とあるVTuberオタクの推しマークが一つだけになった時のお話

推しマークってご存知ですか?

私はVTuberのオタクなのでVTuber界隈のことしか話せないけれど、要はツイッターの名前の後ろに推しを表す1-3文字程度の絵文字を入れる文化のことです。名前より推しマークの文字数のほうが多いなんて方も少なくないのですが、私すしあげの推しマークは黄色いハートただ一つです。これはVTuber界隈だと有閑喫茶あにまーれ所属の因幡はねる(以下ねるちゃん)を表すマークになります。

しかし私は最初から推しマークが一つだけの人ではありませんでした。2017年末にVTuberを知った私は多い時で3-4つほどの推しマークをつけていました。その時点でねるちゃんの推しマークである黄色いハートもつけていたのですがある日を境に黄色いハートただ一つだけになりました。今日はその日の話をしたいと思っています。

2018年「秋フェス」の衝撃 そして「因の者オフ会」

さかのぼること凡そ1年前 2018年10月18日 秋葉原で一つの街おこしイベントが行われました。季節と街の名前から「秋フェス」と名付けられたであろうそのイベントは同年大きく飛躍したVTuber文化を全面に押し出したものでした。企業コラボ、対象店舗での購入でもらえるオリジナルカード、豪華賞品月の抽選、Tシャツやタオルにスタンドなどのオリジナルグッズの販売と秋葉原の街がVTuberに染まりました。(現地参戦はできていないのでほぼツイッターなどの伝聞)

参加するタレントはVTuber界隈でも非常に豪華な顔ぶれであり、「親分」とも呼ばれる「バーチャルYouTuber」という概念そのものの第一人者である「キズナアイ」さんを筆頭に、彼女に続きVTuberを文化に押し上げた「四天王」やそれに続く方々。今なおほとんどが第一線で活躍されているVTuber文化の立役者達ばかりでした。秋葉原のご当地VTuberのお披露目も兼ねたイベントであり、そんな秋葉原が本気を出しまくったVTuberイベントに彼女は参加していたのです。

ねるちゃんは先述した大スターたちと比較するとデビューは遅いほうでした。彼女がデビューするころにはVTuber戦国時代ののろしが上がり始めていて先述のトップランナーたちは既に遥か彼方のスターダムを走っていたような状況でした。「何らかの手違いで紛れ込んだ」と参加発表の時に語っていた彼女はおそらく本当に嬉しさと困惑が入り混じった感情にあったのだと思います。

しかし、10/18 奇跡は起こりました。

この日秋葉原から真っ先にねるちゃんが姿を消しました。はねる完売です。

何が起こったか。全体的な傾向としてやたら忠誠心が高い人の割合が高いねるちゃんのリスナーが大挙して10/18の秋葉原にやってきたのです。初めての彼女のグッズを根こそぎ手に入れるために。そしてねるちゃん自身も当日はツイッターで専用ハッシュタグ#因幡はねると秋フェスを用意し、そのタグを使って現地ファンのツイートを積極的にリツイートしました。その中には当然リアルタイムの店舗ごとの在庫情報も多く含まれていました。購入意欲の高いファンとそのファンが最大限グッズの購入ができるように情報の集約と再拡散に努めたねるちゃんのそれぞれの頑張りによって平日のたった一日でねるちゃんのグッズだけ秋葉原からその姿を消しました

秋フェスの参加VTuberさん達はチャンネル登録者数がねるちゃんより一桁多い方ばかり(当時)だったので、おそらく現地の店舗を含めて企画に携わった方でこの事態を予測していた方はいらっしゃらなかったと思います。

この翌日の10/19に緊急かつ重大な発表として11/16に秋葉原で彼女の初めてのリアルイベントーー題して「因の者オフ会」が開催されることがアナウンスされたのはきっと無関係ではないでしょう。そして私がお話したい日というのは、この2018年11月16日のことなのです。

オタク、オノデンの5階で推しの愛に包まれる

2018年因の者オフ会は昼、夕方、夜の3部制でした。これは地方からやってくるであろうファンにできるだけ長く楽しんでほしいからという意図で企画したと発表配信でねるちゃんが語っています。ねるちゃんが登場するのは夕方の部のみ。このイベントについては残念ながら希望する全員が会場に入ることは叶いませんでした。事前のチケット販売の抽選で涙を飲むファンのツイートが当選発表時にあふれかえっていたことを覚えています。うっきうきで当選ツイートしようとしたけどTLみてそっとツイッターを閉じたよ私。しかし昼の部と夜の部は入場無料人数制限無しでコラボドリンクの提供や豊富な展示物を楽しむことができました。この日のために書き下ろされたであろう数十種類の筆書きのおみくじの見本自撮り用のパネルイラストの数々、壁1面に所せましとならべられたそれまでの配信のサムネイル、おそらく他に類を見ないVTuberによる空間展示作品「陰の者エリア」一つ一つ手作りで作られた展示物はどれも本当に素晴らしくて楽しい空間でした。そしてこの空間そのものにねるちゃんの愛を強く感じました。なぜなら大量の展示物だけでなく案内板などもねるちゃんが直々に作成したお手製でした。展示物も案内もほぼすべて手作り。つまり会場そのものがねるちゃんの手作りだったのです動線の案内や最後尾パネルに至るまで全て。絶対に来たことを後悔させないぞ。楽しんでもらうぞ!という気持ちでできた空間のように思えました。

ねるちゃんのおもてなしの精神はこれにとどまりません。

先述のおみくじは実際に100円で引くことが出来ました。せっかく来てくれた人が皆何か形のあるものを持って帰ることができるように用意したと彼女は言っていました。

コラボドリンクは注文すると有閑喫茶あにまーれのメンバーの誰かのコースターがもらえる仕組みになっていましたが、今回のイベントの出演がねるちゃんのみである以上、お客さんは皆ねるちゃんのファンであるだろうということからドリンク一杯につきねるちゃんとその他の誰か1人のコースターがもらえるようになりました。

夕方の部はYouTubeで無料配信されました。こちらはそのアドレスになります。最初の企画はコメントでも参加しやすい○×クイズでした。

幸運にも夕方の部に参加が叶った約150人分ではありますが手書きのメッセージ付きの因の者オフ会記念カードが渡されました。メッセージは1枚1枚異なる内容です

ちなみに唯一有料チケットが必要だった夕方の部ですがチケット代は2500円でした。ここまで読んで下さった皆さんなら破格の値段であることがお分かりになられるかと思います。本当にファンを楽しませることだけを目的に多大な労力を厭わず準備されたイベントでした。

それに気づいたとき私は、ねるちゃん以外の推しマークを外しました。


「ねるちゃんがいちばん」

同時にツイッターのbioに上記の文言を入れました。大好きだったねるちゃんがとてもとても大好きになっただけなので、推しマークを外したとは言えもともと好きだった方々を好きな気持ちが変わったわけではありません。しかしねるちゃんの配信を差し置いて他の方の配信をみるということはもうできないなと思いました。この件でねるちゃんを最推しにすると決意したとかそんな大それたものではなく…


…単純にねるちゃんの配信をもっともっと見たくて堪らなくなってしまったのです。


何のひねりもなくねるちゃんがすきっていうだけの記事になってしまいましたがお付き合いありがとうございました。

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