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amphibianはどういう「物書き」か

amphibianです。
また自分語りで恐縮ですが、多少実のある記事になりそうな気がしますよ!

スペック表、またはダイジェストとして

幸いなことに、これまで携わった作品のいくつかに高い評価を頂いたことで、めざとく界隈をウォッチされている方々からは「amphibianはなんか面白いものを作れそうなやつだ」と認知いただいているようです。

結果、思いもよらないようなお仕事をいただいたりして、様々な勉強になり成長になるのも確かながら、「使ってみると結構めんどくさいぞコイツ」となると、やはり心苦しいわけです。

ここでamphibianの強み弱み――スペック――を明らかにしておくことは、ご依頼の可否判断の役に立つのではないかと思います。

また、強み弱みは己の関心分野や創作の方法論に直結するものです。
ゆえ、ここで書いているようなことは今後このnoteで扱いがちと思われます。いわば我がnoteのダイジェストと言えなくもない。
購読是非を吟味されている読者様には、判断材料になるかと思います。

それでは、やっていきます。

制作履歴

これについては、自分のWEBページでまとめています。

書き手としての特徴

「情熱で書くか、技術で書くか」でいえば、かなり「技術」に偏った書き手だと思います。

いや、うんことかケツ祭りとか、そういう知性ゼロパートは情熱で書いているかもしれません。技巧に疲れ果てた心が定期的に乱心するがゆえ、読者半笑いでおなじみのamphibianテキストが生まれているのかもしれない。

それはともかく。
過剰に技術に拠って書くやり方は、しばしば過度に客観的・表層的な作風に繋がっているかもしれません。

amphibianは、事象の因果関係・整合性の担保や、適切な道徳観運用による当事者意識の維持独特な視点の提示上質で意外な「出題と回答」「理解」の体験の提供などにより、読者に対し「有益な取引」の体験を与えることを目指して執筆を行います。

これはたぶん、全人類にヨコヅナサシガメの魅力を分からせるために書いているヨコヅナサシガメフェチ作家の執筆とは、全く、何もかもが違うはずです。

ときどき、「作家として情熱を向ける主題」を求められることもあるのですが、amphibianの情熱はあさっての方向に飛ぶことが多く……
ここのマッチングは、現在も試行錯誤中です。

ヨコヅナサシガメは赤くて黒くて群れてて刺されるとヤバい虫です。
amphibianは嫌いです。マイマイカブリは好きです。

ジャンル・カテゴリの志向

作品傾向から、amphibianはしばしばデスゲーム専門ライターとご評価いただきます。
これについては過去何度か否定してきています。デスゲームというカテゴリは残酷なエンターテインメントとして確立していると思いますが、それがゆえに赤潮化も激しく、あまり自分にできることは残っていないと感じております。
が、面白いことを思いつけばやるかもしれません。何か勝ち筋を見出していただけるなら、ご相談いただけると幸いです。

一方、現在のamphibianが志向しているのは、以下のような作品です。

・人が死ぬような話
・この世の真理に踏み込むような話
・異界の摂理を弄するような話
・読者の意表をつく話
・「ゲーム体験」を感じられる話
・読み応えのあるレトリック

なぜ、というのは、個別の記事に譲るとして……
これらを総合したとき、今の自分が目指すべきカテゴリは
・伝奇
ゲーム系
この2つだと思っています。

伝奇……現実には起こりそうにない、不思議な話。また、そのような話を題材とした、幻想的で怪奇な物語や小説。(goo辞書より)
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E4%BC%9D%E5%A5%87/#jn-153222

ここでは、伝承・架空の歴史やそれを基盤とする超常要素を物語の核心とする作品について「伝奇」と称します。

「レイジングループ」は人狼を基盤としたデスゲーム、殺人事件を軸としたミステリ、限界集落の風習や歴史に基づいた伝奇といった要素から成っていましたが、今後自分で作品を作る時はひとまず、この伝奇要素に軸足を置きたいのです。

ゲーム系とは、ゲームそのものや・極めてゲーム的な要素が・作品の中核となる作品を称してこう呼んでいます。いわゆる異世界モノや、RPG的なスキルバトル、アプリを介したバトル、あるいはゲームを没入するとか、eスポーツのようにゲーム自体を競技軸としたものなど、現代のフィクションにゲーム系の占める割合はかなり高まっていると思います。

