思い出の表紙シリーズ01「2022年8月号」
広島県にある世界遺産宮島にある紅葉谷川の庭園砂防がモリナガ・ヨウさんのイラストで描かれた表紙です。特集主査は,寒地土木研究所の榎本碧さんと日本大学の西山孝樹さん。そして,学生編集委員としてかかって下さった北大の植野弘子さんと愛媛大の橋本美月さんが,イラストに登場しており,巨石組のスケール感が伝わります。
本号は,僕が幹事長として編集した土木学会誌の中で唯一担当者として名を連ね,土木学会誌史上初の造園学会誌との共同編集した号となります。土木学会と日本造園学会の共同編集「遺産を学ぶ旅」特別企画の記事2本(以下)が土木学会誌とランドスケープ雑誌の両方でお読み頂けます。
特別企画その1は、恩師中村良夫先生、日本造園学会長の小野良平先生、「生環境構築史」を提唱されている建築・都市史の松本法子先生による鼎談「遺産を経巡り、ニワを残す」。前ランドスケープ雑誌編集長の秋田典子先生にご協力頂き,企画段階から座談会まで,本当に学びの多い座談会でした。
特別企画その2は元造園学会長蓑茂寿太郎先生によるレクチャー「継承したい庭園砂防の心と技」。土木・造園双方を学ぶ学生たちと一緒にオンラインではありましたが,蓑茂先生のレクチャーをうかがい,その後8月号の担当者はみんなで宮島の庭園砂防の現場を訪れ,表紙の現場も訪れ,旅のしおりづくりも行いました。
どちらの特別企画も,土木学会誌,ランドスケープ雑誌の両方でお読み頂け,両学会から反響があったことが,とても嬉しかったです。本特集では,遺産を経巡り,歴史を辿ることで学ぶことができる価値継承の技術として,以下の三つを考えました。
1.場を読み解く技術
2.場を設える技術
3.場を活かす技術(遺産と共生した暮らし方)