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暁の月輪 ガチグマ

DLC碧の仮面配信時、プレイヤーに衝撃を与えた出来事があった。
上げれば色々出るだろうが、今回はガチグマについて取り上げる。


ガチグマアカツキについて

全国図鑑No.901
でいたんポケモン
ノーマル・じめんタイプ
高さ2.7m 重さ333.3㎏
特性:心眼

キタカミマップ追加と同時に加えられ、元々ヒスイにいたガチグマとは全くの別個体として登場した。原種もポケモン界屈指の超パワーを誇っているが、後述の能力からこちらが多く使われている。

種族値

H113 A70 B120 C135 D65 S52 計555
H130 A140  B105 C45   D80 S50 計550

種族値はこちら。上がアカツキ、下が原種である。特攻135という値は禁止伝説を除くと5番目に高く、ハバタクカミと同値である。ノーマルタイプではポリゴンZくらいしか対抗馬がおらず、あちらは耐久性に難があるという点を考慮に入れると、現環境で一番扱いやすいノーマルタイプと言えよう。特防と素早さが低くなっているが、努力値次第でカバーできる範囲なため、プレイヤーは然程問題視していないのが現状である。

特性

こいつの固有特性である『心眼』。これがぶっ壊れな事が使用率を上げている理由と言って良い。効果は、「相手がゴーストタイプでも格闘・ノーマル技が相性等倍として命中する。また、命中率を下げられず、相手の回避率補正も無視できる。」というもの。要は肝っ玉・鋭い目を合わせた効果と考えて良い。これにより、ノーマル技を無効化する事がほぼ出来ず、無償降臨ができないという強みを押し付けられる。回避無視もできるため、ガチグマ1匹で小さくなる戦術を封じ込められるのも強みだ。かつて小さくなるラッキー等が大暴れした時代もあったため、それを防ごうとする意図もあるのだろう。


ここからは技紹介。元タイプ以外にもいくつかあるが、それらは『その他』で統一する。

ノーマル

ノーマル技では、「ブラッドムーン」、「あくび」、「ハイパーボイス」がある。特筆すべきはブラッドムーンであり、威力140命中100というとんでも設定。デメリットは連発できない事のみであり、反動技でも無いため一度別の行動を挟めば再度打てるというお得仕様。上述した特性の関係で鋼・岩タイプ以外で半減できず、それも地面技で弱点を突かれるために安定して受ける手段が少ないのがこの技の強さを表している。
もう一つの攻撃技であるハイパーボイスは、同じノーマル技としてブラッドムーンだけだと心許ないと判断した場合に搭載される。音技なので相手の身代わり戦術を崩せる長所を持つ。アタッカータイプのガチグマであれば標準搭載されている技だ。
この中で唯一の変化技である欠伸は、元の高い耐久性を活かし、相手に「眠らせる」or「交代先がブラッドムーンを食らう」の選択を迫る事が可能。受け要因として使うガチグマの場合、これが日常的に見られる。ハイボと欠伸の両方があるタイプは皆無なため、この技のどちらかを見せた時点で型バレするリスクを伴う。

地面

地面技は「だいちのちから」のみ。1つだけだが威力命中共に安定であり、ブラッドムーンと組み合わせて2タイプの高火力技を押し付けられるだけでも充分役割を果たせる。技スペースの関係上搭載しないガチグマもいるため、持っていないと踏んで突っ張る鋼・岩タイプは多い。

