認識の差

 少数戦をともに遊ぶ仲間での戦闘に関する理解の差が多かれ少なかれ存在します。それを少しでも埋めたい為、自分が考えていることを簡潔に書き出し互いの何が差を生み出すのかを探すことがこの記事の主目的です。

 

前書き

 少数対少数のフォーマット(ティア6前衛戦やカジュアルトーナメント、10対10以下)を楽しむための内容になります。楽しみ方は様々でしょう。勝利の為に金弾や消耗品を惜しみなく使う、クレジット稼ぎの為に通常弾を主に用いる、好きな戦車への愛情表現として愛車で戦う、特殊車両を用いて戦略の可能性を探る等、ざっと思いつくだけでも沢山ありますね。ですがこれらの楽しみ方は、集団でおこなう対戦ゲームのカテゴリに分類されるが故、過程はどうであれ最終的には目指すものへの拘りの強弱や妥協もありますが、「勝利」に帰結させることが最も丸く収まることだと考えています。

 同じチーム、同じクランでもプレイヤーのレベル差はあります。その「差」によってできることできないこと、理解できることできないことが各々あることと思います。ですが、そのチームで「勝利」を目指すのであれば互いの理解を近づけ合う必要があります。互いに「わからない」ということに対しての理解や納得も必要です。「分からない」ことは互いに埋めていくことです。それが嫌なら同じ考えができるメンバーをそろえましょう。指揮官のみが理解していてもただの独りよがり指揮になりますし、兵士の理解がなければ戦術が崩壊します。トナメ、進撃戦、CWでよく目にし、反省会と称する責任追及会が始まります。反省会で大事なことは「敗因」になったものの究明と解決です。あくまでチーム全体の勝利の為の場であり、ここでは皆平等です。兵士でも指揮官でも観戦者でも論理的、段階的に説明、解釈できるものがあるならば意見すべき場所です。私は原因には大きく二つあると考えています。兵士のミス(指揮の誤認識、誤情報の発信、その他エラー)と指示ミスです。そして考えうるミスの源流を紐解いていくことにより次に我々が取り組むべき事柄が見えてきます。


 最も頻発する可能性が高く、比較的解消しやすいのは各兵士の動きの考え方です。各兵士の技量の最低ラインの引き上げが最も効率的にチームの戦闘力を伸ばします。なぜならこのゲームは「待つ」ことが強く、「待ち」を突破するためにはそれ相応の枚数を必要とします。ですが、そのための枚数が理解の浅いプレイヤーの動きにより欠けてしまうと打つ手が限られてきます。ですので、無駄な消耗を防ぐため共通認識として持っていて欲しい事柄を書いていきます。



1.指揮官がいるなら話を聞き、理解する。
 いきなりですが簡単なことではありません。A地点2枚、B地点3枚のような注文を付けてくるときもあります。指示がある場合他プレイヤーとも相談しながら動きましょう。黙ってA地点5枚、B地点0枚なんてことになったら目も当てられません。また、望ましいこととして指揮官のオーダーが何を目的(通行料なのか、逆当てなのかハイドなのか、撃ち合いなのか)としているかまで察しがつくことです。ですが基本的(プロでやってるわけではあるまいし)に指揮官がオーダーすることと思います。まずはその注文通りに動きましょう。そして自分で具体的に何をすべきか分からないのであれば声に出して自分の戦場での役割とは何かを聞きましょう。


2.声に出して伝える
 1の続きです。チームで動くので情報共有は大事です。一人が把握しているのとチーム全体で把握できているのとではチームの動きの速さ、精度ともに段違いです。そしてその共有の場面で気を付けて欲しいことも書いておきます。

① 座標を用いる

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6SHカレリア北想定

 親切にもこのゲームのミニマップには座標が用意されています。ですが上の画像のようなことがまま起こり得ります。この画面の後、北に敵がいないと錯覚した指揮官は1、2ラインから敵ベースに向けて主戦力を向かわせて敗退する未来が容易に想像できます。勿論、真ん中から丁寧に崩せば…という反省もありますがそれだけではありません。指揮官と兵士との間に「北」という広範囲を指し示す言葉の認識の差があったということも敗因の一つだということも言いたいのです。そしてそれを防止すべく確認したい場所をできるだけ限定的に伝え合う努力をしましょう。勿論交戦中の忙しい中でいちいち細かく伝えきれない場合もありますが伝える、そしてそれを受け取る努力が勝つために必要です。情報の精度を上げていくことにより戦術の質が上がります。

