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藤井風RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZOを振り返る。


2022年8月13日。

この日は風くんのaahTツアーへ参加できるかどうかの当落発表日。

ところ構わず、トレードチケットも全部応募してきた。しかし、どこもかしこもチケットがご用意されず、残るチャンスは今回を含みあと2回のみ。

当たることを信じて、前日には神戸への往復交通手段を仮押さえるところまでした。
最後の最後には何とかご用意してもらえるんじゃないかという、希望的観測。

最後の京都ハイチェアー席応募も控えていたけど、呼ばれるなら何となく神戸のような気がしていた。

何故なら、わたしと同様、風くんに会いたくて会いたくてたまらない母のお誕生日だったから。
母にとってこれ以上ない誕生日プレゼントを、風くんならこの日に用意してくれるのではないかと期待してしまった。祈りにも似た願い。

やっぱり、というべきか、
ご用意してもらう結果にはならずに、
母はとてもショックを受けていた。

でも今日は、
風くんが代打出場するRISING SUN ROCK FESTIVAL(以下RSR2022)のyoutube生配信が決まったんだよ!
こんな素敵なお誕生日プレゼントないよ!
だから元気出して?

って励ましたんだけど、
その意気消沈っぷりや、まさに誕生日に大好きな人にフラれたそれそのものだった。
どっちにしろそんな夜中まで起きてられないから。と言って、いつも通りの時間に寝てしまった。アーカイブ残らないのに。

わたしだって悲しかったけど、母の落ち込みようのほうがよっぽどひどかったので、わたしが励まし役に回らざるを得なかった。

そういうわけでわたしの深夜1人鑑賞が決定した。
わたしも早寝派だけど、次の日休みとは言え割と早起きな予定なんだけど、風くんと会えるんだったら深夜でも起きて待っていなくちゃ。
でも実際は眠くて眠くて、24:30開始まで30分ほど仮眠。寝過ごしたらどうしよう?そわそわしすぎて逆に疲れたような。

アーカイブないからどうしよう。

わたしのスマホで撮っても画面小さいし…45分も動画撮って容量あるのかな?など考えていると、

ふとリビングテーブルにあるipadが目についた。
わたしのじゃない。父の。しかも仕事用の。お盆休み中だから持って帰ってきたらしい。
これ借りちゃおう。藤井風のためなら何でも許される。

ということでipadをセッティングして、テレビ画面の録画準備もばっちりだった。


(※母の日に、テレビの大画面で風くん鑑賞ができるようにGoogle Chromecastをプレゼントしておいて、ほんとうによかった。)
(※このときのわたしは、iphoneやipadに備わる画面録画という機能を知らない。)


予定より15分遅れの24:45から始まった。

深夜の石狩のステージに、ピアノ一台。
シンプルな照明。

ピンクのセットアップにおしゃれなビーサンスタイルで登場した風くん。

ステージに現れる彼の姿を見るのは、代々木のHEATぶり。
最近疲れやすいのは、風くんに半年以上も会えてないせいかな。生風が足りないよ。早く生風に会いたい。

参加したことのないロックフェスというイベントを想像してみる。
本来はもうちょっと派手だったり興奮させたり盛り上がりだったりな雰囲気なのかなって思っていたけれど。

少なくともこのステージは、そんなロックな雰囲気にはならない気がした。
とてもシンプルで、とても神聖なナイトショーになる。

蔦谷好位置さん(関ジャムの先生)もしっかりとツイートしていた。
伝説のライブになるって。


youtubeで配信される客席には、風くんのコンサートTシャツを着ている方々の姿が確認できた。
代打出場が決まった8/11時点でRSR2022への参加手段はもうなかったから、もともとこのフェスに参加予定だったということ。

移動時間や衣装決め・ステージ構成などの準備時間を考慮すると、きっと、パフォーマンス自体の練習期間は正味1日もなかったんじゃ…?