その他

元タイプ以外の技をここで列挙する。
まずは攻撃技として、「しんくうは」、「ムーンフォース」、「テラバースト」がある。
鈍足のガチグマにとって外せない技が真空波。優先度1の先制技であり、ブラッドムーン+真空波のコンボでタイマンを簡単に制する事が可能。襷潰しやパオジアンへの打点として重宝されており、これを入れないプレイヤーはそう多くない。アタッカーの場合は技がほぼ固定されるが、受け型の場合は技スペースがこれとブラム(ブラッドムーンの事。以降略称で使用させていただく)で圧迫する事もある。だが、基本覚えさせるものとして考えておくのが無難である。ムーンフォースは貴重なフェアリー打点。対ドラゴン、格闘意識に入れている人もいる。ただしハバタクカミ等他のキャラで事足りるのもあって採用率は低め。テラバーストは殆ど見かけない地雷枠。一度毒テラスで打ってきたガチグマがおり度肝を抜かれた。採用率は低いため割り切っても良いだろう。
続いて変化技。「めいそう」、「ちょうはつ」、「つきのひかり」を挙げる。
瞑想は特攻特防を上げる積み技。種族値配分から特防が低いためその耐久を補えるし、主力となる特攻も上げられるので一石二鳥。挑発は、相手の起点封じを封じる目的で使われている。ガチグマ(というか積みアタッカー)の天敵にアンコールや挑発があり、それを縛って安全に積む戦略である。鈍足ではあるが素早さに努力値を割けば6、70族は抜けるのでそこにメタを張れる。よくハバカミがガチグマを起点に瞑想と痛み分けで粘ってくる展開があるため、その対面で不利を取られないようになるといった利点がある。月の光は貴重な回復ソース。テラスと組み合わせて要塞化し、ブラム等で一気に相手の攻め手を崩すスタイルが主流。

このように、アタッカーにも要塞にもなれるため、攻守両面で扱う事が可能である。かつて7世代でテッカグヤが型の豊富さで暴れていたが、それに近いと言える。

ここからはガチグマの型を紹介する。S22現在で使用率が多いものを中心に取り上げていく。

チョッキ

とつげきチョッキ:ブラッドムーン・しんくうは・だいちのちから・ハイパーボイス ノーマルテラス

最も著名なガチグマ。所謂テンプレ型である。ガチグマの種族値配分上、不要なASを除けばDが最も低く弱みとなる。そこをカバーするためにチョッキとの兼用が生まれた。元々アタッカー適性が高いポケモンなため、鈍足高耐久タイプとして十二分に働いてくれる。テラスは草・水・氷弱点の補完とブラムの火力増強目的でノーマルが殆ど。時々毒もいる。
相手にすると技がすぐ割れるので、対策してれば意外と簡単な部類でもある。

食べ残し

たべのこし:ブラム・しんくうは・あくび・つきのひかり 毒テラス

食べ残しと欠伸、月の光による耐久+サイクル戦を仕掛けるタイプ。こっちも有名であるが、対応が非常に面倒くさい。欠伸で何度も交代を強要させ、そのターンで回復しつつ隙を見てブラムで交代先を削るという行動が強みなためだ。迂闊に交代できないため目の前のガチグマを倒しにいくプレイヤーも多いのだが、そうなると後続で起点にされるという二重の壁が立ちはだかる。その対面まで予想すると、相手にしたくない型といえよう。無論対策は存在し、クマより後攻で交代技を出せば良い。最遅のチョッキママンボウとかがいれば、こちらの有利を維持できるためおすすめ。また、エレキ及びミストフィールドを展開するのも有効である。レヒレやコケコがいたら絶滅していたのは想像に難くない。テラスは耐性強化の毒がほとんどである。

シルク

シルクのスカーフ:ブラム・ハイボ・@2 ノーマルテラス

シルクのスカーフという、ノーマル技を1.2倍にするアイテムを持たせ、ブラムとハイボのパワーで押していく型。チョッキとの違いはカスタムの自由度。ノーマル攻撃技2つ以外は変化技も入れられるため、欠伸や月の光での耐久、大地の力と真空波によるアタッカーどちらもこなせる強みがある。また、ハイボが入っている事からチョッキと誤認するプレイヤーも一定数いる。この事から型読みをされにくい強みがあるといえる。主力となるノーマル技も充分高威力なため、幅広い立ち回りが可能。また、チョッキや食べ残しを他に割けるため構築の自由度も増す。

