よう実 2年生編4巻まとめと刺客考察
みなさんご無沙汰です。今回はよう実2年生編4巻までを読み終えてのまとめや伏線考察、刺客は誰なのかの考察をしていこうと思う。
目次
Ⅰ.2年生編4巻振り返り
Ⅱ.4巻までの未回収伏線
Ⅲ.刺客は誰なのか?
Ⅰ.2年生編4巻振り返り
まず今回の2年生編4巻で、「天沢一夏」が五期生のホワイトルーム生であると発覚した。天沢は、極めて優秀な両親の体外受精児(試験管ベビー)として生まれ、すぐにホワイトルームに入っていた。それを知り、凡人から天才を作り出すというホワイトルームの目的を「不可能」だと結論付け、自由に生きたいと考えた。また、綾小路に対しては、ホワイトルームでの成績、実際に会っての印象から、『崇拝』しており、敵対の意思がないことをアピールしている。
また、天沢の独白に出てくる「付き合いの長い相手」や、月城の態度などから、ホワイトルーム生が天沢以外にいると断定していいだろう。このホワイトルーム生が『憎悪』の刺客なのか、はたまた別の刺客なのかを考えていこうと思う。
Ⅱ.4巻までの未回収伏線
考察にあたって、まずは今までの伏線にどのようなものがあるかを書いてゆく。
①篠原グループを襲撃した人物と目的
②七瀬襲撃時に、綾小路らの背後に立っていた人物と目的
③椿の「包囲網作戦」はホワイトルーム側と関係があるのか
④宇都宮と話していたトランシーバー相手は誰か
⑤堀北に手紙を残した人物と目的
⑥天沢を負傷させた人物はだれか
上記の6つが主な未回収の伏線だろう。まずはそれぞれの出来事を見ていこう。
①篠原グループを襲撃
これが起こったのは、試験4日目の早朝5時前のI4地点。「篠原・木下・小宮」グループが移動中に、木下・小宮が何者かに後方から襲撃を受けがけ下に転落、リタイアになった事件。
周囲にGPSの反応はなく、現場近くに小柄(約24㎝)の足跡があり、襲撃後の様子をうかがっていた模様。
また、現場に天沢がいたことが判明し、ホワイトルーム関係の線が強くなった。
②七瀬襲撃時に、綾小路らの背後に立っていた人物
試験7日目、D3地点で七瀬の襲撃を受け、それを退けたタイミングで背後に潜んでいた人物。のちの調査で、綾小路より少し小さいサイズの足跡を発見し、天沢が持っていた加工済みの木の棒の持ち主と予想している。
月城が「七瀬の失敗を見越し動き出した」といったタイミングと重なるため、この人物もホワイトルーム関係だと推測できる。
③椿の「包囲網作戦」
椿が立案した「包囲網作戦」だが、試験最終日の月城の行動から「綾小路がI2地点に来ることは決まっていた」と分析しており、椿自身、月城側もしくは刺客である可能性が出てきた。
また、椿の戦略が失敗した後、椿とは別の人物が他グループを動かし、綾小路を誘導した模様。
④宇都宮と話していたトランシーバー相手
椿の「包囲網作戦」失敗後、宇都宮単独で独断行動をとり、椿とトランシーバーで会話をした後の出来事。一度タブレットに視線を落とした後会話に入っていることから、宇都宮が連絡した相手の周囲に邪魔な人物(椿等)がいないか確認したのだろう。トランシーバー相手は宇都宮に指示を出していたと推測できる。
⑤堀北に手紙を残した人物
試験最終日の朝、堀北が起きるとテント内に忍ばされていたメモ。
それには「『正午』『K・A』『退学』『I2』」という文字が、お手本にしたいほどきれいな文字で書かれていた。堀北はこの暗号を「綾小路が正午、I2地点で退学する」と読み取り行動を開始した。
⑥天沢を負傷させた人物
最終日、堀北・伊吹との戦闘中に見えた「幾つもの打撃を受けた痕、仕置き痕のようなもの」があることに気付き、天沢が堀北らとの戦闘前に誰かと戦っていたことが明らかになった。
刺客の考察を、上記の伏線それぞれにそれぞれ実行した人物とその意図を、刺客と予想される人物と照らし合わせていく。
Ⅲ.刺客は誰なのか?
