
ヤンフロの3年間(22年~24年)と長橋監督が残したもの
「おいいっ!!!!危ないだろ!!!!」
温厚な長橋監督がラインぎりぎりまで飛び出して、
コーチ陣や第4審判に止められる。
言い方が悪いかもしれないが、個人的には名物となっていたアウェイ青森山田での瞬間。
青森の地では誰よりも最前線で戦っていた、あの温厚な長橋監督。
アカデミーを追っていて、いくつかある胸が熱くなる瞬間。
この青森での長橋監督は忘れられない。そして、忘れない。
それは一旦横に置いておいて。U18の長橋監督そして佐原秀樹コーチがトップチームに異動することになったので、誠に勝手ながらその直近3年間のヤンフロをざっくりと振り返ろうと思う。
長橋フロンターレのプレミアリーグEASTでの戦績
フロンターレU18がプレミアリーグEASTに昇格し戦いがスタートしたのは、2022年シーズン。ここで昇格即優勝という快挙を成し遂げる。プレミアファイナルでは惜しくもサガン鳥栖U18に敗れるも、多くのサポーターの記憶に残るシーズンとなった。2023年シーズン、最終節まで優勝争いに加わるも首位とは勝ち点4差の3位フィニッシュ。2024年シーズン、シーズン通して苦しい試合が続くも終わってみれば首位とは勝ち点6差のトップ5フィニッシュ(5位)。
直近3年間の長橋フロンターレのプレミアリーグEASTでの戦績は以下だ。
22年 1位 勝ち点47 14勝5分け3敗 51得点20失点
23年 3位 勝ち点46 14勝4分け4敗 57得点17失点
24年 5位 勝ち点35 11勝2分9敗 35得点27失点
これだけではどれだけすごいか見えにくいかもしれないので、もう少し補足する。直近3年間のプレミアリーグEASTのトップ3は以下。
川崎フロンターレU18 勝ち点128 39勝11分16敗
青森山田 勝ち点119 36勝11分19敗
横浜FCユース 勝ち点100 29勝13分24敗(※)
(※横浜FCユースは23年シーズンはプレミアリーグWESTに所属)
直近3年間の長橋フロンターレの戦績とプレミアリーグEASTトップ3チームの戦績である。この育成年代、メンバーのチーム在籍は長くても3年。どうあがいたってチームは生まれ変わる。メンバーが変わる。その中で安定した成績どころか毎年優勝争いに加わっているのだから、これは凄まじいことで、もう少し注目されてもいい。名将・長橋康弘である。
次に、簡単にシーズンごとに振り返ってみようと思う。
22年シーズン:プレミアリーグEAST昇格即優勝
プレミアEAST昇格即優勝した22年シーズン。戦績は前述したが「勝ち点47 14勝5分け3敗 51得点20失点」、2位とは勝ち点7差でフィニッシュ。2節を残した第20節の保土ヶ谷でのFC東京U18戦に勝利し、優勝を決めた。このチームからは高井幸大が高校2年生でのトップ昇格を決めただけでなく、大黒柱・10番大関友翔とDFの要だった松長根悠仁もトップ昇格を果たしたシーズンでもあった。

基本システムは4-4-2。「CB-ボランチ-CF」のセンターラインは3年生が。高井幸大がトップに帯同する期間もあり、その際は左CBに松長根悠仁、右CBに信澤くん(現・桐蔭横浜大)が入ることが主だった。またリーグ終盤には当時1年生の土屋くんが左SBのスタメンに絡み始めた。「高井・松長根・大関・由井」で構成されるボックスは当時の育成年代ではトップの陣容であったと思う。

このシーズンのキーは、「アウェイ青森山田」、「大関友翔」、「2巡目の対策」。
プレミアリーグはホーム&アウェイ方式。年間通して22試合が用意されている。チームはその前半戦の11試合を10勝1分という驚異的な勝ち点を積み上げ、首位を快走。昇格したばかりのチームがなぜこの結果を生み出せたのか。それは一つに「自信」であるとみている。
