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04_朝を迎えた日

「めっちゃ楽しかったわ~!」

出張デートのあの日、深夜にまで及んだハシゴ酒を経て、各々自分のホテルに戻り、朧気な記憶のまま眠りについた。
翌朝に届いたLINEには、お互い仕事がんばろうとまた会いたいのメッセ―ジだった。

たしかに、仕事の深い話やふざけた話、美味しいものを共感しあう時間、私もめっちゃ楽しかった。
けど、今回はたまたま出張が被っただけ。向こうのお世辞文句に合わせるように、

「そうですね!また行きましょう~!」

と返した。そこからまた不定期なLINEは続いて、約2週間。

「来月、そっちにいくわ!会ってくれたら嬉しいな~!」

かなり予想外な早々のお誘いだった。仕事で来るのだから、接待やら懇親会もあるのではないかと聞いたが、調整する!らしい…。候補日を送ると、本当に調整するあたりが、シゴ出来なのか、立場が故か…。

あっという間に、約束の日。
私のほうが早く仕事が終わったので、わざわざ家に一度帰り、着替えて待ち合わせに向かった。簡単に着替えたように書いているけど、めっちゃ悩んだ。別にあなたのこと気にしてませんよ~風にしたくて。笑

今回の飲みエリアは、彼が出張の時によく徘徊するエリアらしく、おすすめのお店に連れて行ってくれた。前回もおもったことだけれど、食やお酒に対する熱量が似ているので、案の定私もお気に入りのお店になった。

金曜日ということもあり、お店はとっても混雑していて、話しているうちに距離が近くなっていったことが、なんだか少しドキドキした。
混雑していただけに、ほどほどのお時間でお会計となり、2軒目をどうしようかとしていたら、とっても怪しげなスナックを発見。彼は仕事でよくスナックへいくという話を聞き、私もいってみたいという話もしていたので、興味津々。とはいえ、一見さんなので、窓をこっそりのぞいてみると、いかにも常連さんばっかりの雰囲気で、そっと店を離れて30秒。

「今、のぞいてたよね!?」

と、スナックのママらしき人が追いかけてきた。返事を待つまでもなく、お店のシステムを説明してくださり、私たち2人は顔を見合わせて笑い、入店を決めたのだった。

お店は、常連さんがお気に入りの女の子と話していたり、カラオケを歌っていたり、いかにもスナックといった雰囲気だった。常連さんが私たちにも話しかけてくれたり、彼からカラオケ歌うように促されたりしながらも、めちゃくちゃ飲んで、めちゃくちゃ楽しんだ、深夜まで。
(今思えば、お店の人も常連さんも私たちがアヤシイ関係だって気づいてただろうな…笑)



で、気づいたら、素っ裸で彼の隣に寝ていた。
いや、正確には、おぼろげに、彼の宿泊先に一緒に入ったところはかろうじて覚えてた。(ちゃんと当日宿泊料金払いました。)

私が目を覚まして、記憶をたどっていると、彼も眠そうながら目を覚まして、

「…おはよう~。…あれ?シた…?」
「いや、たぶんシてません。(身体の疲労感からして)」
「まじかー!こんな魅力的な身体を前に…俺は…」

といいながら、胸に顔をうずめてきたところがちゃっかりしている。
2人とも、酔っぱらいすぎていろんなものを忘れてしまったらしい。

私はお休みだが、彼はこのあと仕事なので、シャワーを浴び、私は恥ずかくて、その隙にそそくさと着替えた。

スーツに身を包み、髪の毛をセットして、準備を済ませた彼が、私をじっと見て一言。

「好きになってしもたな~」

「何言ってんですか。」

と、告白なのかなんなのかわからない発言に、照れてしまってそっけない一言しかでてこなかった。でも、そんな私の照れている感じを察知していたのだろう、部屋を出る前に、彼は大きく手を広げて、私を抱きしめた。(広げられたら飛び込んでしまう。)

一緒に駅に向かい、仕事がんばってくださいね、とそれぞれの電車に乗り込んだ。

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