画素回路の役割と構成
こんばんは。元イメージセンサ開発者のFreshfishbutmechです。今日は、前回に続きCMOSイメージセンサの3つのブロックのうちの1つの画素回路について説明したいと思います。
参考:前回↓
https://note.com/freshfishbutmech/n/nb34ad5a45822
画素回路ブロックに求められることは以下です。
①画素に入ってきた光を集め、
②欲しい色だけ通す材料に通過させ、
③通過した光の量に比例した電圧出力を
④アナログブロックに送る。
明るいところを明るく、暗いところを暗く、目で見た色に近い写真を実現するために、①〜④が重要になります。
①〜④の働きを無駄なく行うことができればできるほど良い画素になります。
それらを実現するための画素の構造の例を以下に示します。(ソニー株式会社の裏面商社型イメージセンサ発表資料から抜粋)
参考:https://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200806/08-069/
まず、一番上のレンズ(オンチップレンズ)で光を自分の画素に集めます。
光を無駄なく、集めることができればできるほど、暗いところでも綺麗な写真が撮れます。
その直下のカラーフィルタで所望の色のみを通過させるようにしします。
カラーフィルタがないと、イメージセンサはどれだけ明るいかしか情報を得られないので、全て白黒の映像しか得られません。よって、色情報が欲しい場合、カラーフィルタが必要になります。
次に、光は半導体のシリコンに入り、シリコンの中のフォトダイオードと呼ばれる領域で光電変換され、光は電子になります。露光時間が長くなるとこのフォトダイオードに複数の電子が溜まっていきます。
※高校物理では、導体が光電変換すると習った方もいるかもしれないですが、半分導体である半導体も光電変換する性質を持ちます。
溜まった電子を増幅器に送り、電子を電圧に変換し、配線によりアナログ回路領域に読み出します。
※増幅器は、図中でいうフォトダイオードと配線の間にあります。
画素の役割と構成は以上になります。
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