その「自信」がついたのは、5月1日の「アウェイ青森山田」との試合。高体連のトップofトップ相手にしかもアウェイの地で2-1と勝ち切ったことでチームは勢いに乗る。

そして、この試合の勝利に導いたその中心にいたのは、「10番大関友翔」。この試合、2年生が7人を占めていたヤンフロを持ち前の捌く能力と相手を外す動きで落ち着かせるだけでなく、自身で直接FKを決め切り待望の先制点をもたらす。特にあの大関友翔にはフロンターレの未来が映ったのを今でも鮮明に覚えている。
「アウェイ青森山田」とのこの1戦での勝利はプレミアリーグ経験のなかったチームにとっては非常に大きいものとなった。前半戦終了まで8連勝でフィニッシュ。だが、ここからだったプレミアで戦うことの難しさ。
もう一つのキー「2巡目の対策」に触れる。後半戦がスタートするも3試合を1分2敗という結果となってしまう。相手がフロンターレ対策をしてきた。特に7月9日の富士通スタジアムで行われた大宮アルディージャU18戦。4-4-2ベースのヤンフロ、2トップの一角に入る岡崎寅太郎君(当時2年生)がハーフスペースでボールを受けて前を向き相手の陣形を崩しながら前進するのがチームの一つの形だったが、対戦相手はコンパクトな陣形を敷いてその岡崎君にボールが入った瞬間を複数で刈り取ってくるようになった。ヤンフロは差し込むのが怖くなり相手の背後に単調に蹴るシーンが多くなり、リズムが握れず。この大宮U18との試合は引き分けに終わるが、「これがプレミアの対応力か…」と思った試合だった。

2022/07/09@富士通スタジアム)
岡崎くんのハーフスペースでの受けからの中央突破に加えて、サイドからの攻撃に厚みを持ち始めたのもこの後半戦。10月22日のアウェイ桐生第一戦では、それまでチームでトライし続けていたクロスからの得点が生まれるなど、進化するヤンフロを見せつけ優勝だけでなく翌シーズンに繋げる終わり方をしていた。

23年シーズン:最終節までもつれた優勝争い、3位フィニッシュ
プレミア昇格即優勝の翌シーズンとなった、23年シーズン。GKからFWまで前年のスタメン7~8人が残ったため、引き続き期待が大きかった。戦績は「勝ち点46 14勝4分け4敗 57得点17失点」の3位フィニッシュ。最終節には上位3チームに優勝の可能性があるという混戦となった。2年連続で優勝争いをするというのは素晴らしい結果である。またこのシーズンは、由井航太がトップ昇格となった。
チームは前年からの4-4-2を引き継ぎながら、主には右SB江原くん(現・日本大)を押し上げ3-4-3に可変をしてのビルドアップにも挑戦。チームとして進化をし、相手の対策を上回ろうとしていた。スタメンに目を向けると、22シーズンボランチでスタメンを張っていた由井航太が怪我でチームを離れる期間があり、アタッカーもしくはトップ下での起用が年間通して期待された10番尾川くん(現・中央大)がボランチへ。彼はボランチで殻を破ることとなる。攻撃時の出力だけでなく守備時には球際へ激しくアタックできる選手へと成長。攻守においてチームに欠かせない絶対的な選手へと進化する(トップチームにも帯同し、パリSGとの親善試合にも出場したのはサポーターも記憶にあるのではないか。)。また2年生土屋櫂大くんがCBの柱となり、また1年生林駿佑くんの成長が著しかった。

このシーズンのキーは、「堅守」「高体連」「岡崎寅太郎」か。
「堅守」、このシーズン22試合戦って失点はわずかに「17」。年間通して安定した戦いをしていたと言っていいだろう。前半戦は主に土屋櫂大くんと山中大輝くんがCBを、後半戦は土屋櫂大くん、現トップチームの由井航太、当時1年生の林駿佑くんらがCBを担っていたが、22試合中13試合が完封勝利だった。
「高体連」、このシーズンの青森山田は強かった。プレミアEAST/ファイナルを制するだけでなく、結局選手権までもを制し強さを示した。また、リーグでは2位フィニッシュとなった尚子、超高校級と評された現清水エスパルス在籍の郡司璃来擁する市立船橋には、リーグ最少失点だったチームが苦しめられた。
