伝説環境について

ランクマではレギュレーションが定期的に更新され、使用可能ポケモンが変化する。元々ポケモンには「一般」「準伝説」「禁止伝説」の類があり、シーズンを重ねるごとに使用可能ポケモンが増えていく形式だ。
SVではレギュCから準伝説(今作の場合パラドックスと四災が別枠にされていて、小出しに解禁されている)、レギュGから禁止伝説が解き放たれた。今回は、その中でも禁止伝説環境に関する私見を述べようと思う。


第一に禁伝環境が好きかどうか

まずこの点だが、一言で言えば「超が付くほど嫌い」である。今作でもレギュGが伝説環境だが、これになってから別ゲーに逃げる時間が増えた(就活真っ只中だったのもあって逃げる口実は充分整っていた)。Fまではそこそこに構築組んで、上位帯チャレンジもしてとやり込む意欲は高かったのだが、Gの発表と同時に一気に萎えてしまった。Hになってからはモチベが復活しており、マイナーポケモンでトップメタに抵抗できないか、面白構築を使ってサブ垢で暴れられないかとか妄想している最中だ。
禁伝に関しては剣盾時代でも同じ経験をしている。大学入学時の2021年からポケモン対戦に熱を入れ始めたが、伝説環境が始まった時と被ってしまい、サークル仲間からフルボッコにされた。オンラインでも負け続け、「楽しくねえわこれ」と思い剣盾からは足を洗った。

剣盾の覇者。こいつかメタモンが上から巨獣斬打ってくるゲームだった
ヌオーが対策としていたが、それを持ち出さなきゃいけない環境を良しと思えるか?
オーガ。ダイマックスで火力上昇もできる、ガチグマみたく受けもできる。
こいつのせいでトリトドンがほぼ必須になってしまった。

SVからは最初こそストーリーの長さ等で下準備に時間がかかり、レギュCからの参戦となった。ここで初めて気づく。「伝説いなけりゃ良ゲーじゃねえか」と。育成難易度が下がったのもあるが、何より剣盾時代より圧倒的に勝てる。テラスタルによるタイプ受けさえ配慮すればゴリ押せるからダイマックスより何倍もマシであると思った。そこからレギュFまで定期的に参加し、一時期は1800近くに乗せるレベルにまで上達できた(ランカー目線ではまだまだ三下であるが・・・)。レギュGになってからは、マスター上げこそ達成していたが、そこから伸ばそうとはならなかった。そして先月に至ってはマスター上げすら放棄してしまったのだ。

レート最高記録。最終日夜明けまでやり込んでいたのは
熱が入っていた証だ

一時期レート中位までのし上げる程やり込んだ人間が、どうして伝説解禁になったらやる気0になったのだろうか。

伝説でゴリ押せば勝てるんでしょ?という安直さ

禁止伝説は、その種族値ゆえにエース枠として置かれ、そこで無双して勝つパターンが大半を占める。中には伝説を起点枠にして裏に繋ぐ戦法を取る人もいるが、それでも伝説による数値頼りな面は否めない。剣盾は今以上に劣悪な環境であり、ダイマさせてダイジェットでSアップから一致技ぶっぱでイージーウィン!が恒例だった。そこから伝説2体・幻解禁とどんどんインフレが進み、剣盾のカセットを封印する羽目になった。

レギュF以上に構築が固定化

構築の固定化加速も理由になる。パラドックスや準伝がいた時も使用率は固定されて基本ハバカミやパオ、ウーラが飛んできていた。それはそれでどうなの?という意見があると思うが、彼らは単体でカスタマイズ能力が高く、同じ厨ポケでも役割が大きく異なっていた。ハバカミは特にその象徴であり、エースにも搦手使いにもなれた。故に厄介ではあったが、相手取った時の勝ち筋と負け筋があって楽しめたと思う。

一方で伝説の場合、おおよそ「伝説がエース」という固定構築になりやすく、相手にしてて分かりやすくはあるのだが、いかんせん面白みがない。技や持ち物も選択肢がないので意外性も乏しい。私のサークル友達(対戦好き)は「分かり易くてやりやすいよ」と言っていたが、対戦は心理戦が付き物。種族値による暴力で択関係なく解決!では対戦勢が味わっているハラハラ感が台無しだと思う。

しかもこの環境、レギュF以上にマイナーが活躍しにくくなり、ドレディア・チャーレム・リーフィアなどハマれば強いポケモンも淘汰された。
更にサーフゴーが中堅にまで追いやられた影響は大きかった。この結果受けループも台頭し、ミラコラ黒馬等をエースにしたスタンパや、ルギアホウオウルナアーラ辺りを加えた受けループが市場に溢れ返った。一例にはなるが、ギミックパが活かしにくくなってバシャやクエス、イエッサン等が絶滅危惧種になった。レギュH現在再び復活した事を受けると、構築の幅が狭まってしまう点は伝説環境の弊害といえよう。

フィールドイナドラ
眼鏡ビット
晴れ下炎テラスフレドラ

この2点が、私が禁伝環境アンチである理由である。最後に伝説出され無双されてまーけたーは飽き飽きである。

禁伝環境は必要か

ではこの環境は必要なのか。これに関しては「必要だと思うが棲み分けしてほしい」という回答になる。
禁伝環境好きといった友人の例があるように、レギュGが好き・得意という人もいる。そのような人が活躍する機会を奪うのはいくら禁伝嫌いといえど違うと言いたい。実際竜王戦やGSルールでは伝説入り構築で戦う事になっているし、伝説ポケモンがガチ対戦環境に出てくるのは今後も避けられないだろう。ただ、私含め伝説環境嫌いは一定数存在するし、上記2点の理由からマンネリ化が加速していく懸念点は見過ごせない部分だと思う。そこで考えたのは、「ルールの棲み分け」である。

別ゲーでスマブラforがあり、この時はガチとエンジョイで部屋が分けられていた。目的は「それぞれが楽しく円滑にゲームできるように」との事。このシステムならガチでやりたいランカーも、楽しくやりたい一般層も等しくゲーム離れを起こさずに済む。ポケモンでもこういった制度を取り入れ、伝説ありとなしで分けてランクマッチを運営すべきではないだろうか。スマブラで例えるなら、ガチ=伝説ありで、エンジョイ=伝説なし(準伝あり)といったイメージ。そうすれば、常にトップを走る人以外にも強い人(最終一桁複数回経験者のYouTuberばかりが名を連ねている状況で、2000超えのトップ30辺りが目立たなくなってしまっている。彼らにもっと賞賛の声が浴びせられても良いんじゃないかな)が注目されるようになる。

対戦界隈を更に盛り上げていくためには、強い人と呼ばれまくっている人だけでなく、その下ひいては中堅層にも目を向けて、ポケモンという奥深さ、発想の多様さを伝えていくべきではないかと思う。環境変わった影響でそれまで上位だった人が失踪した・・・なんて事になったら滅茶苦茶もったいないし、対戦規模の縮小になりかねない。アクティブユーザーを維持・増加させていくためには、部屋の多様化が必要になってくると私は思う。


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