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退職前後:「働く意欲」の育て方
会社務めをしていると、40歳代後半から50歳代にかけて、ストレスの多い時期を経験します。
役職定年、出向・転籍、あるいは近づく定年退職と、自らの働く環境の大きな変化。一方で目の前の仕事の量や責任は増えていく。
これをきっかけに、働く意欲が下がってしまうことも多々あります。
いわゆる「中年の危機」。
かく言う私もそのように感じる時期がありました。
他方、60歳を過ぎて定年退職などの後には、どんな気持ちになるでしょうか。
退職した直後は、仕事のストレスやプレッシャーからの解放感に満たされます。自由な時間が持てることのうれしさと、のびのびした一種の高揚感。
ところが、しばらくすると、何となく物足りなさも感じてくる。ユーフォリアのような感覚はいつまでも続かないのだということも実感します。
むしろ、会社で仕事をしていたときのような緊張感も少しは欲しい。人と会う機会が減って孤立を感じたりと、給与以外にも仕事から得ていた報酬が、実はあったのだ、と改めて気づいたりもします。
人生における様々な変化への対処の仕方を研究している米国の心理学者ウィリアム・ブリッジズは、人生の「過渡期」、つまり「何かが終わる」ときと「新たな何かが始まる」ときの間には、空虚感や方向感の定まらない「ニュートラルゾーン」と呼ぶ期間があるのだと言います。
この期間は、中途半端な状態ではありますが、次の段階に移るとても大切なとき。焦ることなく、静かな環境に身を置いて、自分の思いや欲求を自身に問うてみることを勧めています。
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(倉光修 小林哲郎[訳] パンローリング)をもとに筆者作成
この時期に「退職した後、本当にしたいことは何だったのか」といったことに思いを巡らす。そうすることによって自分の心から発する欲求(Desire)、仕事への意欲、などが沸いてくることに気づくかもしれません。
もし仕事をすることに意欲を感じてきたら、どんな仕事? どんな働き方? 何を学ぶ? とさらに自分に問いかけてみる。すると、だんだんと「働く意欲」が大きくなっていくのを実感できそうです。
これは真に自律的なもの。その人の大きな人的資産になっていくものと考えます。
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