 また被弾した場合も同様です。上の図の想定で「北で撃たれました」というのと「D2から85Mに撃たれました」では情報量に天と地ほどの差があります。毎度毎度こうして欲しいとまでは望みませんができる限り互いに正確な情報共有をできるようにしましょう。


②応答をする
 会話は言葉のキャッチボールといわれますね。話しかけても無視され続けても嫌ですし、必要事項を話しているのに無視されると困ります。戦闘中でも同じです。きちんと会話をしましょう。会話があるかないかで以下のようなミスが減ります。

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6SHのどかな海岸北想定

 D5で戦う指揮官は0,9ラインを押し上げてくれと指示を出しました。それに対して9ラインにいる兵士が反応をし、いざ前に出そうとしている状況です。反応し足並みを合わせるため「行くよ?」と聞いていますが周囲は無反応。やっと9ラインの交戦が始まった頃には、中央の味方を殲滅され中央から流れてきた敵に包囲され負ける流れです。誰も反応がないことが最悪です。ですのでしっかり返答をしましょう。その際に「○○さん」「座標○○」「車両名」と呼びかけるだけでも大分違います。

 加えて、フォーカスコール、キルコールは必須です。Tキーでピン刺し、HPを叫ぶ、なんでもいいです。殺すべき優先順位が分かるように全員でコミュニケーションしましょう。キルコールしてるにもかかわらず無駄弾を撃たせられた経験が何度もあります、やめてください。


3.無駄な被弾を避ける
 「無駄」という言葉が非常に曖昧です。ですので「無駄」な被弾を貰いにくくするコツを書きます。

①敵、味方の支配領域を意識する

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6SH漁師の港南想定

漁師の港でのマップ右左に分かれての睨み合いの構図。集団戦だけでなくランダム戦でも良く目にするかと思います。味方はA7、K6を抑え7~9ラインに安全地帯を作っています。他方で敵はどうでしょう。少なくとも味方の支配した領域からは確認できない1~3ラインは敵のいる可能性を孕んでます。ですので、迂闊に敵がいると思しき方角に甘い出し方はしないように心掛ける必要があります。


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6SHシャイア北を簡略した想定

シャイアでの中央の弓形の地形を使っての戦闘を想定します。中央にいるのがあなたです。敵は窪地からあなたを落としに来ます。その場合味方のキルゾーンへ引き込む意識が欲しいのです。味方の援護をもらえない場所で単騎で戦い死にましたでは困ります。前線の枚数が負けていて敵の強引な反撃が想定されるときに味方の援護がない位置で戦わないよう心がけましょう。

自分が戦っているとき、常に味方を援護する、援護される意識があるのとないのとで効率良く相手を削れるかどうかが変わります。


②遮蔽のそばで戦う 
 ランダム戦においても非常に役立つことですが撃ち合いをするにおいても、詰める動きをするにしても岩や建物や稜線といった遮蔽物をそばに置く意識を持ちましょう。遮蔽物があれば敵が撃ちに来たとしても隠れてリロード時間や、味方が寄ってくるまでの時間稼ぎができます。


③不毛な撃ち合いをしない
 負ける撃ち合い、他にもやるべきことがある場合を指します。その一例を示します。

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やってはいけない撃ち合い例1

前線枚数負けているにも関わらず複数の敵に対して距離が近すぎる。発砲後に反撃を貰いやすい。例1のような場合、より下げた位置取りをするか前線の枚数を増やす必要があります。


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やってはいけない撃ち合い例2

明らかに敵に対して不利な状態での撃ち合い。紐づけも他射線もない状態で自分は車体が丸見えですが相手は砲塔だけ出してのハルダウンです。この場合、相手のハルダウンを貰わない位置につく必要があります。相手が有利に使えそうな地形は常に注意を払いましょう。

