逃げる夢 #シロクマ文芸部
逃げる夢を追ってみたけれど捕まえることはできなかった。
え?どんな夢かって?
たいしたことじゃないわ。
あのひとみたいに、お日様にあたって日光浴したかった。
しっかり顔をあげて。
「元気が出るよ」なんて言われて。
それからあの人みたいに自分の身体でしっかり立ってみたかった。
わたしは横たわることは出来ても、誰かに支えてもらわないと立てないから。
それからもっと長生きしたかった。
あの人みたいに。
逃げる夢を追ってみたけれど捕まえることはできなかった。
え?どんな夢かって?
たいしたことじゃないさ。
あの人みたいに早起きしてみんなに喜ばれたかった。
「おはよう!きれいだね」なんて言われて。
ちょっと儚げで気品ある美しさって憧れだよ。
僕を見ると元気がでる、と喜ばれるけれど
毎日一日中立ち続けでさすがに疲れてしまう。
誰かに支えられたいときだってあるさ。
立ち枯れた姿をさらすのはやっぱりちょっと辛いしね。
同じ夏を過ごしているのに二人は対照的。
でも愛されていることは同じだから
お互いうらやむこともないのにね。
わたし、というのは朝顔。
僕、というのは向日葵。
もし花になれたら、あなたはどちらがお好き?
おわり
小牧さんの企画に参加させてください。
小牧さんお世話をおかけしますがよろしくお願いいたします
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