また、いつも。
「おはよう!」
そうして始まる雑談の時間。私と先輩が2人で話している所に1人、また1人と人数が増え、いつの間にか4人で雑談をしている。誰も敵意を持っていない和気藹々とした雰囲気の空間。何気ない話を永遠とする時間。私はこの時間が好きだった。だって、1人じゃないから。
そうして雑談をしていくうちにある感情が私の心を埋め尽くし、雑談どころではなくなる。
雑談の中でたまに私に向けられる優しい目線、その目線の回数を数え始める。誰と何回目が合うか、何回私の目を見てくれるか、その目はどんな感情を持っているのか、私の言葉に反応をくれるか…。そんな不確実なことばかりに気を取られていく。
そうするうちに私はその空間から切り離され、私とその他の人との間に透明な分厚い壁があるかのように感じてくる。話をしているみんなをスクリーンの外から眺めているような感覚になる。
そう思っているうちに話は終わり、みんなそれぞれの場所に戻っていく。
満たされる感覚は〝 おはよう 〟のあいさつの後、瞬きをする間に終わってしまう。