【フロッグの考察部屋】2年生編12巻 考察&感想!!
前回の2-12巻発売直前note以来です、フロッグです(´▽`)
満を持して発売された2年生編12巻を今回もしっかり読み込んできたので、感想・考察していきます!
因みにこの記事を元にした解説動画を、YouTubeにも投稿しているのでそちらも是非ご覧下さい。
とりあえず、今回はあの男が何もかも破壊して行ったという感想が一番に出てきますが(笑)
それでは、早速行って参りましょう!
Ⅰ.〜2年間の集大成〜2年生学年末特別試験解説!
1年生編より更に大規模に展開した2年生編でしたが、遂に2年生編学年末試験まで来ましたね。
12巻開始直後での各クラスポイントはこのようになっていました。
試験の結果次第では、大逆転も有り得るくらいの差となっていました。
試験内容的には、『代表者』に重要な役割が与えられており、その代表者たちメインキャラは特に、この2年間の集大成を見ることが出来たと思います。
まずは、2年生学年末特別試験のルールから振り返って見ましょう。
☆学年末特別試験のルール(※不要な場合スキップ推奨)
こちらは、満場一致特別試験で各クラスが選択したクラスとの対戦になっています。
また勿論、満場一致特別試験の際に上位クラスを選択し勝利した際のボーナスポイントも反映されます。
これは推測になりますが、
坂柳クラス:0ポイント、堀北クラス:50ポイント、龍園クラス:100ポイント、一之瀬クラス:50ポイント
のボーナスになるかと思われます。
👇👇👇配役はこちら👇👇👇
そして『背信者』には『対話』を行いその結果によって退室させる事が出来ます。
この様に背信者は一般的に、その議論中は対戦相手に有利な反面、生き残ればクラスポイント+50が手に入る為断定がしにくい配役になっています。
『参加者』側に与えられる配役毎の報酬は、基本的にプライベートポイントになっていました。
基本的には、『参加者』は自分の配役に従いプライベートポイントを狙い、『代表者』はその様子を観察し配役を見切り対戦相手のライフを削っていくという流れになってましたね。
書いてある事は複雑ですが、
『人狼ゲームを外馬で当て合う』のが基本の試験です。
ではルールも把握したところで、それぞれの対戦を振り返ってみましょう!
◎『坂柳クラス』VS『龍園クラス』
こちらの対戦は前巻で交わされた契約通り、『坂柳と龍園、負けた方が退学する』ことが確定しており、両クラスの進退が決定する重要な戦いとなっています。
もう一方の勝負にも言えることでしたが、中堅・大将になるにつれて順当に相手を上回っていく描写がとても良かったです。
①A-先鋒:真田康生🆚C-先鋒:西野武子
まずは文字通り『先鋒戦』。
ここではお互いプレッシャーを感じながらも、Cクラスの西野は学年末試験で代表者という重圧と自身の場違い感に完全に呑まれ、半ば自爆のようにライフを落として行きます。
結局真田は一度も配役を当てに行かず、勝利を収めました。
西野の起用は、『学年末試験の代表者』が覚悟の決まった強者にしか務まらない事をよく表した描写になっていましたね。
②A-先鋒:真田康生🆚C-中堅:葛城康平
先鋒の西野がストレート負けを喫し、中堅の葛城が登場。
正直、中堅で葛城が出てくる龍園クラスは中々ヤバいなーと思ってました(笑)
特に今回の試験は、議論しているふたつのクラスメイトを代表者が『人読み』して配役を当てるというものです。
お互いのクラスに在籍した過去を持ち、クラスメイトをよく観察してきた葛城にとって、試験への適正はバツグン。
対戦相手の先鋒、真田が『一度も配役指名を出来なかったのだろう』と痛い所を突かれており、葛城のストレート勝ちとなりました。
真田は1戦目で、自身よりテンパっていた西野が居たせいで『自分自身もプレッシャーに負けていた』事に気付かず戦っていたと描写がありましたね。
葛城を筆頭に、リーダー格の強さが浮き彫りになるいい描写でした。
