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君の世界へ
最近、「くるとこまできたな」という実感がある。ここまでくれば、私はきっと何をされても、この人のことを嫌いになれないんだろうと思う。
私には忘れられないアイドルがいる。心の底から、大好きなグループがあった。それが突然形を変えた。しばらくして、グループのメンバーの一人がグループから去ることになって、「ずっと一緒にいれますように」という彼らのささやかな願いはついぞ叶わなかった。それから、「永遠」はないのだとそんな当たり前のことを思うようになった。
それから、何年かして、何のめぐりあわせか「永遠」を信じるアイドルを応援するようになった。
私が、彼を知ったのはちょうど2020年の春。初のソロアルバムをだし、誕生日前に入隊することになったあの春。
その少し前の2019年の年末のコンサートで彼は永遠について語った。
たくさんの人々はこう言います。「永遠なんてものはない」と。でも僕は本当に信じています。EXOとEXO-Lは永遠なのだと。
EXOというグループを知るごとに、この言葉の重さが増すのを感じる。
決して平たんではない道のりを歩んできた彼が放つ「永遠」の重たさ。
その目に涙をたえながら、先の不安を隠さないまま、それでも力強く前を見て伝えるその姿は、まだ私の見たことのない「アイドル」だった。
その姿に、「永遠」などないと知っているのに、この人の言葉を信じたいと思えた。今も、思っている。
何をもって「永遠」とするかは、これからの私たちが考えていけばそれでいいのだと思っている。
スホちゃんを応援しながら、少しでも永遠に近づきたいし、その意味について考えていたい。
スホちゃんの好きなところは本当に星の数ほどある。
正直、スホちゃんだから好きなのか、スホちゃんの好きなところなのか分からないところもある。noteに書き起こすに当たって、上手く言語化出来るか分からない。なので今回はスホちゃんを通じて出会ったものにフォーカスを当てて、少しだけ、今日はその話をしたいと思う。
まず一つ目にアートとの出会いである。
私はスホちゃんに出会ってから、美術館に通うようになった。
最初に行ったのは東京都美術館で開催した「ゴッホ展」。「スホちゃんが好きなゴッホの展示が上野でやるらしいから見に行くか」という興味本位の本当にミーハーな気持ちだった。
スホちゃんはゴッホのどこに惹かれたんだろう、ゴッホってどんな人物なんだろうか、そんなことを考えながら絵を見て回った。ゴッホの絵は「生きて」いた。迫りくる波、風に揺れる穂、降り注ぐ南フランスの強い太陽の光まで鮮やかな色彩と油絵特有の凹凸感で表現されている。圧倒された。
それから、月に一回くらいの頻度で美術館に足を運ぶようになった。
私が特に好きなのは、ルノワール展やマティス展など個人にフォーカスした展示で、その作家の生きた時代や、作品の背景を想像しながら見ることが好きだ。
スホソロコンの次の日には、埼玉の奥地まで違う「ゴッホ展」を見に行って、隣の広場でソロコン反省会をして、スホペン3人で泣いた。今でも訳が分からないけど、いい思い出だ。
帰り際に気に入ったポストカードを数枚買うようになった。アルバムのポストカードと並べてみる。家の中の小さな美術館を私はひどく気に入っている。
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私は「考える」ことが好きで、誰にも邪魔されず、その想像力の枝をどこまでも伸ばせる美術館という空間が大好きになった。スホちゃんがいなかったら、美術館に行くことはなかったと思う。
今の私を構成する新しい「好き」の入り口にはスホちゃんが立っている。
新しい自分も、スホちゃんも大好きだ。
二つ目に、スホちゃんを通した「人」との出会いだ。
EXOを2020年に好きになった私にとって、2022年には初めてのオフラインのイベントがあった年だった。
夏のSMT、秋のスホソロコン、冬のカイソロコン、春のEXOペンミ。
もちろん、EXOやスホちゃんに会えることも本当に嬉しかったけれど、同じくらい開演前、フォロワーさんたちとお話しする時間が本当に楽しい。
全国各地の銘菓や愛のこもったファンアートをいただいたり、初めて会ったのに、もう何年も前から知り合いだったかのようにお話したりして、年齢や住むところが全く異なる私たちが、「EXOが好き」という共通項だけで出会えたことの不思議さを強く感じる。何より、EXOを応援している一人一人の生活や存在を感じられるのがすごく良い。
いろんな場所に行ってもフォロワーさんが現地のおいしいお店を教えてくれたり、一緒に過ごしてくれたりする。別の国で生活している人もいる。同じEXOを、スホちゃんを好きな人がいる。とてつもなくすごいことだと毎回思う。いろんな世界を見せてくれてありがとう。
それだけにとどまらず、Twitterを通じて仲良くなったスホペン達とは、海を越え、一緒に韓国にまで行ってしまった。(本当に私たちはずっとスホの話をしていた)
愛というのは不思議なものだ。人1人を簡単に言葉の通じない海の向こう側へと向かわせるほどの力がある。なんとその力は、同じ熱量の同志と一緒にいると、何十倍にもなってしまうのだ。
韓国での時間は本当に楽しかった。あなたが育った国で、母国語ではない言語が飛び交う町で、つたない韓国語で注文したり、知らない街を歩いたり、地下鉄の乗り換えをミスったり、ふわふわのうさぎのトレカケースを買ったりした。ペンミ会場は、日本のペンミ以上に国際色が豊かで、それでもEXOが好きという気持ちだけが一緒だった。すべてを残すことはできないし、したくないけど、本当に本当に大事な時間だった。
それから、ペンミが終わった後、帰ってきた二人の表情が忘れられない。これはスホちゃんにも渡してあげない、私だけの宝物だ。
スホちゃんのおかげで、大切な時間と友達まで増えてしまった。なんてことだ。
これだけに留まらず、スホちゃんからは、いろいろなものをもらいすぎて、一生かけてもきっと返せない。
だから、せめて世界で一番幸せな人は自分だと思える今日であり続けてほしい。
けがもせずに、健康で、やりたいことを全部やれますように。
小さな幸せをたくさん見つけられますように。
美味しいものをたくさん食べれますように。
人の縁に恵まれますように。
悲しいこと、苦しいことはなるべく小さく、いいことばかりが訪れますように。
スホちゃんの生きる世界が、すこしでも優しくありますように。
祈りは尽きない。
きっと彼は聡く強い人だけど、だからこそ守りたくなる人でもあるのだ。
書きながら、ふと思ったのだけれど、「永遠」は変わらないことではないと思う。「変わっていくこと」を変わらずに愛せることのほうがきっと近い。だって、スホちゃんに出会ってからの私はこんなに変わった。移りゆくモノやコトをどのように楽しめるのかということの大切さを知った。
けれど、EXOが11年続いたように、あなたが「スホ」という名前を11年間守り抜いたように、変わらないものも同じようにそこにはある。
これからも、変わっていくものと変わらないものの両方を抱きしめて、また一年愛していきたい。
私の北極星、キムジュンミョン、32歳のお誕生日おめでとう。
何度でも咲く桜のように、いつまでも続く永遠を見せて。
2023年5月22日 金曜日
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