「犬を飼いたい」
いつか、ワンちゃんを飼いたいと思っていた。過去に犬を飼った経験があり、その時の優しい思い出の数々が忘れられなかったのだ。
でも、毎日の暮らしに精一杯で、なかなか「じゃあ、飼ってみよう」とまで話が進むことはなかった。
ある晴れた日、海岸へドライブに出かけた。海がみたいな〜という、ぼんやりしたドライブだった。
車を降り、砂浜を歩いていると、大きなワンちゃんとその飼い主さんに出会った。ラブラドールの原種だと言っていた。大きな体、優しい目、ふわふわの体、砂まみれになって遊ぶ姿。。。全てが魅力的だった。
しばらく一緒に遊ばせてもらって、帰り道。頭は犬のことでいっぱいだった。
もともと保護猫や保護犬に関心があり、新しく迎えるなら保健所から、と決めていた私たち。さっそく保健所のワンちゃんを検索した。最寄りの保健所で保護されている犬がたくさんいることが、すぐに分かった。
サイトで家族を待っているワンちゃんを見た。
なかでも惹かれたのは、明るい茶色で耳のたれた、どこか優しい顔付きの子犬だった。
その日は日曜だったため、翌日に保健所へ電話をかけることにした。