③A-中堅:鬼頭隼人🆚C-中堅:葛城康平
続いてAクラスの中堅で出てきたのは、鬼頭隼人。
彼は身体能力に秀でたものを持つものの、今回のような頭を使った読み合いは不得意とされています。
案の定、龍園に向けた感情を剥き出しに当てずっぽうで連続指名し、自爆でライフを枯らして行きます。
坂柳からの指示もラッキーパンチを期待した特攻だった様ですが、運も味方をせず葛城にストレート負け。
葛城に今回の試験には向いていないと指摘され、怒りを爆発させた鬼頭は葛城の胸ぐらを掴みにかかり『暴走したかのように』思われましたが…
ともかく、鬼頭のストレート負けで早くも大将の出番となってしまいます。
④A-大将:坂柳有栖🆚C-中堅:葛城康平
そして満を持して登場したAクラスの大将、坂柳有栖は、葛城が『自分への復讐』という感情によってオーバーヒートしている事を指摘します。
これまでの勢いをそのままに、坂柳を削りに行きたい葛城は舌戦に応戦しますが、『鬼頭が胸ぐらを掴んだ際に乱されたネクタイがそのままになるほど熱くなっている』と返され、出鼻をくじかれてしまいます。
坂柳の撒いた種がキッチリ刺さり、葛城を追い詰めていく様子は、やはり坂柳の能力の高さが窺えました。
葛城は善戦するも坂柳のライフを1削る程度に留まり、敗北を喫します。
⑤A-大将:坂柳有栖🆚C-大将:龍園翔
遂に坂柳と龍園の直接対決がスタート。
開幕早々、坂柳が『背信者』権利を使用し第1議論を有利に進めていきます。
第1議論終了時点で坂柳8、龍園6のライフ数。
第2議論では、龍園があえて代表者から外し参加者側での活躍を期待した椎名ひよりと、龍園に不満を持つ時任の所属するグループが選出されます。
当然、坂柳側は時任を利用してクラスを崩すことを目的に行動を起こしていきますが、龍園の読み通り椎名が時任を押さえ込むことに成功し、また時任の反乱の意思を成長に繋げることにも成功します。
綾小路を下から追う龍園らしい、他の生徒を成長させる彼の真似をしたような良い展開でしたね。
そのまま第2議論はドローとなります。
その後も、龍園は背信者権利が使われた第1議論で出来た差を保ちつつ粘りますが、徐々に自力の差が現れており、少しずつ差が開き始めます。
第4議論では坂柳8、龍園5までライフが削れ、ここで勝負に出た龍園が優等生を当てるも、次のターンで坂柳がもう1人の優等生を当て返す展開でついに坂柳5、龍園1にまでライフが削れます。
この段階で、龍園は坂柳の実力が自分より上だと認め敗北を認めます。
その上で、ここまで温存してきた『背信者』権利を何故使わなかったのかを語っていきます。
そこには『綾小路からの伝言は橋本が持つ』という言伝があったから。
坂柳は綾小路からの伝言を聞く為、当初は使わないと決めていた橋本がいるグループを選択し、龍園も橋本に対して『背信者』を付与します。
そして始まる坂柳と橋本の『対話』。
橋本は綾小路から、『嘘はつくな』とだけアドバイスを貰っており、坂柳の催促もあり、橋本が今のような考え方になった過去を正直に語ります。
それを聞き届けた坂柳は、「もう一度橋本を信じてもいい」と考えを改めて、彼を許す決断をしました。
そしてこの段階で坂柳は『綾小路からの本当の伝言』に気づいてしまう。
誰よりも聡明な坂柳にしか分からない伝言。
『ここで負けてくれ』
この伝言を受け取ってしまった坂柳は、自分が対戦相手として望まれていないと悟り、橋本の『背信者』を見逃し自らライフを5削って特別試験に敗北するのでした。
こうして幕を閉じた坂柳🆚龍園でしたが、ラストは綾小路の介入により結末が変わるという展開となりました。
坂柳も龍園も、お互い実力を認めた上で、坂柳に選択権がある中で自らの退学を選んだ。
この様な感じでしょうか。
私個人としては、真っ向勝負での結末を期待していたので少し釈然としない気持ちはありますが、お互いの株を落とさない落とし所だと思います。
これ以降の龍園の成長、そして外の世界での坂柳の役割に期待したい所ですね!