そして、このシーズンを語る上で「岡崎寅太郎」は外せないだろう。プレミアEASTで堂々の18得点を決め得点王を獲得。リーグにはその他世代を代表するようなストライカーが何人かいた中でのこの得点王は素晴らしかった。また、前年の8得点と合わせるとプレミアEASTの2年間で26得点。トップ昇格とはならなかったが、進学先での活躍が大いに期待される形で卒団となった。
キーにはしなかったが、ここにも触れておきたい。このシーズンで卒団をした各メンバーの進学先である。明治大、日本大、中京大、國學院大、新潟医療福祉大、中央大、関東学院大、法政大、桐蔭横浜大などに進学。サッカー強豪と言われる大学への進学が増えてきた。そして、進学先で1年次からAチームに絡んでいるメンバーも少なくない。これがフロンターレがアカデミーを強化してきた結果の一つでもある。
24年シーズン:苦しんだリーグ戦とこぼれたクラブユース優勝
プレミア参入3年目。シーズン通して苦しんだ。戦績は「勝ち点35 11勝2分9敗 35得点27失点」とそれまでの2シーズンと比較し事実としてどの数字も落ちている。開幕3連勝で順調かと思いきや、流経大柏、横浜FCユースに敗れ前半戦で早くも連敗を喫する。それでも7勝4敗と粘り前半戦を折り返す。後半戦、4試合勝ちなしを経験。上位・流経大柏に競り勝ったと思えば、3連敗を喫する。後半戦だけだと4勝2分5敗と負け越し。それでも3連勝フィニッシュができ、最終的には首位とは勝ち点6差と惜しいところまでは勝ち点を積み上げた。このチームからは、大黒柱であったCB土屋櫂大くんのトップ昇格が発表された。
「2年生ストライカー」プレミアEAST8得点の恩田くんを頂点に基本はこれまでのシーズンと変わらない4-4-2。保持は、関くんー土屋くんー林くんの3枚が並び右SB柴田くんを押し上げる形だが、年々この3-4-3の可変はスムーズになってきた印象。前年にU17W杯を経験した土屋くん柴田くんの安定感は素晴らしく。特に柴田くん、これまでの2シーズンで試合に絡み切れなかった鬱憤を晴らすかのようにハイパフォーマンスを繰り返す。

「苦しんだリーグ戦」だけでなく「夏のクラブユース」のチームにも触れておきたい。ゲリラ豪雨に見舞われ難しいコンディションの群馬でのリーグ戦をなんとか勝ち上がったヤンフロ。ベスト8で大宮アルディージャU18を振り切り、ベスト4のアビスパ福岡U18戦では、土屋櫂大くんの後半アディショナル弾でPK戦に持ち込み劇的勝利。そして、決勝のガンバ大阪ユース戦。変則40分1本という難しい状況の試合。先制点を許すも逆転に成功。ただ追いつかれた後にアディショナルに直接FK被弾で非常に悔しい敗戦。いろいろな意味で忘れないこの一戦は。

24シーズンは非常に難しいシーズンだった。歯切れが悪くて申し訳ないがヤンフロが悪すぎたのかと言えばそうではないというか、プレミアリーグ全体のレベルが年々上がってきていることは言っておきたい。
特にJクラブのアカデミー。OBを中心に現場に戻ってくるケースが年々増えている。鹿島アントラーズユースは今に始まったことじゃないかもしれないが、24年シーズンは監督に柳沢敦氏、コーチに曽ヶ端準氏、アドバイザーに小笠原満男氏だ。25年シーズン、浦和レッズユースがプレミアEASTに昇格してくるが監督は平川忠亮氏、コーチには阿部勇樹氏がいる。
これは高体連でも。OBではないが元選手を招聘している。昌平は夏のインターハイを制したが、監督は玉田圭司氏。流経大柏、現在行われている選手権でもベンチに帯同しているがコーチには山根巌氏、南雄太氏がいる。
高体連含めたチームが元プロを招聘し指導にあたる。しっかりと対策含めたサッカーを展開してくる。毎試合レベルの高い試合が行われ、余裕で乗り切れるといった試合なんて一つもない。