①篠原グループを襲撃した人物と目的
天沢が現場にいたことや、のちに月城側が履歴を改ざんしていることから、この件にホワイトルーム生が絡んでいるとみて間違いないだろう。4巻での天沢との接触から、この事件を起こした犯人がほかにいる可能性があり、襲撃現場に残った足跡は天沢が現場を確認した痕跡であると考えられる。
また、月城側の履歴改ざんの際、月城は
「ありがとうございます。しかし何らかの手がかりを得ている可能性はあります。となれば一発勝負。確実に彼を追い込まなければなりませんね」
と発言しており、当初の目的ではなかったことがわかる。この結果「確実に追い込む」戦略を月城側が行ったと推測できる。
「ホワイトルーム生の仕業」「月城側の想定ではない」ことから、ホワイトルーム生独断の行動の一つであると結論付けする。これを行った人物だが、八神оr椿のどちらかであると考えられる。
①八神の場合、のちの宇都宮の会話で出てくる「早めの警告」のため行ったことが考えられる。月城の言う「何らかの手がかり」をあえて綾小路に与えるための行動。
②椿の場合、現場近くに椿がいたことから、近場の2年グループを襲撃し、綾小路の対応を見たという可能性がある。椿の言う「観察」の一種として起こした行動であるという可能性。
とはいえ、天沢とつながっている人物である可能性が高いことや、事件を起こした動機の問題から、筆者はこの襲撃は「八神拓也」の仕業だと推測した。
②七瀬襲撃時に、綾小路らの背後に立っていた人物と目的
この人物においても、天沢と接触直後にその場を離れていることから、天沢とのつながりが強い人物=同じ5期生のホワイトルーム生である可能性が高い。現状、椿が現場近くにいた描写はないが、八神に関しては
櫛田「送信ボタンを押していないためこっちの声は聞こえないはずだけど、まるでこっちの状況をすべて理解しているような発言をしてくる。」
という描写があり、タブレット越しではなく八神自ら近くで指示を出していた可能性がある。また、タブレット越しの場合では、都度ポイントを消費するため、宇都宮らに認知されることは必至だが、そのことに関しての描写がないことからも、GPSサーチを使わず直接指示を出した可能性がある。以上のことからこの背後の人物についても「八神拓也」であると推測する。
この行動の目的として考えられることは
①月城の指示に従い排除に向かうも天沢に止められ撤退
②刺客のほうから天沢に話を持掛け、「襲おうとした」という警告を与えたのどちらかである。
①では月城の意思通りの上、『憎悪』の刺客にとって直接屠り去る絶好の機会のため動いたと断定できる。その行動を「その時ではない」と判断した天沢が止め、時間稼ぎとヒントを与えるため天沢が綾小路の前に現れたことになる。
②の場合、背後にいた人物と天沢が合流し、天沢に警告を任せたと考えることができる。①で刺客が退く際、わざわざ痕跡の残る凶器を天沢に渡す必要がない。天沢自身も、特に凶器で脅すということはなくすぐに投げ捨てたことから、凶器の存在を知ら示すため持ってきたと考えられる。このことから、最初から警告を与えるためだけに近づいた可能性があると考えられる。
③椿の「包囲網作戦」はホワイトルーム側と関係があるのか
月城の想定の一つに入っていることから、この作戦のどこかにも刺客が関与していることになるが、これは
①椿自身もホワイトルーム生
②椿の作戦に陰で調整・改良を加えた。
の2つのパターンが考えられる。
①の場合は単純に椿自身が刺客であり、月城の指示に従い作戦を遂行したパターン。このパターンなら問題なく筋が通るが、作戦中の椿の態度や敗北までの一連の流れがすべて「演技」ということになる。また、椿の作戦終了後、その陰で動いたグループの存在に気付かないことや宇都宮の離脱に気付かないことは引っ掛かりを覚える。
②のパターンでは、もともとあった椿の作戦に陰から戦略を付け加えたパターン。椿の作戦は綾小路が予想した通り「強硬手段」。実際に盤上を動かした坂柳にも同じ展開が見えていたため、刺客でなくても実行できる作戦ではある。八神ら作戦参加者は事前にある程度の作戦内容は把握していたと考えられ、刺客はその作戦内容を聞き月城に伝え、最終日のI2地点に誘導できるよう月城側が指定エリアを誘導したと推測できる。これに対する描写に