◎『堀北クラス』VS『一之瀬クラス』
もう片方が特大の賭けを行っている中、こちらも一之瀬クラスにとっては負けたら終わりの崖っぷち。
一方で堀北クラスが勝てば念願のAクラスの可能性が高まる大一番となっていました。
堀北クラスと一之瀬クラスの戦いは、物語序盤で綾小路が語っていた『相性』がキーポイントとなっている印象でしたね。
①B-先鋒:平田洋介🆚D-先鋒:浜口哲也
こちらの『先鋒戦』は堅実な2名の勝負となりました。
どちらもリーダーを支えてきたサブリーダー的立ち位置と、平和主義な性格の2名は、クラスメイトの嘘を疑うという今回の試験への『相性』は悪い方。
その中で、運が味方をした浜口と運に見放された平田という感じで、浜口の勝利となりました。
平田の言っていた通り、この試験での『相性』は悪く、櫛田の方が適任だったことや、ほぼ何も出来ず敗北した事もあり相当悔しそうでした。
②B-中堅:堀北鈴音🆚D-先鋒:浜口哲也
平田の敗北を受け、Bクラスの中堅で堀北が登場します。
物語上、ここの戦いはダイジェストとなりましたが堀北のストレート勝ちだった様です。
やはり基礎能力の差やこれまでリーダーとしてクラスメイトを見てきた分、優位性があったようですね。
③B-中堅:堀北鈴音🆚D-中堅:神崎隆二
浜口をストレートで降し、中堅の神崎との一戦。
ですが、神崎は早々に戦意を喪失してしまいます。
しまいには堀北に「負けてくれ」と懇願する始末。
当然勝ちを譲るはずもなく、神崎の自爆のような形で堀北はライフを減らすことなく大将との勝負に望むことになりました。
神崎は本来、対堀北やこの試験との『相性』は悪くないはずでした。
ですが、大将に綾小路が控えていた時点で、彼の大きすぎる陰に戦意喪失してしまう形に。
仮に他クラスとの対戦だった場合、中堅程度ならそれなりにライフを削り合う展開となっていたでしょう。
神崎にとって、堀北クラスに綾小路が在籍していたことで、堀北クラスとの『相性』が最悪となってしまったようです。
④B-中堅:堀北鈴音🆚D-大将:一之瀬帆波
これまで2人抜きのストレート勝ちを決めてきた堀北の前に、Dクラス大将の一之瀬が現れます。
ルール説明を受けた段階から、この試験に最も『相性』が良いと予想されていた一之瀬ですが、議論が始まると圧倒的な『人読み』を見せます。
この2年間培ってきた全クラスの生徒との交流と信頼。これらの武器が存分に振るえる学年末試験の内容は一之瀬にとって水を得た魚も同然でした。
これまで他クラスのリーダーも出来なかった1ラウンド目での配役的中を平然とやってのけ、堀北を相手にストレート勝ちしてしまいました。
一之瀬の学年末試験に対する圧倒的『相性』の良さが表現されていて、見ていて凄まじかったです。
⑤B-大将:綾小路清隆🆚D-大将:一之瀬帆波
堀北は一之瀬に完敗を喫し、半ばメンタルがやられた状態で綾小路にバトンを託す形になりました。
綾小路はそんな堀北に
『堀北クラスに負け星は付けさせない』と誓い、堀北を抱きしめ慰めます。
そして満を持して、一之瀬の前に姿を現す綾小路。
彼は一之瀬クラスに万が一の退学リスクを与えないようにする為、そしてある目的のため『背信者』権利をお互いに第1議論で使い、誰を指名したか教え合う八百長を提案。
一之瀬も了承し、綾小路は『背信者』に前園を選択します。
『背信者』前園との『対話』。
ここで綾小路は会話を誘導し、「前園自身は背信者では無い」と宣言させた上でこう言い放ちます。
背信者である人物がそれを否定し断定された場合、その人物は退学となるルール。
それを利用し、クラスの裏切り者である前園を退学させる行動をとることにした綾小路は、一之瀬を利用し前園を処分します。
対話から戻ってきた綾小路は、一之瀬に一言。
綾小路は一之瀬クラスから退学者が出ないよう対策した上で、『一之瀬が退学者を出す過程の一端に関与した』という状況を作り上げます。
不可抗力とはいえ、前園の退学に1枚噛んでしまった一之瀬は、更に綾小路の口から告げられる『これまでの行動が全て一之瀬を利用する為の嘘』だった事を聞かされ完全にメンタルブレイクしてしまいます。
これは綾小路が1年生編で語った最強の武器の1つである『嘘』を有効利用した戦術ですね。
そのまま綾小路が一方的に勝ちを拾い、堀北クラスの勝利で幕を閉じました。
この試験、学年全体を見ても一之瀬に真っ向勝負で勝てる生徒は恐らくおらず、綾小路ですら負けていたと思われます。
それくらいに一之瀬は学年末試験との『相性』がバツグンでした。
しかし綾小路は、そんな相手をどう崩すかの回答として「相手の戦意を喪失させる」事を選択。結果的に一之瀬はその実力を発揮する前にメンタルブレイクし、負けてしまいます。
つまるところ、一之瀬は綾小路との『相性』 が最悪だった事が一番の敗因となったということです。
Ⅱ.全クラスが大波乱!綾小路の移籍先はどこになる?
