【徒然ボカロ一人語り】第40週目
※【前書き】これは私が学生の頃から今までの間に個人的に感銘を受けてきたボカロ楽曲の数々を今更ながらに振り返り、紹介してみようというブログのようなコーナーです。予めご了承ください。
こんにちは、Sai.です。約ひと月ぶりの更新となりましたが、引き続きお付き合いいただけますと幸いです。
『六兆年と一夜物語』
kemu feat.IA
元祖IAショックとでも言うべきでしょうか...
初出から約10年が経った今なお語り継がれる、ボカロ史に残る伝説の1曲です。
ハイスピードで繰り広げられるオケにのせてIAの疾走感ある歌声が、
癖になるほどの軽快なリズムとともに終始冴えわたります。
また本作が一度聴いたら忘れられないほどの強いインパクトを持っていることは、この曲の知名度を考えると既に明らかかとは思いますが、その大きな原因となっているのは印象的なリズムに加えて「歌詞の言葉選び」にあると筆者は考えます。
私の知っているボカロPの中ではkemuさんとNeruさんの持つ特徴がこれにあたるのですが、「殺す・死ぬ」といったラジカルな単語を歌詞の中に組み込み、全体的にネガティブな暗い曲想で作品を一貫することで強いインパクトを聞き手に与える手法というものがひとつ存在します。
ボカロが台頭してくる2007年以前のJ-POPには全く存在しなかったジャンルでもあるため、当時こうした曲に出会った時の視聴者は、相当な衝撃を受けていた筈です。TVに比べてネットで公開されるコンテンツの規制管理が特段厳しくないからこそ実現できたという事情も大きくはあると思いますが…
『六兆年と一夜物語』は上記特徴を持つ曲の代名詞とも言える作品で、歌詞の至るところにインパクトの強いパワーワードが散りばめられております。ある種中二病的な色が強いとも捉えられますが、小説などコンテンツの枠を横断して広がっていくこの作品の世界観はやはり唯一無二であると断言できます。
「中毒性の高い音楽」が好きな方、またボカロの歴史を勉強したい方には是非とも一度聴いていただきたい、そんな至高の1作です。
最後に少し告知をひとつ。次回の更新からは当面テーマを「kemu」作品にのみ絞って紹介していきます。約5年間、動画投稿している楽曲の全てがダブルミリオンを達成しているというバケモノじみた経歴を持つ氏の真髄に触れ、その魅力を伝えられるように頑張ります!