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ARTとWell-beingの研究記事 その1:「UMUMアートラボ ART×Well-being」 開催レポート

こんにちは。
Art Education Research UMUMの田中令です。

UMUMはこども〜おとなまで「自由表現」をテーマにしたアトリエと
「アートと教育」「アートとビジネス」をテーマにした研究会を企画運営しています。

そして、9月から若手医療チーム マチマニアさんと「アートとWell-being」の研究会「UMUMアートラボ ART×Well-being」を新たにスタートしました。

Well-beingとは、
諸説ありますが
直訳すると「良くいること」=「精神の健康」を意味します。
近年Well-beingの考え方がサービスや政策において注目されている一方
現状ではWell-beingに明確な定義はありません。


この研究会の運営メンバーは
医師をはじめ、研究者、医療系会社員、福祉関係者など
様々なプロフェッショナルが集まっています。
それぞれの目線から、このアートとWell-beingの関係に興味をもち
研究会を実施するに至りました。

ここでは、運営メンバーのそれぞれの視点から
研究会のレポートや「アートとWell-being」の考察などの記事を
綴っていこうと思います◎

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第1回UMUMアートラボ ART×Well-being
開催レポート

さて。
最初に綴るのはわたくし田中です!
美術の専門家として活動させていただいていますが
医療の専門知識は皆無に等しいです。笑
しかし!
自身の入院経験、医療現場でのワークショップ実施経験などから
アートと医療の関係に興味をもち
2014年にはストックホルムにホスピタルアート視察にお邪魔しました。
そのあたりの経緯も書きたいことはたくさんあるのですが...

まずは!
最初の投稿として、9/15(金)に立川市子ども未来センターで行われた研究会の様子をお伝えしようと思います。

研究会の目的と、登場人物

この研究会では
Well-beingを”自分にとって良い状態”と仮に定義し
1.アートワークショップ
2.鑑賞
3.セッション
の3つのセクションを通して
「私にとってのWell-beingとは?」を探ります。

対象者は
・医療福祉従事者
・医療従事者
・「Well-being」に興味のある方
・「健康」と「アート」にピンと来た方
とし、医療関係者だけに止まらない場をデザインしました。

集まったのは医師、学生、会社員など様々な職種の総勢8名のみなさま!


セクション1:アートワークショップ

UMUMアートラボは、運営チームが参加者に「答え」を教授するのではなく
参加者のみなさんの気づきや体験を起点に
共に研究をすることを目的としています。

そこで大事な時間となるのが、アートワークショップでの体験のフェーズ。

絵を描くとき、自然と自分の中に生まれてしまう
技術の優劣や評価を気にする心から自由になり
自分らしい自己表現の時間を目指す、UMUM監修の自己表現タイムです。

まずはたくさんの画材の説明を簡単にお伝えし、画材体験の時間。
えのぐ、パステル、クレヨン、ペン、鉛筆などの感触やその特徴を
五感で体験します。

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”これなんだ??”
”わークレヨン懐かしい!”
”えのぐなんて何年ぶりだろう〜〜”
”これ書きやすい!”
などなど
みなさんめっちゃ楽しそう!!
画用紙の上に様々な線が現れ、それがだんだんと意思を表現した「絵」になっていきます。


画材の特徴がつかめたところで、次のフェーズへ。
後半はちょっと頭を使うテーマ「生命感」で作品を描きます。

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「生命感」ってどんなイメージ?
そもそも「生命感」てなんだ?
「生命」との違いってなんだろう?

手を止めて考えるひと
ひたすら手を動かすひと
文字をかくひと
色を塗るひと

画材体験から一転し、みなさん真剣に表現と向き合います。
画面の中にそれぞれの「生命感」ができあがっていきました。


セクション2:鑑賞

完成した作品を、時系列に壁に張り出し
自分の表現の変遷を振り返ったり
他者の表現を見て、感じる時間。

①作品のテーマと感想をシェア
②他者の作品にもコメント
をお題に、2つのグループにわかれ意見交換を行いました。

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コンセプトを言語化することで
作者の意図がわかり、「なるほど!」となったり
絵から生まれたイメージを伝えることで
自分の描いた作品が、新しいメッセージを生み出していて「おもしろい!」となったり
共感や発見が生まれていました。