さて学年末特別試験を終え、各クラスのクラスポイントもこの様に変動したと予想されます。
坂柳クラスに関しては、自主退学ペナルティが適用されるかや橋本が背信者ボーナスをどちらにしたかなどで大きく変動します。
ですが堀北クラスがAクラスに昇格したことと、一之瀬クラスが最下位をひた走る事は確定です。
スタートが0ポイントだった堀北クラスが、今や1200ポイント以上も持っているとは、クラスのポテンシャルと綾小路・高円寺の実績が光ります。
そして各クラスですが、坂柳が退学となった旧坂柳クラスとリーダーがメンタルブレイク中の一之瀬クラスは、ポイント以上に危うい立場となります。
ここで、三つ巴へとシフトチェンジした綾小路がどちらのクラスに移籍するかによって、クラスの運命も変わってくるでしょう。
ではどちらのクラスに移籍するのか、個人的な予想をしていきます。
パターン①:坂柳クラス
結論から話してしまうと、私は『坂柳クラスへ移籍する』と考えています。
理由は3つ。
1つ目は、今回の学年末試験の結果になったのは、最後の最後に綾小路の伝言で坂柳が退学を選んだからです。
本来は勝っていたはずの坂柳クラス。
ですが、ある意味綾小路のワガママにより勝敗が変わる結果となりました。
綾小路自身もそれは分かっており、彼はその責任を取って坂柳クラスを率いていくと予想できます。
第一、このまま坂柳クラスを放置するのはあまりにも坂柳と、そしてそのクラスメイトにも可哀想です。
そして2つ目の理由として、坂柳は無人島サバイバルで綾小路に『貸し』がある事です。
これは12巻でももう一度触れられている伏線である為、坂柳はこの『貸し』を返させる為に、綾小路にクラスを託すのでは無いかと予想しています。
また、3つ目の理由としてプライベートポイントの問題もあります。
今回の背信者ボーナスには、500万プライベートポイントの項目もあり、橋本は恐らくこちらを選んだと思われます。
つまり前回の南雲からの報酬と合わせ、橋本だけで560万ポイントを持つ状態です。
つまり最後の最後、坂柳と共に戦うと決意した彼が、クラスの為にと綾小路購入費の足しにこのポイントを使うのではと言う予想が出来ますね。
というような感じで、私は『坂柳クラスへの移籍』が最も自然なのかなと考えます。
パターン②:一之瀬クラス
勿論、一之瀬クラスへの移籍の可能性も残っています。
今回一之瀬へ酷い仕打ちをした綾小路ですが、よく考えると今回行った事は『綾小路がいかに悪人だったか』を押し付けたのであり、一之瀬自身を否定した訳ではないのです。
つまり、全てをさらけ出した上で一之瀬クラスへ援助に入るという展開も作れなくは無いということ。
また、今回唯一の退学ペナルティが用意されていた背信者という仕組みを封じることで、一之瀬クラスの『退学者を出さない』という方針を守った節も見られました。
一之瀬が折れることも修学旅行時点で決まっていたようですし、ここまで全て計画通りだとすると、移籍あるいは何かしらの手立てを用意している可能性は残ります。
この辺は12.5巻で行われるであろう『約束』の場面で展開が左右されるので、12.5巻待ちといった所です。
余談:天沢世代の1年生クラス
12巻で綾小路が発言した通り、坂柳の退学と一之瀬のメンブレ&クラスの崩壊により、恐らく綾小路世代での『4クラスの拮抗』は厳しいと考えられます。
さてそんな中、12巻では『1年生達のクラスポイント』の詳細が登場しています。
基本的に、1年生である天沢世代(以降は天沢世代と呼称)のクラスポイントは、綾小路世代には関係が無いはずです。
勿論、ただ話の流れで登場したという可能性も否定しきれませんが、堀北と学年末試験を対策する場面で、わざわざクラスポイントの詳細を出したというのは、もしかしたら『今後天沢世代が物語に関わってくる』事を暗示しているのかもと考えました。
そこでまずは天沢世代のクラスポイントを見てみましょう。
