小説と自己投影


1.妄想と小説

みなさんご自身で小説を書かれたことはありますか?
私は幾度となく挑戦して………そしてことごとく失敗しています💦

妄想はいくらでも浮かんでくるんです。
そして登場人物達が頭の中で生き生きと動いている。良さそうなアイデア、妄想が思いつくと、その日は頭のどこかで常にその妄想が居座っています。
そんな風にして頭の中でこねくり回した妄想をいざ小説にしようとすると、限界はせいぜい一万字。そこまで書くと、あれだけ気に入っていたはずのアイデアが「なんか違う………」となって書くのをやめてしまう。おかげで私のパソコンには、大量の小説の冒頭数千字が眠っています笑。

公募とかは大体十万字くらい必要ですから、私が書いている字数は十分の一ですね………。公募に応募される方やプロ作家の方、ネット上で書き続けているアマチュア作家の方には本当に尊敬の念しかありません。

で、どうして私は妄想は浮かんでくるのに小説を書けないのか。私に継続力や忍耐力がない、というのは一旦置いておきまして………少し考えていきたいと思います。

2.妄想と小説のモチベーション

まず自分が架空の物語の妄想をよくする理由を考えてみました。これは「現実で叶えられない英雄願望を叶えるため」という結論に至りました。

私がする妄想って、大抵その直前に見ていた小説、ドラマ、映画、アニメ、あるいは聞いていた音楽に触発されて発生するんですよ。
名探偵が出てくる小説を読んだら、超人的な名探偵が活躍する物語を妄想します。
007シリーズを見ればスパイ小説のアイデアが溢れてくるし。
主人公が格好いいバトルもののアニメを見たら、頭の中ではファンタジックなドンパチが始まるわけです。

で、それらのアイデアには三日もすれば飽きています。

そしてこの原因を考えたところ、私は自分を頭の中の主人公と同一視して、英雄気分に浸っているんだなぁと気付いたんです。
頭の中の登場人物の年齢、性別、名前、出自などは全く別ですよ。
でもどこかしらに自分が理想とする部分が強く含まれていて、妄想している間自分はそれに浸っているんです。
ですが結局自分はその主人公にはなれない。小説の中に自分の理想がいても、それは現実の自分自身ではない。
その不満が「なんか違う」「飽きた」という感覚、感情として認識されて、妄想は次の妄想に取って代わられる。

一連の流れを見ると、現実の自分と空想の中の登場人物の境界が曖昧なんですね。やばい人です😨
でもこの解釈をすると、すごくしっくりきました。
振り返ってみると、他にもそれを窺わせる行動が自分にはあったんです。

3.理想の他者と自分の同一視

私は創作物に触れた後に、それに触発されて妄想にふけるというのは先程触れた通りです。
私には妄想にふける以外にもやりがちなことがあって、それが他人の髪型やファッション、立ち居振る舞いを真似ることです。
ここでいう他人は、フィクションにとどまらず現実で自分が出会った人を含みます。あとは有名人とか。
心理学でいう同一視というやつですかね、詳しくは知らないのですが💦

自分の場合、子供時代に真面目ちゃん、いい子ちゃんする必要があったので、振り返ってみると当時はそういうキャラに憧れてました笑。喋り方真似したりして………。好きなキャラクターはインテリっぽいのが多かったですね。黒歴史です………。
あとは身近にいる能力的に優れている人の真似を、意識的あるいは無意識にすることもありました。これは良いところを学ぶという視点で見れば良くもあったのかな……?でも振り返るとやっぱり恥ずかしいですね笑。

4.「あるべき自分」とか「ありのままの自分」とか

上で自分の同一視の行動について、さも過去のことのように語ってきましたが、現在でもその片鱗は残っています💦
流石に服装を真似したりはなくなりましたが、口調が似たりとかすると後から気付いて恥ずかしくなりますね。

理想の自分を妄想や服装に託している現状を認識すると、自分の中身が変わらなくては思います。
でもどう変わったらいいかなんてわからないんですよねぇ………。
「自分が本来持っている長所や才能を伸ばせ」「誰にでも才能はある!」とか自己啓発の本には山ほど書いてありますが、実際自分が今やっていることで自分より優れた人なんて山ほどいますし。
自分の中に素質とやらが眠っているとしても、そういうことを考えると変化のための努力が無意味に思えて、面倒くさくなります。

変化の結果としてのあるべき自分や、こうありたい自分の理想が分からなくなると、今度は「ありのままの自分」コースに逃げる。
そうすると今度は、「ありのままの自分じゃ社会でまともにやっていけないんだよ!」という内なる強い声が聞こえてくる始末。

一体私はどう生きれば良いのでしょうか………😭
最近はこういう悩みを持ってる人なんて世界に山ほどいるよね、と思い、人生の先輩達が苦しんでいるのにまだまだ若輩者の私が答えにたどり着けるはずもないか………と、ある種諦めの境地に入っています。

とりあえずは目の前の責務をこなして、ほどほどにやりたいこともやっていく日々になりそう。

「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」

いつか分かるといいなぁ。

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