子午線の走る漁師町・明石の写真をあげながら、名探偵コナンの容疑者に明石さん多すぎの件について語る
タイトルの通りなのですが、少し語弊があって、正確には「話の本筋に関わってこない、一般人の登場人物」というところでしょうか。
本題に入る前に、明石という町について軽く紹介したいと思います。
兵庫県明石市。
日本の時間を決める基準となる、東経135度の子午線のはしる町。
明石だこや真鯛で知られる、瀬戸内海に面した漁師町。
これから話すことはもはや『名探偵コナン』についてではありますが、せっかく“明石さん”について話すのだからと、カメラに収めた明石の街の風景を挟みつつ、進めていきたいと思います。(※この先、ネタバレがあります/写真の撮影場所は、記事のさいごにあります)
じつは、これまで一度たりとも『名探偵コナン』を一話から順に見たことがない。原作もアニメも。雰囲気でなんとなくぱらぱらと(いまは実際には電子書籍なのでスワイプなのだけど)めくって、適当なところから読み返したり、犯人を忘れている気がする話をもう一度見てみたり(二年も経てば、よほどわかりやすかったり、記憶に残る事件でもなければぎりぎりまで犯人を思い出せない)。
そんななかで、「あれ?」と思ったことがある。
「さっきの事件も、犯人が明石さんだったような……」
調べてみると、原作の『名探偵コナン』に明石さんが登場する事件は三つ。
事件のタイトルは、アニメに準拠したものを書いています。
ひとつめが、30巻の「新幹線護送事件」。
アニメだと240話からの前後編で、犯人の名前が明石彰。
ふたつめが、40巻の「疑惑の辛口カレー」。
アニメでは331話からの前後編で、犯人の名前が明石寛人。
ちなみにお父さんも出てきます。彼も当然明石姓です。
みっつめが、65巻の「死亡の館、赤い壁」。
明石周作の奇妙な死から、一連の事件は始まります。
彼の奥さんもすでに亡くなっているようです。もちろん明石姓です。
アニメにおいては、558話から4回にわたって放送されました。
ほかの事件に出てくる容疑者の苗字をすべて調べたわけではないけれど、さすがにこれは多いのではないか……。
しかも、コナン世界の明石さん、
犯人か、殺されてるか、死んでるかの三択じゃないか……。
『名探偵コナン』のパターンとして、物語に関わるキャラ(小五郎が熱を上げているアイドル・沖野ヨーコちゃんのような半一般人ゲストキャラも含める)をのぞいたその回限りのキャラクターはだいたいの場合、
殺された人・犯人・シロの容疑者二人となっている。
たまに、殺された人と容疑者が若干増えるパターンもあるけれど、言いたいことは「明石さんがこんなにも出てきて、割合的にはいちばん多いはずの容疑者がゼロってのは、なんか、たまたまにしてはたまたまなんだろーけどちょっと出てきすぎじゃない?」ということである。
名付けるほうも、適当に明石とつけているわけでもない。
『名探偵コナン』の登場人物は、主人公の工藤新一/江戸川コナンからしてそうであるように、だいたいが名前に元ネタやインスピレーション元を持っている。
各事件限りの一般人キャラたちは名前に共通点があることが多く、
「疑惑の辛口カレー」の明石親子についてはわからないけれど、
「新幹線護送事件」の登場人物たちは山陽新幹線の駅が、
「死亡の館、赤い壁」では、事件の関係者に漢字は違うが「色の名前」が含まれていることが作中でも言及されている。
それにしてもわざわざ西明石駅を明石に直さなくても、
福山や三原といった、普通の人っぽい駅名はもっとほかにもあるじゃないか。
(徳山・岩国・小倉さんはすでに登場している)
いやいや、明石彰はまだ明石シリーズの序章だから仕方ないにしても、
三度目の周作さんは安賀川さんにするとか、なんかできたんじゃ……
逆に、明石がじつはありきたりな苗字である可能性を考えてみようと思った。
コナン世界において警視庁には「別の佐藤さん」と「別の高木さん」が存在しているし(「別の高木さん」は鳥取県警に転属された)、「工藤シンイチさん」が殺されたことだってある。
佐藤姓は言わずもがな現実世界の日本でいちばん人口の多い苗字だし、
高木姓は全国68位、工藤姓は74位。
となると、もしかしたら明石さんも……!
と思い調べてみると、なんと全国869位。
およそ21700人、明石さんの比率が高い都道府県ランキング第一位の徳島県でもその割合は0.07%と、100人に1人にも満たないではないか。
おい明石よ、お前、めちゃめちゃ珍名だな。
以上、明石の街並みの写真を織り交ぜながらの、
コナンに出てくる明石さん多すぎない疑惑についての話でした。
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撮影場所:
一枚目…本町付近の船着き場
二枚目…魚の棚
三枚目…とある民家のポスト
四枚目…子午線標示柱/トンボの標識
五枚目…明石神社
六枚目…明石城跡