【リタイアメント・プランニング】55歳からのセミ・リタイア~検討・準備のポイント
セミ・リタイアとは、完全なリタイア(引退)とは異なり、適度に働きながら自由な時間を確保し、自分の思い描いた生活をすること、ととらえ、以下の内容を確認していきます。
対象となるのは、次の5つの項目です。
1.セミ・リタイア後の目標や生活プランは?
2.セミ・リタイア後の支出の予想は?
3.セミ・リタイア後の収入の予想は?
4.セミ・リタイア後の収入と支出のバランスは?
5.不測の支出への備えは?
順番に見ていきます。
1.セミ・リタイア後の目標や生活プランは?
早めに退職したいと考える理由は様々あると思いますが、ある程度自由な時間を確保して、自分のやりたいことに取り組みたい、という思いは共通していると思います。
どんなことに時間を使いたいのか、どんな生活スタイルを目指すのか、より具体的にイメージすることがとても大切です。
それによって、セミ・リタイア後の支出が大きく変わるからです。
方向性が定まらないと、その場限りの支出も多くなるでしょう。
やりたいことの具体的なイメージが固まる前のセミ・リタイアは慎重に。
2.セミ・リタイア後の支出は?
次に、基本となる生活費を中心に、1年間で最低限どのくらいの支出が必要になるのかを確認します。
その際に、固定費となる住居関連費や社会保険料(健康保険・年金)、生命保険料等などを忘れずに押さえておきましょう。通信費や保険の見直しなど、固定費を下げる効果のある対策は早めに準備しておきたいところです。
本格リタイア(65歳)後の支出についても、医療費や介護費用の増加などを一定程度見込んでおくと安心です。
その上で、セミ・リタイア後にやりたいことに使う支出を見積もります。
1.で確認した「目標や生活プラン」が生きてきます。
3.セミ・リタイア後の収入は?
セミ・リタイアは、適度に働きながら収入を得る生活スタイル。
65歳からの年金収入が入る前10年間の収入見込みを立てます。
できればセミ・リタイアに移行する前に、具体的な収入のめどをつけられるよう、助走できているのが理想です。
またこのときに、65歳以降に受け取ることができる公的年金の額なども把握しておきます。「年金定期便」や「年金ネット」などを利用して確認してみましょう。
4.セミ・リタイア後の収入と支出のバランスは?
そして把握した支出見込みと収入見込みを合わせ、年間の収支がどのように推移するかをつかんでおきます。
「支出 〉収入」となるのか、「支出 ≒ 収入」でいけるか、「支出〈 収入」なのか?
年間収支が赤字となる場合であっても、金融資産などの取り崩しでしのぎ、65歳以降の年金受け取りで収支が改善できるかどうか、試算しておくと良いでしょう。
このときに、年金収入をもう少し増やしておいたほうがよさそうだ、と思える場合は、セミ・リタイアの時期を遅らせるか、セミ・リタイア後の働き方を厚生年金に加入するスタイルの働き方とするか、など、いくつかの選択肢を検討します。
5.不測の支出への備えは?
セミ・リタイアに移行した後は、収入が減ることが一般的なので、金融資産の残高のピークが、手前に来る可能性が高いです。
従って、不測の支出が発生した場合でも、あわてることのないよう、備えを確認しておくことも必要です。
たとえば、病気や怪我など健康に関する思わぬ出費や、転居などの住環境の変化に伴う支出など。
そのために、ある程度の金融資産の貯えと、緊急時にいつでも引き出せる資金を多めに用意しておくと良いでしょう。余裕資金を運用に回す場合も保守的スタンスを忘れずに。
備えのための具体的な金額は人それぞれなので、詳しく知りたい方はファイナンシャル・プランナーなどの専門家に相談し、必要な額を試算してみるのもひとつの方法です。
【まとめ】
55歳からのセミ・リタイアは、年金の受給が始まるまでの期間が10年間。「金融資産の蓄え」と、「計画的な家計の管理」と、「早めの準備」を着実に。