ゲーム系作品をamphibian名義で発表したことはないのですが、アマチュアで書いたものに少し手ごたえがありました。
ゲーム会社でディレクター職も含め10年働いた経験や、自分のTRPG志向(*いずれ書きます)を活かせるジャンルとして、絶賛妄想中です。

ミステリSFについても親和性はあると思っていますが、非常にハイコンテクストな知識を要求されるだけに難しいジャンルです。
どちらかというと、納品物に対して「過度にミステリ的」「SFすぎて難しい」などとご評価いただく、ご批判専用タグになっている気配があります。ギギギ。

得意なこと

これまで客観的にご評価いただいた上で、ある程度自分でも納得できているもののみ書きます。
箇条書きにて並べます(noteが箇条書き絶賛実装中らしいので、今は手動とし、今後直せたら直します)。

●アイデア出し。大量のアイデアを各々それなりの物量で短期間に出したり、1つのアイデアに対して厚みのある資料をさっと作れる。
●整合性と偽装。ルールへの抵触を厳しくチェック・修正(デバッグ)し、対応の難しいものはうまく仕様に見せかける。
●設定制作。作品世界がある程度の説得力を有すに至るまでの網羅的な設定の出力。
●キャラクターの客観的運用。どちらかといえば、各々のキャラクターを公平に、適切に活躍させ魅力を引き出すように努める。
●作品のスケールを大きくする。
●漫才的な(クセの強い)掛け合い。
●シリアスとギャグを織り交ぜたような(クセの強い)展開。
●特殊な生い立ちによって形成される、常識離れしたキャラクター人格。
●ハッタリ力。あまり○○に詳しくない人に対し「この作者は○○に詳しい!」と誤解させる能力。

苦手なこと

●作品のスケールを小さくまとめる。大作志向になりがち。
●要素を絞る。詰め込みになりがち。自分なりに「うまく詰め込める」とも思っているが、客観的に信用がなく、他メディアで通用する保証もない。
●分かりやすく共感されやすいキャラクター人格の作成。
●キャラクターの主観的運用。あるキャラクターの深い情念に浸り切った凄みのある描写は、あまりうまくできない。
●「好き」の提示。上に同じく、amphibian自身の情熱や興味を作品に乗せて魅力を増すようなやり方が得意でない。「こういうキャラが好き」「こういう展開が好き」「こういう関係性が好き」といった「萌え」を提示しきれないため、読者の「萌え」を狙って共鳴することができない。
●文化・歴史・文学・サブカルなど、その道のプロに対し説得力を持つ「本物の知識」。amphibianの知識は中途半端に広く全体的に浅い。
●センスのある掛け合いや展開。ドロ臭いやつしかできない。
●ポエム力。短い詠唱で読者てきを倒す技術。

企画能力

いっぱい出します。
……案件ごとにムラがあるので、実際にお試しいただければ幸いです。

設定・構成能力

こちらについても案件ごとに求められる密度・解像度がかなり異なるため一概には言えません。
自分でやる場合、物語の主軸となる因果関係のみを整理したラフプロットと、執筆開始に至るまでに必要な設定群を、それぞれ実執筆の最大10%までの時間で作って備えます。
より詳細なものを求められる場合、より時間を要する、という感じです。

執筆能力

シナリオ執筆速度は、ゲームだと通常10KB(5,000文字)/day。
終盤に近付くほど速度は上がり、最大20KB/dayほど。
むかしラリって一晩40KB/dayくらい出たこともありましたが、品質等含めてちょっと心配なので無理はしない方向で……
小説など別のフォーマットにしたり、短く高精度なものを作る場合はもっと下振れします。

その他

amphibianの作品は、第1稿では結構アレな出来で、何度かの大規模な推敲を経てマトモになっていくことが結構あります。

また、他人の意見にはかなり引きずられがちです。
特に、客観的な是非の判断がつきづらい「書き手と監修者で好みが別れた」ようなケースだと、最終的にいただいたご意見に合わせることが多々あります。
ある意味、それがその座組の面白さでもあるのかなと、ポジティブにとらえたいと思っています。

まとめ

こうして書くと、不思議とこの作家には面白そうなものが一切つくれそうにない気がしてきました。
まったくの逆効果です。何をやっているのか。
とはいえこちらは自分の脳なので、なんとかやっていくしかありません。
この脳から色々取り出していきます。よろしければお付き合い下さい。

皆様のプロジェクトにとり、この脳は有用でしょうか?
ご検討いただけると幸いです。

それでは、よい生き残りを。

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