とはいえ、風くんを目当てに集まったわけではない観客の前で代打出場をする風くん。

vaundyを楽しみに参加を決めた方々の前でパフォーマンスするんだから、
自分の持ち歌だけの披露じゃなくて、vaundyのカバー曲も織り交ぜてくるんだろうな。

風くんとピアノ一台で、どんな45分間のパフォーマンスをしてくれるんだろう。



どきどきわくわくしながら始まった
一曲目、踊り子

わたしは風くん以外の曲は自分から積極的に聞くことはあんまりない。
でもこの曲はオリジナルも知っていたから、すぐわかった。
関ジャムで教えてもらった成果。

マイクを立ったまま持って、スキャットから始まる。
なんていい声。

スキャットを終えて、ピアノ前に着座して演奏が始まる。
なんだこのしっとりした踊り子は。
泣きそう。
このアレンジして、ばっちりピアノ弾けるようにして、こんな歌声で仕上げてきたの?
また色気増し増しで。
風くんの歌うvaundyの踊り子。
一発目から感動なんですが…

ピアノを演奏する姿が、ただただ、シンプルに美しかった。


2曲目、恋風邪にのせて
3曲目、napoli
4曲目、東京フラッシュ

しっかりと聴いたのはこれが初めてだったかも…
耳にしたことあるような、ないような
パフォーマンス中に歌詞をググって曲名を知ったレベル。
でも何となく、歌い方でvaundyっぽいな。って思った。

風くんの裏声で胸がね、もう締め付けられて苦しくなる…切ない…
夜中に見るせいか、なんか色気がだだ漏れじゃないか?
いつも真剣な眼差しなんだけど、ちょっと種類が違うように見えた。
緊張というか、いつもと違うものを背負ってきた覚悟みたいなものを感じた。


わたしは、風くんと出会うまで
カバーソングって、

オリジナルソングの人気に乗っかって、でもオリジナルのままじゃ歌えないから、ちょちょっとアレンジしている。とか、
自分の歌で勝負できない人が歌う。とか、
自分の人気だけじゃ届かない層に何とか聞いてもらおうとオリジナルソングを利用する。
などという印象を抱いていた。

が、風くんのカバーソングはそれら全てを覆した。

オリジナルソングを大好きな気持ち、
オリジナルソングに払う敬意が伝わってくるし、
オリジナルソングを理解するためにいろんな角度から分析・研究したんだろうな、ということが感じ取れる。
出来上がった曲に乗せて歌う歌声も、すべて雰囲気が違って、
憑依型というか変幻自在というか…
かわいかったり、切なかったり、クールだったり、セクシーだったり…、
とにかくいろんな藤井風を見せてくれる。
だから、彼のyoutubeにある彼のカバーソングたちは、いまだに不定期に見返したくなってしまう。

vaundyのカバーを終えた後、
MCでvaundyとの関係性を語る風くん。
風くんもコロナ感染でコンサート日程の変更を余儀なくされたから、今の自分にできることを一生懸命やろうと、準備期間が短い中で代打出場を決意したんだろうと思う。

謙虚な紹介ののち、
やっと風くんのオリジナルソング。

5曲目、何なんw
6曲目、帰ろう

風くんといえば、
という選曲。

調子に乗って2曲もやってしまいました、などとおっしゃっていましたが。
代打出場とはいえ、あなたの出場なんですよ。
歌ってくれてありがとう。
2曲とも素敵なピアノアレンジで魅せてくれて、真夜中の空気にとても合っていたと思う。

先ほどのvaundyでカバーソングは終わりだと思っていたのに、
風くんはここからコロナ感染で出場を辞退した方々のカバーソングを立て続けに始めた。


7曲目、Vinyl (King Gnu)

わたしでもこの曲知ってるけど、、、
(たぶん、CM songになっていたから)
これはKing Gnuの中でも難しいのでは!?!?
他の曲にするという選択肢もあったのに、あえてこの最難関レベルにしたの…?