作中でも書かれている通り、800ポイントスタートだった天沢世代ですが、Dクラスでも500ポイントを超えるポイントを保持しています。
また、全体で見てもAクラスは少しリードを取っているものの、デカイ特別試験ひとつで入れ替わりがあるくらいにポイントがまとまっています。
つまり残り2年間を残した状態で、綾小路世代の時よりも4クラスのポイントに差がないのです。
①『今回いきなり天沢世代のポイントを出した』こと。
②『そのポイントにあまり差がない』こと。
このふたつのことから言えるのは、『綾小路が天沢世代を使って“4クラスの拮抗状態”を目指す可能性がある』という事です。
Aクラスが独走状態に入る可能性のある状況ですが、このAクラスには天沢一夏が属しています。
今や綾小路の従順で有能な駒である天沢は、12巻でも「面白いことがあったら私も交ぜて」と言ってきていました。
つまり綾小路がその気になれば、天沢がAクラスを妨害して独走状態になる事を阻止出来る状態です。
上記①②に加え、
③『天沢を使い、Aクラスのポイントは調整可能』
ということで、綾小路は
『天沢世代を使った4クラス拮抗を狙っている』と予想します。
今後天沢世代のBクラスCクラスのリーダーに接触したり、天沢への指示があるのならさらに信ぴょう性が増しそうです。
また、天沢の妨害という流れから石上と競う展開も可能なので是非実現して欲しいなと思います。
Ⅲ.今後の展開予想
◎坂柳との別れ
今回退学となった坂柳有栖、前園。
それぞれの退学によって、いくつか影響を受ける場面が出ると思われます。
坂柳の別れに関して、2年生編画集の衣笠先生の発言には『学年末試験では惜しい人を亡くすが、そのキャラには最後にささやかな幸福が待っている』と記載があります。
これはほぼ間違いなく坂柳のことを指すでしょう。
では、坂柳に対してのささやかな幸福とは何でしょう?
私は、これを『綾小路と交際』だと予想します。
綾小路は最後の別れの際、坂柳が外の世界でも強くあり続けられる様に、自らとの交際を申し出るのでは無いでしょうか。
坂柳は都度、綾小路に対して『人の温もり』を教えると発言しており、綾小路もまた坂柳に『恋を強さに変えられるか』と問うています。
このお互いの回答として、『遠距離恋愛』という形に発展するのではないかという予想です。
またこれには別のメリットもあり、『綾小路が3年生編で恋愛事情を断る言い訳にできる』ことや、『坂柳との写真を最大限活かせる』といった点が挙げられます。
軽井沢との別れ話の時、坂柳との写真の効力を最大にするためにも、『実は坂柳と付き合っていて、坂柳が退学した今でも変わらない』という状況を作るのではないかと考えました。
この様に綾小路は坂柳との別れの時、坂柳との交際を求めるのでは無いかと思います。
「8年と243日待ってきた」から初登場した坂柳が、今度は卒業までの「1年間を待つ」という展開はとてもエモいですね。
坂柳に対して言った「恋を強さに変えれるか」。
この答えはまだ出されてないと思います。
今回、坂柳が今回退学を選んだのは、神室と山村の件から他者に寄り添い出したからであり、その結果橋本に寄り添い伝言を受け取り、自ら退きました。
逆に坂柳がここで退いた事は、綾小路目線だと「坂柳が他者と寄り添う事が出来るようになった」ことを表すことになるので、「成長」と受け取れます。
坂柳が危惧した『望まれていない相手』からは脱却でき、外で成長することを選んだ坂柳には価値が生まれるのだと思います。
綾小路が坂柳に価値を見出した時に、恋を強さに変えれると言った坂柳に「ささやかな幸福」を与えるのではないでしょうか。
坂柳は今回、この様な事を考えています。
『坂柳が望むもの』=『綾小路に自分が望まれること』
それが在籍してる限り無いと悟り退学しましたが、それを綾小路は成長を捉えるはずです。
1年後の再会・再戦を『望まれる』なら、これは坂柳が望むものになります。