オボン

オボンのみ:ブラム・@3 テラス自由、ノーマル以外

実装してから常に流行していたポケモンとしてウーラオスがいた。連撃の方が圧倒的にシェアを占めていて、専用技の水流連打の火力に頭を悩ませていた。ガチグマも抜群を取られる関係上被害者の1匹であり、こいつの対策としてオボン型が増えた。確定数ずらしが最大の目的であり、連続技で即死しないようにする希少な方法である。他の型より連戦能力が向上しており、欠伸や月の光と組む事で体力管理に余裕を持たせられる。瞑想を入れ、特殊相手を起点にして暴れるタイプもおり、自由度が最も高い。
ただ、バドの緊張感等にメタられるリスク、扱いの難しさが付いてくるため、使用率は低め。テラスは毒・水・電気など障壁となる相手に合わせて変えている。

対策

ここまでガチグマの性能や型を挙げてきたが、そんな奴への対抗馬を紹介する。

アーマーガア

誰しもがまず辿り着く境地。鋼・飛行タイプという優秀なタイプでブラム・ハイボ・大地・真空波・ムンフォに全て抜群を取られず、羽休めやボディプレスを織り交ぜて安定した対面が可能。物理受け代表として名高いが、ガチグマ相手ならDにあまり割かずとも戦える。しかし完全な対策とは言えず、撃ち落とすからの大地や、瞑想ガン積みによるゴリ押し等でやられる恐れがある。選出段階で警戒させる事は可能なので、魅せポケとして入れても良いだろう。

ママンボウ

厨ポケとして地位を確立したポケモン。高いHPとチョッキによる対特殊キラーぶりで、多くのプレイヤーを絶望の淵に落としている。こいつとチョッキを組み合わせ、D特化252振りにすれば、拘り眼鏡+ノーマルテラス+ブラッドムーンでも93.75%耐えという驚異の耐久力を誇る。つまりガチグマの攻撃は基本的に1発耐えられるため、返しのミラーコートで撃墜できる。当然それはガチグマも読めるため、攻撃せずに裏に引くことが殆ど。実際の対戦では、そこも読んで後攻クイックターンでまた有利対面を作る、ママンボウも回復(特性の再生力によるもの)と常にハイリターンを取っていく動きが多く見られる。正にクマのピンメタと言えるだろう。
弱点は先述した動き次第でガチグマ側に大きく有利を取られかねない事。ガチグマが攻撃でママンボウが交代した場合、次のターンでガチグマに有利を取れないと攻撃ぶっぱで全滅する恐れがある。サイクル戦に持ち込む型なため読み合いが避けられない。使う場合はどんな動きをしたいか、を事前にシミュレーションしておくと良いだろう。

チョッキ持ち

タイマンで勝ちたい場合はこれ。チョッキで強引に受けきり、手数でゴリ押すというもの。主力技のブラムは、連発できない仕様上真空波と混ぜてくるケースがある。その2つを確定耐えする調整にしつつクマに確2を取れる攻撃があるポケモンであれば、タイマン勝負で勝てる。例えばセグレイブの場合、Hに振るだけでブラム(ノーマルテラスの補正含む。ただし持ち物補正と合わせられると無理)+真空波を確定耐えする。ガチグマの型次第ではあるが、一撃で倒されずに多く削りを入れられるだけでも高評価。

このように基本は1発食らう事を覚悟で戦う必要があり、タイマンで上からワンパンできるポケモンはそう多くない。レギュHでは天敵と言えたパオジアンやウーラオス、オーガポンが出禁なため、ガチグマ一強環境が形成されてしまったのである。

総括

現環境でガチグマはトップメタであり、対策はあまり進んでいない現実がある。今後ランカーによる数多のガチグマ対策が生まれ、環境が変わることに期待したいと思う。


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