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2024夏 南インドで僕らは空手をしてきた(はず)⑩8/17 おうちに帰るまでが空手です編 ―あとがき―

バンガロール → 成田のつづき

00:44 ケツ痛い 何かシートが熱い 首も痛い まんじりとせずにいる でもあと2時間弱 カラダ持ってくれよ界王拳0.5倍
(※思い返すと恐らくこの時点で発熱していたのだと思います。帰国後は体調不良で回復までに2週間かかりました。今まで休んでた分を取り戻すためほぼ休み無しで仕事 そりゃ回復しないな…)


00:49 軽食が配布されてる日本時刻は04:19か


00:55 軽食はパンと果物とヨーグルト いらないかな プレモルだけいただきます もうすぐで長崎です そろそろ時計の針を進めますか

いとうさんは基本的に野菜と果物は食べません


04:35 そういえば台風どうなったんだろう


04:37 ビジネスクラスエリアはまだ暗い ゆっくりお休みくださいということなのだろうか そりゃ横になれれば寝れるよね 早く自分のベッドで休みたい


05:04 あと1時間で到着だって やっぱり直行便は速いな でも風情があるのは乗り継ぎだな 無駄な待ち時間含めて旅してる感があって好き


05:50 あとちょっとでこの旅もおしまい 短いようで長いようで でもやっぱりいつも最後は短く感じる


05:51 必死でこの後の仕事のことだけは考えないようにしている


06:03 着陸 特に揺れることなく荒れることなく無事 台風どこよ


06:56 何事もなく入国 日本でまず感じたこと スゲー静か もはや不気味

ロボットがパトロール中 もうSFの世界



成田 → 帰宅

08:30 千葉駅で電車乗り換え 何か台風の影響でダイヤが乱れてるがようやくだ


08:31 悲報 上りに乗っていることが発覚 次は稲毛です 電車むずいよ


09:11 ただいまマイ・ファミリー 子供たちが遊びに行きたいそうなのでこのまま休む間もなく一緒に連れていかれます この流れ知ってる インドか


おわり



あとがき

この旅はスタートから波乱万丈の幕開けでした。5月頃には旅程が決まるとの話でしたが結局動き始めたのは7月入ってから。
そこからようやく会社に正式に休暇の申請や、ややこしいビザの申請をしたり、直前になって当初の計画と日程が違ったもんだからプランを変えてもらいたいと正樹さんを通してシャジュ先生に交渉してもらったり(大変ご迷惑おかけしました)すったもんだして出発当日を迎えました。


初めてのインドは新鮮でした。
これまで訪れたどの国よりもエキゾチックでうるさくて胡散臭くて理解が追い付かない、正にカオスでした。
中でも人々の熱気と活気が最初から最後まで印象的で、良くも悪くも人間味がある国だと思います。
毎日が思い通りにいかず面食らってばかりでしたが、それはこの国が機械やシステムではなく、人間の頭と手で動かしている証なのだと思います。
だからこそ何か不都合があっても、どこか憎めず温かみを感じることができたのかもしれません。
日本の常識が通じない状況で「インドではよくあること」という言葉は私の煮え切らない気持ちを救ってくれたある意味魔法の言葉です。
インドで過ごすために最終的に学んだことは「諦め」です(笑)こう表現するとネガティブな印象ですが、つまるところ「受容」です。
いちいち目くじらを立てても状況は変わりません。むしろそれを笑って受け入れた方が楽になれます。
インドという国を一言で表現すると多様性かなと僕は思います。
14.4億人という世界一の人口で様々な民族、言語、文化そして宗教が共存するカオスな国ですが、この多様性を受け入れる懐深さがインドの魅力かもしれません。


シャジュ先生にはお世話になりっぱなしで何から何まで面倒を見てくださり本当に感謝しかありません。
最初はただの豪快なおじさんの印象でしたが日々一緒に行動していると我々のことを常に気にかけてくれている責任感のある人だということが見えてきました。
自分の仕事や用事もあるでしょうに毎日我々と行動を共にし、飯を食わせ、1日中車を走らせ、退屈することが無いよう世話を焼いてくれ、そして安全を確保してくれるということはどれだけ大変なことか。
疲れた素振りも見せず嫌な顔ひとつせず我々の要望に出来る限り応えてくれようと献身的に動いてくださる稀有な人です。(ちょっと言い過ぎかもしれません笑)
最後は「my son」と呼んでくれ、お互いに「I love you」でお別れした時は込み上げてくるものがありました。


出会う人みんな基本的には良い人たちばかりで、鬱陶しいほどに人懐こく、どこへ行っても我々を温かくもてなしてくださいました。
これまでの人生を振り返ると誰かを歓迎する場面はたくさんありましたが、逆に自分が歓迎されるということはほとんどなかったので、手厚く歓迎されるということはこんなにも嬉しいことなのだと実感することができたのは大きな経験です。


帰国の際には台風のため滞在が1日延びるトラブルもありましたが「インドではよくあること」と自分に言い聞かせ、焦ることなくポジティブに対応できたのはインドのおかげかもしれません。
結果としてアディショナルタイムを獲得し最後の最後まで満喫できたことは特別な思い出です。


空手を通じてこんなに世界が広がることになるとは思いもしませんでした。言葉や文化は違っても我々と同じように稽古をするインドの仲間たちと一緒に汗を流し笑いあうことができました。
特に感心したのが、彼らが学んでいるのは「空手」だけではなく「道」も含めた「空手道」だったということです。
偏見ですがインド人が礼儀を重んじ他者を敬う心を持っていたことには正直驚きました。
今回指導した子供たちが5年後、10年後、インドという国でどう成長しているのか気になります。


最後に、この旅を承認し送り出してくださった二村先生をはじめ、大和の仲間たち、留守の間迷惑をかけた会社の人たち、家族に感謝です。そして何よりもプランをとりまとめて終始動いてくださった正樹師範には感謝しきれませんし、北村さんが一緒にいてくれたおかげで自分を保つことができ安心して楽しめました。
本当にありがとうございました。


















今すぐにインドにもう一度行けと言われたら微妙だけど、またの機会があったら僕はきっとナマステしているだろう

ನಾನು ಭಾರತವನ್ನು ಪ್ರೀತಿಸುತ್ತೇನೆ

Sep.2024
いとう

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