エロ小説を投稿していたJK
衍字などを修正しました(2024.10.26)。
あの時私は高校生で、未成年だった。
書くきっかけはコロナだ。家族の調子が悪く、陽性判定の結果が出るまで家に籠もることになった。自分は元気であるから暇で、小説を書くことにした。
頭の中に文章が浮かぶことがあって、それをメモすることもあった。その中にはエロチックなものも含まれている。
そこからエロ小説を選んだのは、構成力のなさをごまかせると思ったからだ。男性器を挿入するなら射精が、その相手が初経後かつ閉経前の女性なら妊娠が、陵辱モノならメス堕ちが「オチ」になってくれる。好きな文章を書けたら、後はパパっとまとめてしまおう。
で、書くとなると承認欲求が出てくる。当時私はアカウント登録で年齢に嘘をつき、既にR-18作品を閲覧していた。そのアカウントで投稿することにした。
いくつか書いたが、基本的には女子学生を同い年または年上の男性が暴力的にレイプする内容で、5000字から1万字くらいの短編だ。
平均して50くらいのブックマークをもらえたし、プロのエロ漫画家がオカズに使うという報告をくれた。オリジナル小説にしてはそこそこだと思う。
あの時、楽しかったのは確かである。自分の書きたいもの(技能の拙さから、完全に好きな形ではないとはいえ)を書いて、それを誰かが読んでいるところを想像する。やって良かった思う。
同時に恐怖もあった。何らかのきっかけで私の年齢がバレれば、私は糾弾されるのだ。そして私の大事な作品は消されて、読者もそれを読めなくなる。
私が「悪かった」のは、ルールを破ったからである。もちろん、年齢詐称はそのサイトで禁止されていた。ルールは守らなければならないのだ、子供を守るために。
しかし実際には、あのルールは大人を守るために使われていたと思う。二次創作BL界隈で、「年齢詐称されてショックでした」というR-18作家をたまに見た。そこにいる被害者は大人だ。イベントに行って自分の好きな本を金で買った子供は、卑怯な加害者である。
成年と未成年を分ける法律があって、子供とエロ作品の関わりを制限する条例があって、それを元に作られたサイトの利用規約があって、皆がそれを信じていた。私は信じられなかった。
そうして精神が不安定な時、子供たちが年齢を公開しながらそのサイトにR-18小説を上げていることが話題になった。私はいつも通り大人の振りをして、「まあ、そこまで怒ると可哀想だよ」というようなことを、他人事のように言った。
大学受験に本腰を入れなくてはいけなくなって、私はいよいよそのアカウントを動かすことをやめた。
成年になった今、どのような態度であのアカウントに触れれば良いのか分からない。まだ嘘を続けなければ作品を消される可能性が残っているのが苦しい。急に消えて申し訳ないけれど、作品を消すことだけはしないから、許してほしい。
私がこうやってずっと謝っているのは、大きいものから小さいものまである社会のルールと、それに従う規範的な大人たちと、弱い私のせいである。
ルールを破って罪悪感を抱えながら欲求を満たすか、欲求に蓋をするか。このような二択は、その欲求が本当に害をなす時だけにあるべきだ。
私が自分で書いた性的かつ暴力的な小説を皆に読んでほしいという欲求は、大人のそれに比べて、害がありましたか。あなたの「ショック」に、自分が苦しい時でさえ、私たちは配慮しなくてはいけないのですか。
私はもう、自分が悪いとき以外に謝りたくない。
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