好物は、美味しいもの。~簡単な挨拶を添えて~

こんにちは から、はじめまして。
白に非ず、と書いて非白であります。よしなに。


わたしは、「美味しい」という感覚が好きだ。思わず口角が上がるような、胸が踊るような、この感覚に目がない。


わたしは今、食事を終えてガムを噛んでいる。こりゃあ美味しい。ガムなんてものは、初めの15秒ぐらいが一番味があって美味しい。噛みごたえ十分で、何より口がさっぱりする。ミント味のガムを噛むとメントールが鼻からスーッと抜けて、思わずくしゃみをしてしまうのも、この15秒間に含まれる。あーすっきり。新しい刺激って心地良い。そうこう感じている内に、1/4分のフィーバータイムはあっさり終わる。

だんだん、咀嚼を重ねるごとにガムは味を失っていく。では、果たして味がしなくなった時点でそのガムはもう用済みなのだろうか。いや、そうではなかろう。現にわたしは、味のしないガムを噛み続けているのだから。「美味しい」を失くしても、存在意義は残っているようだ。まだまだ噛む余地がある。みーぎっ、ひだりっ、みーぎっ......のようなテンポでガムを口の中で移動させては噛んでいる。正直、そこに楽しさすら見出しているくらいだ。もう暫くこのまま楽しんでいようかな。(※食べ物で遊んではいけません)



......



やってしまった......。最悪の事態が起きた。
なんと、ガムを噛みすぎてしまった。のんびりとSNSの通知を整理していたら、いつの間にかかなりの時間が経っていたみたいだ。「美味しい」が、「不味い」にまで移り変わってしまった。ああ、唾液だけが分泌されている口内を、微かに香るミントがカオスに仕立てあげている。わたしは、その異様さに堪らず、ガムを包み紙に吐き出し、すかさずうがいをする羽目になった。

クチュクチュと右へ左へ頬を膨らませ、うがいを続けていると、ふと、いつもに増して水の味を意識している自分に気がつく。水道水って美味しいんだなァ……なんてことを感じる。


ん?ちょっと待てよ?「美味しい」???

......ある。美味しさが、ここにあるじゃないか!!!
散々咀嚼し、"美味しいガム" が、 "不味いガム" に成り果てたお陰で、わたしは「水道水」という、新たな「美味しい」に出会ったのだった。めでたしめでたし



美味しい、は無限に存在する


そう、美味しいものは何処にでもある。しかし、美味しいと思っていたものが、ある時、急に不味くなることがある。一方で、食わず嫌いや幼少期に不味いと思っていたもの、さほど味を気にしたことのなかったものが、突然美味しいと思える瞬間が出てくることもある。これらの原因は、自分にあったり、単なる時間経過がもたらすものだったりと様々である。何にせよ、「美味しい」は、あればあるほど良いとわたしは強く思う。なんぼあってもいいですからね!と、頭の中で芸人さんの声がしたが、気の所為だろうか。

わたしは、文章を書くときにも「美味しい」を感じている。実際に体験したことや、思い描いたものと言葉がピタッと嵌った瞬間、高揚感に包まれる。それを「美味しい!!!」と思うのだ。(たとえしっくり来る言葉を見つけたとしても、文章全体では味がぶつかり合い、損ねてしまうこともあるのだが……。)

生きていけば自ずと、わたしは数多の「美味しい」に出会うに違いない。それらをこのnoteに、自由気ままに綴っていくとしよう。


それでは、またお目にかかる日まで。

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