【偏愛土木写真0015】まるで宝石のような水を湛える鎧畑ダム
このコーナーでは、土木写真部の部員が一押しの土木構造物やお気に入りの写真をご紹介します。
今回ご紹介する鎧畑ダムは、秋田県仙北市紅葉で有名な玉川ダムの7Km下流にあります。
春、玉川ダムから下って一個めのトンネルを抜けると「息を飲む」という表現がぴったりの風景が広がります。宝石のパライバトルマリンのような水を湛えた鎧畑ダムのダム湖(秋扇湖)に新緑の埋没林が浮かぶ光景が目に飛び込んで来るのです。
およそ日本の風景とは思えぬ景色を右手に観ながらダム本体に向かうと、タイミングが良ければ3つのクレストゲート全部からの放流がお出迎え!
鼻息荒く右岸からダム天端に駆け上がると、もう気を失いそうな絶景を目にすることになります!!!
なんと言ってもダム湖の水の色!吸い込まれそうなブルーグリーン色!(ワタクシはこれをパライバブルーと呼んでます)
スキップしながら渡る天端から下流側を臨むと秋田杉の美しい事!
ゲートトラスはウルウルなリベちゃん!
年数を重ねたダムに必ずと言ってある高欄上の苔苔君。
もうね、何もかもが愛おしいのです!!
鎧畑ダムは、水源がPH1.1の玉川温泉の強酸性水に耐えうるコンクリートと、ダム湖側の鋼材はステンレスを使うなど、建設時より水に対する対策を施していたのですが、なにより驚愕したのは「上流の玉川ダム完成による利水補助の為、ダム湖に水を湛えたままダム堤体に穴を開け利水放流設備を作ったこと」です。どうやったんだ?誰か教えてけろー。ワタクシは素人なので単純に「すげえー!」の連呼。
建造当時からのご苦労やその後の遍歴等を心に置き留め、毎春3時間以上かけて、水の色を愛で、静かなダムを撫で撫でする為に走ってしまうのです。
ワタクシがダムを巡る様になったのは、地元津軽ダムの工事現場を観に行ったのがきっかけです。ダムを巡る事で水力発電はもちろん、橋、道路、砂防、治山、トンネルを始め、その大小にかかわらず、ワタシ達の為にある土木建造物を知らなさすぎな事にはたと気が付きました。
人口が減る事は判っているので、後継者が育たないと今まで当たり前に受けていた恩恵を受けられないかもしれん!と言う危機感と、とにかく土木建造物が好きという事でFacebookのコミュ「土木写真部」の部員として活動させて頂いております。
これまで訪れたダムは200基〜300基ぐらい。途中から別の水関連施設や土木施設、遺構、恐らく日本では初めて土木工事をしたであろう縄文を挟む様になったのでダムを訪れる基数の進捗は鈍化しています。