画像7

やってはいけない撃ち合い(?)例3

HPでも枚数でも勝てる見込みのないクロスに飛び込む、やめましょう。


ありがちで、尚且つ意識すれば排除しやすい撃ち合いの場面を三つ示しました。画像は85Mですがティア10などでも同じことが言えます。敵がよくいるポジション知識、常にミニマップを見る余裕が必要です。リロード中や暇な移動中はTwitterなんか見ずにミニマップを確認しましょう。


4.レティクル管理
 
絞り切って撃つべき状況なのかいい加減に絞って撃つべきなのかを判断です。移動を優先する、敵が絞り切っており自分が絞っていると抜かれかねない状況では絞り切らない、確キルを取りたい場合、枚数かけてのラッシュ、有利な状況での撃ち合いなどではきちんと絞りましょう。少なくとも今絞るべきかそうでないかを考えるだけでも大分貫通率や撃ち合いの勝率が大きく向上します。


5.運転
 
ラッシュの時、細い通路を複数枚で通過するとき、他車両とぶつかりだんごになってしまうことをしばしば見かけます。後続がWキーから一瞬手を放すだけでも改善しますし、幅があるところであれば真後ろにつかないようにしましょう。

 また、ラッシュをする際、先頭車両はキャタを切られる可能性があります。にもかかわらず車間もない、真後ろにつけばどうなるかは明白です。先頭が足止めを食らうと後続も閊えてしまい敵の射線に長くいることになってしまいます。カレリアの丘を南から登ろうとするときなどに見かける光景ではないでしょうか。適切なら間合を保ちましょう。

 運転というよりは撃ち合いに近い内容のことになります。以下の画像を見比べてみてください。

画像8

6SHのどかな海岸北想定①

画像9

6SHのどかな海岸北想定②

極端ですがC1での撃ち合いが発生し、稜線の反対にいる敵5枚を味方7枚で押し込む場面です。①の画像と②の画像とでは真ん中の出方が異なります。一部を押し上げるのではなく面の意識をもって押し上げて欲しいのです。地味に味方との意思疎通が取れ連携出来ないと難しいですがチームの損害を最小限に抑えるために必要です。


 撃ち合いの話が出たので本筋とは離れますが、撃ち合いやマップ支配における内と外の意識について少し書きます。

画像10

極端なエルハルフ北撃ち合いを想定

「前線の枚数が勝っている、溶かしきるぞ」という判断が指揮官によってなされました。7枚で敵4枚を殺す予定ですが、まずどこの敵から落とすべきかというお話です。勿論B1からなのですがなぜなのでしょう。それは、B1にいる敵が少ない枚数だからというのもあります。ですが、それに加えてB1で生き残られるとC2、C1の敵を殺すときに永遠と弾を吐き続けてくるのです。一種のクロスファイアです。よってきちんと、外の敵から削りできる限り敵の射線を減らすということが大切です。


6.CAPの意識
 このゲームは殲滅以外でも勝てることを忘れてはいけません。CAPをする、されないようにするの意識は常に持ちましょう。誰か一人が声を上げるだけでも不意にCAPを決められたということは減ります。


7.枚数
 迂闊に死なないでください。3の事柄をしっかりこなしましょう。6SHでは一枚落ちるだけで14%、10vs10では10%、3vs3では33%、戦力が低下します。できるだけ無駄死にしない、させない意識を持ってください。


以上、集団戦を楽しむ際にも心がけてほしい共通認識です。


終わりに

 すべてを百パーセント完遂をすべきだということではありませんが、必要充分には取り組んで欲しい事柄です。仲の良いメンバーで集い戦車でチーム戦をするのは部活動にも似た楽しさがあります。集団戦を楽しみたいというコミュニティで勝てない、思い通りに事が進まない際の解決の糸口程度の内容として見ていただきたいです。これらの認識はあくまで「楽しむ」ための道具の一つ一つにしかすぎません。楽しく遊びましょう。

 書き出すとか言っておきながらほぼ一方的な要求しかつらつらとしか並べませんでしたがご勘弁ください。以上。






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