【徒然ボカロ一人語り】第35週目
※【前書き】これは私が学生の頃から今までの間に個人的に感銘を受けてきたボカロ楽曲の数々を今更ながらに振り返り、紹介してみようというブログのようなコーナーです。予めご了承ください。
こんにちは、Sai.です。時間というものは大変早いもので、6月に入り既に2021年も折り返し地点となりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?私はと言いますと、相も変わらず今日もこうしてボカロ曲レビューを気の向くままに執筆しております。今週もIAの楽曲を紹介して参ります。
クラウドライダー
田中隼人×Jane Su feat.IA
『クラウドライダー』というタイトルにもある通り、蒼い雲海をハイスピードで疾走している光景が目に浮かんでくるような、壮大な印象の楽曲です。傾向としては以前レビューした『TSUBASA New Days』に近いものがあるかもしれません。
その壮大な曲想を支えているのは、オケの主旋律を刻んでいるストリングスと、そのメロディに従って敷かれているシンセ音色にあります。さらにディレイを効かせることで横への拡がりが強く聞こえる効果が得られており、ある種王道的な「壮大な曲想の作り方」をしている作品と捉えることもできます。
ただ、『クラウドライダー』が秀でている点はその他細かい箇所にも散りばめれていて、まずは歌詞の語感の良さにあります。特にサビに顕著なのですが、「巡り巡る空想」「褪せる褪せる願望」などという歌詞が印象的なリズムで繰り返される部分が多くあり、ラップジャンルに見られるノリの良さが感じられます。
またラストサビ前での静寂の使い方がこの作品はまた秀逸であり、曲の終わりへと向けて、盛り上がりのボルテージがぐんぐんと上がっていく効果があります。こういった展開構成を取られると、視聴者側は厭が応にもわくわくと惹きつけられてしまう気がしますね。
そして筆者が最後に一番伝えたい『クラウドライダー』に魅力は、IAの低音域の歌声にあります。是非Cメロにご注目いただきたいのですが、他の作品ではあまり聴くことのできない、芯のある、それでいて濁りの少ない綺麗なIAの低音を聴くことができます。これにはもちろん作者さんの調整の技術が多分に含まれているとは思いますが、それでもIAの「透き通った歌声」が高音域のならず、低音域においてもその魅力が発揮されることの証左ではないでしょうか。
是非原曲を一度お聴きになってみてくださいね!それではまた来週もよろしくお願いいたします。