素人目でも、こんな難しいピアノ弾きながら、さらに歌うなんて、、、
一番度肝抜かれたかもしれない。
歌い方も弾き方も超セクシーだった。
流し目がいちいち色気たっぷり。
歌唱の雰囲気も寄せていたように思う。
ピアノだけでも十分に魅せられるレベルだった。この短い準備期間でこの完成度は奇跡。

このひと何者なんだろう。
決して才能に甘んじてるだけじゃない。
でもやっぱりgiftedなんだろう。

彼は普段、ピアノに楽譜を置かない。
でも今回は流石に楽譜サイズの紙が置かれているのが見えた。
んだけど…
画面越しに確認できるそれは、楽譜ではなかった。
歌詞が書いてあるだけだった。

自分でしたアレンジはもう頭に入ってるから(耳コピで覚えちゃうのかもしれないけど)、
歌詞だけ確認できれば十分ってことなのだろうか。

風くん、あなたは本当にどこまで超越してるの?
わたし、ほんとうに目を疑ったよ。

風くんは確かにプロフェッショナルだけど、プロフェッショナルだからってみんなができる芸当じゃないよね。



8曲目、祝日(カネコアヤノ)
初めて聴いた曲。

King Gnuとは打って変わった雰囲気。
オリジナルを知らないので想像に過ぎないけど、オリジナルの雰囲気を鑑みた上でのアレンジと歌唱だったように思う。

9曲目、オーケストラ(BiSH)

紅白で聴いたことがあるような気がしてたんだけど、その後の風くんの寝そべり配信と記憶違いしておりました。
やっぱり、歌唱はご本人たちに寄せていると感じた。

風くんなりの敬意なんだと思う。

10曲目、きらり

風くんの表現はピアノの鍵盤上だけでは物足りず、
ピアノから手を離して手を叩いてリズムを取ったり、客席に身体を向けてくれたり、
ピアノを弾きながら上半身を踊らせたり、
なんというか、もう、表現がピアノから溢れ出てくることがよくある。
きらりもそうだった。

わたしは、手が一度鍵盤から離れようものなら元の位置に戻って演奏再開することはとてもできないレベルだった。演奏中に鍵盤から目を離すことさえできない。
(わたしのピアノ歴は幼稚園〜小学校5年生まで。いま弾ける曲はないに等しい。)
風くんは軽々とやってのけているけど、本当にこれは尊敬もののパフォーマンスなのである。

キーが高いところで、風くんの声が出ない。
普段歌わない曲をたくさん歌ってるんだもの。歌い方も変えてるんだもの。
準備期間も短かったもの。
決してベストコンディションではない。
それでも風くんは逃げずに、歌い続ける。
彼が真摯に取り組む姿を、わたしは見守るしかできなくて、ハラハラしながら画面越しに祈り、応援した。
風くんだって完璧じゃない。でも良いものを見せようといつも努力してくれてる。
そんな姿に感銘を受けた。勇気をもらった。明日も頑張ろうと思えた。


11曲目、旅路

なんかほんまに人生いろいろあるけど、昨日よりも今日、すこしでもいい人間であろうとか、少しでも優しい人であろうとか、努力一応しながら僕は生きてます。
全然すっごい失敗することもあるし、今日めっちゃ最悪やったみたいな日もあるんですけど、それでも少しでもいい人間であろうと努力すること、姿勢そのものだけで十分なのかなと思うんで。
みんないい人間になって、幸せになることを諦めんでほしいし、これからも、ほんまに今いろいろあると思うけど、ぼちぼちお互い頑張りましょうや、そういうような曲をやってお別れにしたいと思います。


そう言って始まった。
これは果たして26歳の青年から発される言葉だろうか。
彼は使命を持って生まれて、その使命をしっかりと自覚して音楽活動している気がする。
言葉だけじゃない。パフォーマンスを通じて精一杯語りかけてくる。

旅路も高いところが苦しそうだった。
でも、心を込めて、愛を込めて歌っているのがひときわ伝わってきた。
胸が打たれた。
心が震えた。

風くん、
わたしは、人生投げやりになっちゃう時には、「今日の自分が昨日よりちょっといい自分であるように」、って風くんの言葉を思い出すようにしています。
いつも心に藤井風。

風くんのMC後の旅路は、もう、すとん、と体に入ってきちゃう。
わたし、幸せになることを諦めないで生きてみる。でもね、風くんがいる世界に存在できているだけでほんとうに幸せ。
わたしは生きているうちにあと何回風くんに心動かされるのだろう。


