土木なイラスト#26 細島験潮場
ドボクなイラストを描いているコジヲです。
今回は、土木学会の推奨土木遺産にもなっている「細島潮験場」です。
日本における潮位測量は、明治5年(1872年)にオランダ人技士リンドウの指導で利根川河口の銚子に「量水標」を設けたのが始まりとされている。量水標は主要河川の河口に設けられ、目視によって干満潮位を観測していた。その後、明治21年(1888年)、陸軍省参謀本部に陸地測量部が設置され、国土の測量が開始されると同時に各測点が設けられた。験潮場は、土地の高さの基準を与え、その変化を測定するために設置された。
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細島験潮場は、陸軍工兵大尉・唐沢忠備氏が位置を選定し、施工は大阪土木会社が984円92銭で担った。明治25年(1892年)6月15日に、「陸軍省参謀本部陸地測量部細島験潮場」として竣工している。しかし、建屋の海底基礎部分は、当初木材を使用していたため、海虫に浸食され、翌明治26年(1893年)1月に崩壊した。さらに同年2月には石垣に間隙が生じ破損の危険が迫ったため、験潮の中断を余儀なくされている。改築工事は陸軍省参謀本部陸地測量部陸地測量手・柳瀬信誠氏が担当し、同年8月に完了した。施工は日知屋の石工・三樹庄蔵氏が担い、工事費は266円56銭だった。その際、石垣に山陰(東臼杵郡東郷町)の花崗岩が使用されたと推測されている。
とても印象的だったのでイラストにしました。(了)