ヤンフロもトップの沖縄キャンプや普段の麻生グラウンドでの練習に帯同するなどトップと連携し強化を図っている。また、これまでの2年間のプレミアでの結果からか、普段のTMの相手は"ほぼ"大学生になっているのはポイントだ。これはクラブの公式のスケジュールに載っており見てもらえれば分かることなので、プレミアリーグ以外にも日程が合えばフロンタウン生田に足を運んでみてほしい。
長橋監督が残したもの
育成年代のチーム。そのミッションはその所属するコンペティションで優勝するだけではない。優勝を目指しながらの選手の育成がミッションである。しかもメンバーが毎年変わるという条件付き。
長橋監督はその非常に難しいミッションのかじ取りを託され育成年代最高峰のプレミアリーグに挑み続けた。1~3年生を上手く競争させながら、そして上手く融合させながら勝利を目指すのは簡単ではないとは思うが、それができたからこそ、毎年のように優勝争いに絡むことができたのではと。この3年間で見事な結果、いや最高の結果を収めたのではないかと思う。一学年に偏った編成をしてしまえば、その学年が抜けた際に非常に厳しい戦いになるのは明らかである。
目の前の優勝も大事だが、それと同じくらいかそれ以上にプレミアリーグで今後も戦い続けることは重要。もちろん所属するメンバーの育成・強化という意味。ただ、それだけではなくもっと下の世代の選手のスカウティングにも影響してくるのではと想像する。そう、アカデミーとしてプレミアリーグで戦い続けることは非常に重要。そのプレミアリーグで戦い続けるため、また各学年を融合しながら優勝を目指すというその基礎・土台を長橋監督が築いたのではと思っている。アカデミー、いやフロンターレ全体として非常に重要な3年間だったと振り返って思う。
今後のアカデミーとフロンターレ
トップチームに目を向ければ、若手・中堅・ベテランとあらゆる層が海外に引き抜かれれる時代になったが、アカデミーから毎年のようにレベルの高い選手をトップに送り込むことはこれに対抗する一つか。もちろんアカデミーからの直接だけはない、大学経由も含んでいるが。
また、プレミアリーグという舞台で戦ったという経験はキーか。大関友翔や松長根悠仁がJ3で示した力。あれは、もちろんトップ昇格後の麻生グラウンドでの鍛錬が影響しているとは思うが、さかのぼればアカデミー時代に強度の高いプレミアリーグで戦ったからこそ移籍先でもスムーズにプレーができたのではないか。彼らがJ3で示した力は後輩たちの希望となっているはず。福島の地で次は由井航太の番だが、彼もきっとやってくれる。
25年シーズンのヤンフロ。トップチームはアビスパ福岡から長谷部監督を招聘。フロンターレはトップとアカデミーが一貫しているのが強みだが、トップチームの戦い方を見守りながら、それがどうアカデミーに反映されていくのか注視をしていきたい。中村憲剛FROがトップとアカデミーの橋渡しとして25年よりはより現場の近くでということのようだが、とはいえ「これまでをベースに」とし大きな変化はないのではと予想。トップからのアカデミーに異動となる狩野健太氏や現役引退を発表しアカデミーに入閣となる稲本潤一氏はどのカテゴリーに配置になるかは注目している。
長くなったので、そろそろnoteを締めたいと思う。次のフロンターレの黄金期は28年から30年前後からスタートするのではと予想している。新スタジアムが完成する付近か。21年プレミアリーグを昇格を決めたメンバーが大学経由で帰還するのが26年シーズン。22年プレミアリーグ参入初年度を戦ったメンバーが大学経由で帰還するのが27年シーズン。アカデミーから直接トップに昇格するメンバーに加えて、毎年のように大学経由でプレミア経験メンバーが帰還するものと見ているが、28年~30年あたりにもう一度黄金期が来るのではないか。各ポジションに外国籍選手含めた外からの血はもちろん必要だと思うが。