椿「綾小路に示された指定エリアはC3、D2とこちらが包囲するのに絶好の位置になったからだ。」
「失敗したことに消沈しているというよりも不穏な乱れを椿は嫌った」
「私一人でやるべきだったって後悔してる」
とあるように絶好の位置に指定エリアが移動していることがわかる。また、椿が自分の作戦自体に自信を持ち、失敗は自分のせいではないと感じていることからも、他者による改良があったと推測できる。
また、椿の作戦後に、椿が動かしていたグループとは別のグループが、綾小路の指定エリアを阻止するように動いている。このことから、椿の作戦に改良を加えた刺客の目的は「指定エリアスルーによるペナルティ」を継続させることであることがわかる。そしてこの動きにより、最終日に綾小路は、指定エリアスルーのペナルティを回避するべく最果てのI2地点の近くのエリアに誘導されることとなった(指定エリアスルーがなければ、スタート地点に集まりだした課題に方針転換する恐れがあるため)。このことから、筆者は
椿=一般生 八神=憎悪の刺客であると考える。つまり、椿の作戦自体はホワイトルームとは関係ないだろう。
④宇都宮と話していたトランシーバー相手は誰か
椿とのトランシーバー越しの会話後、
通信を終え、宇都宮はタブレットに視線を落とす
という描写があった後、別の人物と話し始めたことから、宇都宮は椿がトランシーバー相手と距離をとっていることを確認したのだと読み取れる。トランシーバー相手の口調や態度、椿の近くにいて椿の作戦を知るものとすると、トランシーバー相手も「八神拓也」である可能性が高い。宇都宮から、椿の自爆作戦を失敗させてほしいと相談を受けたか、その感情を読み取った線が濃厚だろう。見返りに何らかの要求をした可能性はある。
⑤堀北に手紙を残した人物と目的
これは、月城側の想定外の動きであるため、刺客の独断行動であると分かる。その理由として考えられるのは
天沢「ったくさ、、、どこまでゲームをするのが好きなんだか、、、」
から、「無人島でのホワイトルームがらみの戦いを一層面白くするため」と考えるとしっくりくる。また、手紙の差出人については、「きれいな文字」という部分が当てはまり、櫛田にも同様の誘導を行った「八神拓也」が濃厚である。ホワイトルームのきな臭い考えのもと、何か企んでいるのかもしれない。
⑥天沢を負傷させた人物はだれか
現状の喧嘩の強さで天沢と互角あるいは勝るのは
「綾小路」「宝泉」「高円寺」「月城」「司馬」「宇都宮(おそらく)」「刺客」くらいなものだろう。この中ですでにリタイアした「宝泉」、手を下していない「綾小路」、VS南雲をしていた「高円寺」、綾小路に天沢への言伝を頼んだ「月城」(あっていたのなら自分から告げてもおかしくない)は除外される。
①司馬の場合は、命令に背き続けた天沢に制裁を与えたパターン。仕置き痕という書き方を見るとしっくりくるが、天沢の「一戦やってきた」とはニュアンスが違うように感じる。しかしながらこれが現実味がある。
②宇都宮の場合、上記のトランシーバー相手のところで記した「見返り」として、八神が綾小路退学を口実に宇都宮を向かわせ、部外者の介入を嫌う天沢と接触させるといった経緯。八神の行動では、「他人の誘導」でゲームを楽しむ傾向(刺客なら)なため、この線もあり得ると考える。
③刺客の場合だが、これは邪魔をする天沢(七日目の襲撃時?)に制裁を与えた場合。しかし、現状敵対しているような描写もなく、むしろ連携している場面がありそうなぐらいなため、この線は低いと考える。
最後になるが、筆者の刺客予想は
八神拓也=憎悪の刺客
天沢一夏=崇拝の刺客(確定)
七瀬翼=一般生徒の刺客(確定)
宇都宮陸=格闘戦に優れた一般生徒
椿桜子=心理学精通の頭の切れる一般生徒
宝泉和臣=ゴリラレベルの一般生徒
である。椿は「退学してもいい」という怪しい(一般生徒としては普通ありえない)ことを言っているが、ほかの行動や描写から、何らかの退学してもいい理由がある一般生徒と判断した。
以上、今回の考察でした!
見てくれてありがとうございました。またよろしく~。