技術者全員「土捨て場くらい決めとけよ」と突っ込むはずです。
大量の土砂が発生するトンネル工事では、土捨て場を事前に決めておくことが大変重要です。事業費や工事進捗に大きな影響がでますからね。
3.測量?設計ミス?
掘ったトンネル延長の測量ミスで大変危険な状況となり、ハラハラします。
このミスはなぜ起きたのか? 映画では手作りの巻き尺で何度も測量しています。
自分はトンネルの測量ミスではなく、抗口から森までの距離を間違えていたと考えています。収容所の外を正確に測量できなかったのでしょう。
これは施工のミスではなく、設計する際の実測図が正確ではなかったからおきたミスです。
4.これが在来工法だ
今のトンネル工事は、ロックボルトで地山を保持させるNATM(新オーストトリアトンネル)工法が主流となっていますが、「在来工法」と呼ばれ支保で地山をささえる従前の工法があります。
映画では、宿舎から木材を剥がし支保工をしておりまさに「在来工法」での施工となっています。
文責・イラスト:ソーカツ
九州地方整備局 総括技術情報管理官
福岡大学土木工学科卒 美術部
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