【偏愛土木写真0009】牛根大橋
このコーナーでは、土木写真部の部員が一押しの土木構造物やお気に入りの写真をご紹介します。第9回は、鹿児島湾(通称:錦江湾)に架かり、桜島のランドマークとなっている牛根大橋(うしねおおはし)です。
牛根大橋(鹿児島県垂水市牛根麓~鹿児島市黒上町)
国道220号牛根麓地区は、豪雨で頻繁に断崖の崩落が発生していました。連続雨量150mmを超えると通行車両の安全確保の為に事前通行規制となっていましたが、それを解消する早崎防災事業の一環として、平成12年からおよそ8年の歳月を経て完成しました。
基地への砦
鹿児島県を代表する観光地である桜島。霧島市方面からは、錦江湾に沿う国道220号を車で走っていくと、その手前に白く輝く大きなアーチ橋が見えてきます。まるで、ゲームに出てくる「ラスボス基地への砦」みたいですね。写真は林道と桟橋から撮影しました。
※桟橋に入る時は漁港関係者の方にお断りしています。
その「砦」に入る手前には延長477mの牛根高架橋が接続されており、橋に向かってどんどんと登っていきます。段々と気分も上々↑↑。
土木写真部が得意とするマニア目線(笑)で、高架橋と牛根大橋を上下から撮影してみました。(上からの写真は林道、下からの写真は旧道から撮影)
そこは絶好の展望台!
そして、私がおすすめする牛根大橋のポイント。車で通過するだけでは勿体ない!橋の両側には数台分の駐車場が設けられています。車を停め、橋の上を歩いてみましょう!その時「砦」は「展望台」となり、路面からの高さ約28mの巨大アーチ、目の前に迫るモクモクと噴煙をあげる桜島や、眼下に広がる「日本百景」の錦江湾、漁港に停泊している無数の漁船を見ることが出来ます。そこからの眺望はまさに絶景です!
最後は土木写真部らしく、橋の斜め下からパチリ!(旧道から撮影)
構造概要
橋梁構造:3径間連続鋼床版バランスドアーチ橋
橋 長:381.1m
最大支間長:260.1m
総 鋼 重:5,344t
施 工:国土交通省九州地方整備局大隅河川国道事務所
供用開始:平成20年3月
大正大噴火
昔、桜島はその名のとおりひとつの島でした。20世紀最大の噴火と呼ばれる大正大噴火(1914年)で流出した溶岩が海峡を埋め、大隅半島と陸続きとなりました。牛根大橋の西側にその地形を確認できます。行かれる際には、そちらも合わせてご覧ください。
牛根大橋の位置
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写真・文:新留正人 土木写真部宮崎支部所属
鹿児島県出身・在住
株式会社ジーアイエス南九州 技術調査課
土木写真部入部2年目。一眼レフカメラ歴3年目。「褒められると伸びる人間」を自負しており、撮影のノウハウをこっそりと電子書籍にて勉強中。土木構造物のほか景勝地や観光地、行く先々で目にした絶景を主に撮影。公共測量に従事する測量士。