ということで、私は
『坂柳に遠距離恋愛を申し込み、外で成長する坂柳の助けになる』
という結論を示しておきます。
◎前園退学の影響
そして、前園の唐突な退学は、当然の如く堀北クラスにも波乱を及ぼすでしょう。
裏切り者だったとはいえ、出す必要のない退学だったのは明白。
堀北や軽井沢、松下ら一部の生徒を除き多くの生徒が不信感を抱くでしょう。
ただこれはむしろ、綾小路が移籍する為の準備の一環だと考えられるので綾小路への影響は皆無でしょう。
今後は綾小路と戦うことになる堀北クラスですので、しっかり敵対意識を向けてもらうためにも、前園の退学はいい影響を与えそうです。
◎波乱の予感しかしない三者面談
12.5巻では、もう不穏な空気しかない三者面談も実施されます。
綾小路パパが来るのもそうですが、今回生き残った龍園と綾小路の誕生日が同じだという設定も、12巻で再度登場しました。
こう何度もこの設定を推されると、やはり何かしら理由があるのだろうと勘ぐります。
ワンチャン、三者面談で綾小路と龍園の共通の誰かが来る事もあるのかも…?
また、学年末試験が「退学者が出ないよう調整されていた」事が明らかになった点も関わってきそうです。
こうなった理由は下記の2パターンのどちらかかなと思います。
①綾小路パパが圧力をかけ、三者面談での不測の事態を阻止した
②高育(鬼島派閥)が現タイミングでの退学者を出すことで不利になる状態である
個人的には、『見知らぬ試験官が学年末試験を監督』『その試験官が前園の予期せぬ退学処分に焦る』『試験官が高育の理事長の娘である坂柳有栖の退学に焦る』様な反応があったことから、②の可能性が高いと考えています。
このように、綾小路パパ襲来以外にも色々と起きそうな三者面談、震えて待とうと思います:(´ºωº`):
◎2年間を見てきての綾小路の目的予想
さて、2年生編学年末試験までを見届けた読者は、約2年間の綾小路清隆という人間を見てきたと思います
。
2年生編での綾小路の目的は明白で、
『4クラスのリーダーを成長させ、全クラスの拮抗状態を作り出し最大ポテンシャルのまま3年生へ突入すること』
です。
坂柳と龍園の契約によって、この計画通りとは行かないと思われるものの、概ね綾小路が思い描いた方向へと動いたことは分かりますね。
これは、1年前の堀北学から授かった言葉である『生徒の記憶に残る人間となる』ことへの答えと取る事が出来ます。
ですが、綾小路がこの先各クラスの成長とその結果を見届けることだけが本当の目的なのでしょうか?
私個人の感覚としては、綾小路はこの計画の先に更なる目的があると感じています。
この辺は下記のnoteにまとめたものと、今の考えも同じ様なものなので詳しくは下のnoteを参照してください。↓↓↓↓↓↓
このnoteでの述べてますが、私は綾小路の本来の目的が『綾小路父へ対抗する為の駒を作っている』だと推測しています。
様々なリーダーの方針と結果を見つつ、WRと綾小路父に対抗するとなった時、戦略の幅を増やすための駒を育てに高育に来たとするなら、
綾小路の名言である
『最後にオレが勝ってさえいれば、それでいい』
にも繋がりますね。
また今回天沢が退学しない様に対策したのも、綾小路にとって、天沢がWR出身の強力な単体の駒になると考えてのことだとしたら、全ての行動にも辻褄が合います。
この辺はもしかしたら、次の12.5巻で行われる三者面談の際に、何かしらの言及があるかも知れないので期待したいところです。
はい、という事で今回はよう実12巻のnoteとなっていました!
学年末試験はどの対戦もとても見応えがあり、また心理描写の表現がとても好きで楽しめました。
12.5巻では色々と状況整理や新たな伏線が出てくると思われるので、発売を気長に待ちつつ楽しみにしたいと思います。
では、最後までご拝読して頂きありがとうございました!また次のnoteでお会いしましょう。
By フロッグ@よう実