12曲目、まつり

ここはピアノなし。
風くんはスタンドマイクの前に立ち、カラオケで歌い、みんなで踊った。

ちょうどこの日、とてもタイムリーなことに、まつり振付師のアレックス川本のyoutubeチャンネルでお勉強済みだったわたしは、深夜のリビングでひとり、精一杯まつりを踊った。

石狩の客席もみんな盆踊っていて、
なかなかにシュールだった。


元気でいることが1番の免疫力になる、と彼は言って退場した。
退場時の捌け口がよくわかってなかったらしく、演奏以外はまだまだ少年らしさを見せる風くんに、わたしはほっこりする。
演奏を終えて、緊張が緩んだのかな。
演奏の時にどんなに神々しくても、彼も一応は人間なのだ。

元気をもらった。
勇気をもらった。
感動をもらった。

代打というポジションに徹しつつ、出場辞退した方々のカバーを、あんな短期間であのレベルに仕上げて歌い、演奏する風くんに衝撃を受けた。とにかく高貴な魂の演奏だった。

もっと前面に風くんカラーを押し出して、歌い慣れた自分の持ち歌でパフォーマンスしたほうが、安定したクオリティで出来る自信があったはず。
なのに、出場辞退した方々への尊敬を示し、歌い慣れない曲を披露するという挑戦をした風くんには、拍手しかない。

そんなあなたの姿はとても神々しくて、圧倒されました。
流し目テクも、絶対レベルアップしていたよ。King Gnuのときは、常田さんが乗り移ったかのようだった。

風くんが退場したのち、雨が降ったと後々知った。
空さえも彼の演奏を見守っていたかのようなタイミング。
天をも味方につけるのは、きっとあなたが天からの使いだから。そう思ってしまうのは、きっとわたしだけじゃないはず。



風くんから素敵なプレゼントもらってよかったね。お誕生日おめでとう。と、
14日の朝に、
父のipadで録画した動画を、母と一緒に見た。
伝説のライブ、何度見ても感動してしまう…。

15日は仕事だったけれど、まだまだ感動の余韻が抜けず、職場の風友お姉様(youtube時代から風くんを知るお方。尊敬。)と感動を分かち合ってから仕事を始めた。
風くんに勇気や元気をもらったおかげで、あんまり辛くない月曜日だった。
月曜日の仕事の憂鬱さをこんなに軽減してくれる存在は、なかなかに尊い。

風くんは、わたしのQOLを確実に向上させている。

しかし、事件が起きる。
わたしが事前許可を取ることも、そして事後報告することもなく使用した父のipadは、容量を圧迫したせいで動作不良が起きたらしい。
わたしがデータ移行などする前に、自分で録画した覚えのない風くんの動画は、父の職場の方に発見され、父の許可のもとで消されてしまった。

母伝てにこの事件を聞き、母はわたしのぶんまで父に謝ったからもう大丈夫。と言った。
わたしは悲しかったけど、
だからって父を責める気にもなれず、
かと言って直接謝る気にもなれず、
とにかくいつかBlu-ray化なり何なりしてほしいな。とひたすらに願うことで、
親子喧嘩を勃発させずに事件を落着させた。

身に覚えのない動画を見て、藤井風だと正しく認識できた父を心の中で褒めた。
そして、認識できたからこそ、わたしに直接文句を言わずに留めたのだという解釈をした。

藤井風のためなら何でも許される、が罷り通らない世界があることはわたしだって知っている。

大切な人が愛でているものを一緒に愛でなくてもいい。
でも、大切な人が愛でているものを、一緒に大切にしてくれたらいいな、と思う。
批判を伴わなかった今回の父の行為は、普段の父の態度を考慮すればそれに近いと感じた。

そして何より、風くんが原因で喧嘩を勃発させるなんてあってはならない。
今までのわたしなら、
どうして1日待ってくれなかったの!とか泣き叫び、ブチ切れて、大騒ぎしていたかもしれない。
でも冷静に考えれば、父は何も悪くない。
むしろ、悪いのはわたし。
いくら風くんを大好きでも、公正公平な判断力を失ってはいけない。

さらにわたしは、昨日よりちょっとでもいい人間になろうキャンペーンを毎日絶賛実行中。
そうすることが、徳を積むということになり、ひいては風くんとの再会に繋がるのだと、今日もひたすらに信じています。



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