「そのチームの中心にいるのは、アカデミーの未来を切り拓いた1人・大関友翔なのでは」と雑に(いや、内心はかなりの本気)予想をし、このnoteを終わりにしようと思う。
25年シーズンも各地の試合に足を運び、
陰ながら勝利を見守ります。
Appendix -シーズン毎のベストゲーム-
ヤンフロの直近3年間、そのシーズンのベストゲーム3戦について。
22年シーズン
5/1(日) vs 青森山田@青森山田グラウンド
2-1勝利 得点者:大関 友翔、岡崎 寅太郎
優勝を決めた保土ヶ谷でのFC東京U18戦や、プレミアファイナルでのサガン鳥栖U18戦にも触れたいところだが、やはりこの試合は外せない。「チームとしてやっていることが間違いじゃなかった」と「そのシーズンだけではなく、このチームはプレミアリーグで戦える」と自信をつけた試合。この試合があったからこそ、リーグ優勝したと言っても過言ではない。そのくらいの重要な試合。このシーズンの前半戦の8連勝フィニッシュに繋がった。青森山田のロングフィードとロングスローに苦しめられるも松長根-信澤のCBコンビで凌いだヤンフロ、大関友翔の直接FKが突き刺さり先制。後半、青森山田に追いつかれるも2年生岡崎寅太郎くんのゴールで勝ち越し。青森の地での歴史的勝利。22年から3年連続アウェイ青森山田に参戦しているが、この試合は特に忘れられない。いや、直近3年間でもベストofベストの試合。
23年シーズン
7/8(日) vs FC東京U18@保土ヶ谷公園サッカー場
1-0勝利 得点者:オウンゴール
このシーズンの前半戦、流経大柏に後半アディショナル被弾、市立船橋に後半アディショナル被弾、青森山田に85分被弾、柏レイソルU18に84分被弾と、試合終了間際での失点で勝ち点をこぼしていたヤンフロ。前半戦ラストの試合、FC東京U18との試合ではスコアレスで試合が進み、鬼門の後半アディショナルに。最後まで攻めの姿勢を崩さなかったヤンフロ、2年生柴田くんのCKが相手のオウンゴールとなり劇的勝利。ヤンフロの進化が見えた試合、"鬼門"を乗り越えた試合。ターニングポイントだ。個別の局面に触れると、U17アジア杯でも躍動していたFC東京U18の10番・佐藤龍之介くんに終始厳しいチェックで仕事をさせなかったのはヤンフロの10番・尾川丈くんであったことは忘れない。チームはそこから5連勝・5試合連続無失点。勝ち負けに拘らずに言えばナイスゲームはその他にも。どちらも負けてしまったが、アウェイ市立船橋戦(2-3負け)、ホーム尚志戦(1-2負け)は印象に残っている。
24年シーズン
11/24(日) vs 青森山田@青森山田グラウンド
3-0勝利 得点者:土屋 櫂大、八田 秀斗×2
22年に続いて青森山田戦を選ぶのはどうかと思ったが、24年シーズンのベストゲームはやはりこのアウェイ青森山田と言っていいか。プレミアリーグ参入後、初の3連敗を喫し優勝争いからも1歩後退した中で迎えたアウェイ青森山田。ここまでの青森山田との戦績は2勝1分2敗と五分。試合は、青森山田がロングフィードとロングスローでヤンフロの牙城を崩しにかかる展開。だが、立ちはだかったのは土屋くんー林くんのCBコンビ。青森山田の放り込んでくるボールをことごとく跳ね返し、試合トータルで見ても競り合いは全勝だったか。逆にヤンフロ、青森山田のお株を奪うようにセットプレーから見事なまでの3発。ヤンフロvs青森山田は、この先もいい試合が何度も何度も見れそう。24年シーズンの他の試合に触れると、7/6のアウェイ鹿島アントラーズユース(3-4負け)、9/29のホーム流経大柏(3-2勝ち)なども挙げたい。また夏のクラブユース選手権、グループリーグ突破を決めた7/25のサガン鳥栖U18(4-0勝ち)、準決勝の後半アディショナル弾でPK戦勝ちのアビスパ福岡U18戦、決勝のガンバ大阪ユース戦(2-3負け)は非常にナイスゲームだった。