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おなら×アート=ただかっこいいだけの雑誌「Grapheck」
こんにちは、あおちです。
前回の記事で、「Grapheck(グラヘック)」という雑誌を作るプロジェクトに参加した話に触れました。
とっても遅くなってしまいましたが、今回はその雑誌で担当した1ページについて書いていこうと思います。
Grapheckって⁇
コンセプトは「ただカッコいいだけの雑誌」。
テーマはなんと「おなら」です。プゥ。
その名も「Grapheck(グラヘック)」。
この雑誌はおならが発生→解放(放屁)されてゆく過程が「発生期」「我慢期」「準備期」「解放期」の4章構成になっていて、たくさんのメンバーが関わってできためちゃかっこいい雑誌です。
完成した1ページ
私が担当したページのテーマは「発生期」の「変容」
キーワードは「パズル」・「フォントと写真」
そして完成したのがこちら↓
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テーマのキーワードから、変容、サナギ、羽化?デザインのものさしの中には異国感、文字…頭に浮かんだものはバラバラで断片的でした。
私は昔々テキスタイルデザイナーをしていたので、一応クライアントとのやりとりは経験がありました。しかし自分の自由なデザインを提供する事はほぼありませんでしたし、テーマに沿って、でも自由に、自分に出来得る表現を駆使して1枚のデザインとして確立させていけるのか…?とにかく手を動かしながら探っていくことにしました。
完成まで 1:テクスチャをつくる
今は非デザイナーであり、元々アナログ人間である私がまず作ったもの。それがテクスチャです。生成AIに頼らない素材を作るべく私はとあるものを使いました。
それは紙と、ミシン。
紙を握りつぶしては広げ、さらにつぶした上からミシンで縫い付けるという力技。3種類用意しました。↓はその中の1枚。
内部で発生したものたちが、出口を求めてあちこち彷徨いそうなテクスチャが欲しかったんです。改めて見るとせき止める勢いで縫ってるけども…
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初校です。
変容というと外観や様子が変わることを意味しますが、変容サナギというものがあります。これは簡単に言うとサナギ内部で幼虫が液体化→再構築されて蝶になり羽化するプロセスのことで、昆虫の変態のひとつです。
下部のサナギから発生した「変容」が、発生しながら再構築され、徐々に上昇していく様を連想し、そこを目指して作りはじめました。
サナギを縫い付けて固定している部分から、不安定さと正常ではない何かを文字で、蝶部分はハーフトーンにして拡散していくようなイメージで制作しています。
初校での縫い目は文字を沿わせようと縫ったものを使ったので直線が多く、コントラストも全体的に同じに見えますね。
アートディレクターのとりちゃん、編集長のぐんぐんさんに雰囲気に合わせたフォントの選定、視線誘導とメリハリなどについてフィードバックをいただき第2校へ。
完成まで 2:素材感、そして変容
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ここでテクスチャをさらに追加しています。
縫い付けた糸はそのまま、ほどけかかっていたり糸が抜け落ちている部分もあります。せき止めきれずにもれ出しそうな予感。
テクスチャの素材感とサナギと蝶、コントラストと文字のバランスについて、バランスを取りつつも変容し徐々におかしくなっていく様がもっと振り切れていた方が良い!
とりちゃんととむさんのフィードバックに助けられながら修正・調整を進めます。
まだ目線誘導の部分が感覚的に難しく、文章が蛇行しているあたりに試行錯誤っぽい痕が見受けられます。
全体としても自分の中でまだ自信がなく控えめな感じが滲み出ているな…と。
完成まで 3:振り切れ、視線誘導
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文字を使って混乱を表現するため、違うフォントを徐々に紛れ込ませています。途中で異音(おならの擬音語)を書き始めてしまい慌てて消していたりと、変容を自覚しつつも無意識のうちに変容は進行している、最後にまたうっかり走り書いては我に帰って慌てて消している…これはギリギリのところまで来ているぞ… というような。
ここでもまだ視線誘導に手こずっています。
「全部わかってもらう」よりもわからない余地を残すほうがかっこいいことも大いにある気がします!
ぐんぐんさんのフィードバックの一言にはっとしました。全部伝えるデザインをしなきゃいけないんだって思い込んでいたけど、今回は必ずしもそれがカッコいいに繋がるかどうかはまた別の話なのだ!
そして全体フィードバック会にて…
右(私のページ)はもうちょっと何かできないかなあ by前田さん
確かに…確かに…
ここで誌面の余白の追加や順番などの神調整が入ります。
一方で、同時に進んでいた隣のページ担当のやぶさんの作品が出来上がりつつありました。とってもカラフルなやぶさんのページとモノクロの私のページが見開きになるので、誌面としてもコントラストがついて開いた時のインパクトがよりはっきりすることに。これは弱々しく見えてはだめだ。振り切らねば。
完成まで 4:重要人物の混入、そして完成へ
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完成したページです。
サナギと蝶に、微かに人物を混入させました。
この人物は「まだ蛹のようなものの中にいる、変わりつつある変容」の役割を担う重要な人物です。
この人物がサナギと共に変容していく状況。自分に何が起きているんだ?という正気と狂気を行き来し、蝶と言葉を重ねて混乱とともに膨れ上がったなにかがついに漏れ出し始めている様子を表現しています。 大まかに上部と下部で密度の濃い部分を作り、一枚の中で重みがでるように…遠目からでもコントラストが感じられるように。そしてライターを担当してくださった斉藤ナミさんのカッコいい文章もしっかり見えるように…!(↑はまだサンプル文章なので、ぜひ本誌をゲットしてご覧ください!!)
そして雑誌「Grapheck」は完成しました
皆さんに助けてもらいながら、担当した1ページを完成させることができました。初めてのフィードバックを受けながらの作業でしたが、なんとか自分の表現を突き詰めることができたかなと思います。
そしてメンバーの皆さんの渾身の一発(?)が集まり、一冊の雑誌として完成したのです!
ナミさんが右ページのTシャツゲットしてくださった!
ありがとうございます‼︎
こちらの文章を担当しました。死ぬほどかっこつけてふざけ倒してます。
— 斉藤 ナミ|エッセイスト (@nami5711) January 28, 2025
そしてこのめちゃくちゃかっこいい右ページのプリントTシャツもクラファンでゲットできる!✨
ぜひ、私の文章を体に纏って街を練り歩いてください!(私も買ったからオソロです) https://t.co/CoPJD1AqMg
(クラファンでTシャツになっていたのを見落としていて、だいぶ後になって教えてもらいだいぶびっくりしました。全然気づいてなかった…!)
さいごに
このカッコいい雑誌「Grapheck」は2月10日までクラウドファンディングを開催中です。
今すでにたくさんの方にご支援をいただいております。ありがとうございます!
デザインする!と聞くとなんだか堅苦しかったり、ハードルが高いと思ってしまいがちだけれど。難しく考えるのを全部取っ払って、自分の奥底でうずうずしている表現の楽しさだけをすくい上げる。自由に思うままに、楽しさを優先しちゃう。難しいけれど、一度やると癖になっちゃう楽しさなんだと思います。
気がついたらあんなに高いところにあったハードルが、スネくらいの高さになっているかも。
そのハードルをひょいっと飛び越えてみませんか?
気になる方はぜひ、クラウドファンディングページをご覧ください!
様々なリターンがたくさんありますよ!