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【日記】作品に自身を投影する

水曜、朝起きてスタバで原稿を進める。午後15時頃になり、新宿のシネマカリテでナミビアの砂漠を観た。ちょうど水曜日でサービスデーとのことだったのでラッキーだった。映画は作家の意図をあえて濁すような作りになっていて、賛否両論あるのは知っていたけど自分は好きだった。多分私自身がカナと通ずる10代〜20代前半を過ごしてきたからこその共感ゆえだと思う。高校生の頃は特に感情の暴走が激しい性分で、よく両親と衝突しては物を投げたり殴りかかるなどして奇声をあげていた。こと性愛においてはカナと同じく20代前半の頃がピークであった。幸い妊娠には至らなかったが18の頃に付き合っていたDJの恋人に中出しをされたこともある。私は生きること自体や周囲を見た上で何かを選択することが全般的に下手で、そこがカナと似ていて、共感を覚える。

しかし映画の中のカナは21歳だ。私は20代後半になってようやく情緒の安定を図ることができた、今は書き仕事においても風俗仕事においても自分を卑下して落ち込んだり、誰かに当たったりすることはなく、ほとんど凪のような心で過ごしている。こういうことはおばさん語りみたいになるので言いたくないし、自分も当時は信用していなかったのだけど、そういう「粗さ」は誰であってもすべからく年齢を重ねるとともにフラットになっていくのだと思う。などと偉そうに述べていながら私はまだ自分に対してとても甘いと思うし、余裕で間違える。なんなら今の無職期間も行き当たりばったりでどちらかといえば失敗していると思う。でも自分という個人からしてみれば、おそらく数センチ程度は成長しているのだ。そういう面で、過去の自分を投影する作品で、私は好きだった。


映画館を出てから新宿駅構内にあるTHE BENCHというボトルショップに寄り、オーナーの伊東さんと喋りながらスムージーサワーを飲んだ。飲み切ってから最寄り駅に戻り、その足で今日グランドオープンしたosacuという立ち飲みスタイルの店へ。ここは前身の店が私の前職と目と鼻の先にあり、よく社員ぐるみでビールを飲みに行っていた。店主の尾作さんにお久しぶりですと迎えられて嬉しい。3タップあるクラフトビールを順に飲みながら、生姜醤油のウフマヨとフライドポテトを注文する。しかし大盛況でフードの提供が遅れており、左右の人と談笑したりしながらサーブされるのを待った。尾作さんのフードは前店でも評判だったが食べるのは初めてで、注文した2品ともこだわりを感じられて絶品だった。そこそこに酔ってきたので、21時頃に会計をする。家に帰ってそのまま寝てしまった。

木曜、朝起きて二日酔いがやばいと察知する。飲みすぎたというか、朝昼食べずに空きっ腹でそこそこの量を飲んだのが悪かったというか。日中ぼーっと過ごして午後にアプリの人と会った。キックボードに乗ってきていてシティボーイおじさんだ…思った。解散してから店Aへ、21時頃に帰宅して、ななチキとサラダラップを食べて寝た。ほとんど空白の一日だった。

金曜、朝起きて11時に有楽町へ。アプリの人にゲイシャ豆専門のカフェへ誘ってもらった。その後ホテルに移動したのだが、まさかのタクシーで指定した先が店Aで頻繁に使っている場所でそんなことありますかと驚いた。恋心は全くないけど爽やかイケメンおじさんだった。その後渋谷に移動して別の人と待ち合わせ、こちらはフジロックの空間デザイン関係の仕事をしている人で会話に花が咲いた。しかし体重が100kgあると言っていた。自分で書いていて思うけど、私はあまりにも人見知りをしなさすぎるな。でも嫌な思いとかはここまで一度もしていないので運が良いというか、私自身に「人の良さを見つける才能」が無意識に備わっているんだなあと思う。あと他者に対してのストレス耐性はこれまでの風俗仕事で散々培われてきたので、ちょっとやそっとでは傷ついたりしない。

18時頃解放されて新宿伊勢丹で電気グループとWCBコラボのDDHサワーエールを買った。最寄り駅に帰還してからマックに寄り、ポテトとトリチを買った、Mサイズを一つ頼んだはずがなぜかMサイズが二つ入っていて、悩んだあげく明日以降残していても食べないなあと思って一つは処分してしまった(あと冷蔵庫に入れておくと普通に油臭くて嫌)。

ハートストッパーのS3はチャーリーの拒食症治療が佳境で、私も当時「どうしても今〇〇は食べられない」と強い拒否反応を示して家族を困らせていたなと思う。今は朝昼が食べられない(昼飲みの予定は前後の調整が必須)のと、とにもかくにも米が苦手、体重の記録は旅行時を除いて必須、あと基本的に20時半を過ぎてから食べたい(普通に考えて遅い時間に食べ始めるのは意味がわからないんだけど、それが習慣化しているのでマイルールからなるべく外れたくない)が症状として残っている。でも退職してから麺やパン類への抵抗はなくなった、むしろ体重をキープしたまま好き寄りに変わっているのでこれは成長だと評価したい。トリチを食べ進めていたら思っていたより早く満腹になってしまって、最後は詰め込むようにして23時頃にベッドへ横になった。そのまま寝た。


◎お知らせ(再掲)
12月の文フリ東京で初頒布となる音楽ZINEにエッセイが載ります。マンスーンさんや終電さんや吉田棒一さんなど錚々たる書き手の方々の中で短い文章を書きました。よろしければぜひご購入ください。