セクション3:セッション

作品制作、鑑賞
2つのアートワークショップでの自分の体験を起点に
後半は「私にとってのWell-beingとは?」を考察します。

セッションの問いはこの3つ。

    1)「アートの体験では、どんな心の状態でしたか?」
 2)「良い状態に必要/大切なキーワードは?」
 3)「良い状態を日常で作るには、どうしたらいい?」

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    1)「アートの体験では、どんな心の状態でしたか?」
自分の心の状態を言語化したこの付箋を、その時描いた絵に貼り付け
自分の心の状態と絵がどう連動し、変化しているのかを可視化してみます。

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もっとも多かったのは「楽しい」という状態。
それ以外にも
緊張していたり
無心になったり
他者が気になったり
達成感が生まれたり
人によって心の状態が様々であったことが見えてきました。

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2)「良い状態に必要/大切なキーワードは?」
1)の付箋の状態は、自分にとって良いものだった?悪いものだった?
それが悪い状態であれば、その構成要素が取り除かれれば良い状態に近づくことができる、とも考えられます。
自分の状態を客観的に観察しながら
自分の心の「良い状態」つまり、自分のWell-beingにとって
必要なキーワードを集めます。

「自信をもつ」
といった自分のマインドや
「無心になる」
「評価しない」
などの環境
「家族」
「友人」
などの人間関係まで
様々なキーワードが出てきました。

それらをグループで共有し、意見交換や質問をすることで、さらに考察を深めます。

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3)「良い状態を日常で作るには、どうしたらいい?」
2)で出たキーワードを、どう作るのか。
Well-beingをさらに日常の具体的なものとして考えてみます。

これまでの人生の振り返ってみたり
今日この場にいる経緯を伝えたり
参加者のみなさんが私事として捉えているからこその
たくさんのエピソードが聞こえてきました。
そこから
自分のメンタルバランス
仕事との関わり方
思考方法
行動すること
さまざまな考察が生まれました。


おわりに

人が一人一人違うように、Well-beingも人それぞれであること。
文化的活動も、医療やセルフケアの一つになりうること。
そして、日本でまだ広がっていない社会的処方の一つとして、アートが存在すればいいなという運営チームの思いをお伝えし
最後に運営チームから、アンケートのお願いとおみやげのご案内。

長期的にアートとWell-beingの関係を研究していきたいので
アンケートはとても大事な情報になります。
そこで、アンケートを回答してくださったかたに
これまでどのようなWell-beingの研究が行われてきたか
様々な定義やイギリスでの研究機関のご紹介をまとめたものをおみやげにお渡しました。

(ありがたいことに、アンケートの回答率は100%でした!!)

このようにして、第一回目のUMUMアートラボ ART×Well-beingは終了となりました。

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ARTとWell-beingの研究記事その1
第1回UMUMアートラボ ART×Well-being
開催レポートは、ここまで!

研究会の様子、伝わったでしょうか??

ARTもWell-beingも、定義が明確にない抽象度の高いもの。
一方で、人間の営みの本質的な部分に関わっているのでは
と考えています。
だからこそさまざまな角度から私たちなりに考察を深め、言語化し
多くの方にお伝えしていければと思います。

次回の記事も、どうぞお楽しみに^^

<次回の研究会開催のお知らせ>

第2回UMUMアートラボ ART×Well-being開催決定!!
日時:12月8日(日)9:00~12:00
会場:美学校(〒101-0051 東京都千代田区神田神保町2-20 )
対象:医療福祉従事者、医療従事者
「Well-being」に興味のある方
「健康」と「アート」にピンと来た方
✴︎アート、医療関係以外の方も、テーマが気になる方は大歓迎です!
詳細、お申し込みはこちらから
https://umumlab-aw.peatix.com/


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お問い合わせはhello✴︎umum.artまで。
(✴︎を@にご変更ください)
一緒に表現の場をつくりましょう!


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田中 令|UMUM
いつも長文を読んでいただきありがとうございます! サポートは、企画のための画材&情報収集に活用させていただきます。