「卒業式」
私は、母が夜働いていたので、母との写真は、小学校入学での写真しか、ありません
母は、子供3人を育てる為
反抗期の上の兄妹に翻弄されたり、泣いたり
それでも、必ず決まった時間に短い髪にドライヤーをあて、昔ながらのスナックのママになる
どんなに、休みたくても
子供が具合が悪くても、母は仕事へ行きました
母子家庭
私は、授業参観は「来なくていいからね」と、いつも言い
ゆっくり、休んでほしいという思いの言葉でした
ある日、私は、母が、店の掃除でいない昼間
怖くなりました
まだ、小学生で
「私は、どうやって、親孝行をしたらいいんだろう」
「私は、何か出来てるのかな?」
涙が溢れて、せっかく作り置きされていたお昼ご飯に
涙をこぼさない様に、黙って食べました
私は、何が得意かは気にせず
出来るだけ、静かに、そして、学校ではいつも
ニコニコする事
運動は出来る、図工も、理科も少し…
あの涙は、寂しさだったんです
卒業式
私は、周りの女の子がフリフリのブレザーなど
その当時流行っていた服とは違い
男の子用の服を、自分で選びました
ネクタイもついていた
母は
「あなたが、良いならいいんじゃない?」
そう、言って
私は、スーツに似た子供用の服で、卒業式に出ました
母が、いました。
だけど、泣いたりせず
次への中学生へと、行く為に
私は、泣きませんでした
母も、最後の娘です
もう、慣れています
互いに泣かずに
卒業式のあと食べたご飯は、いつも通り
昨日残ったおかずと、冷凍ご飯を解凍したご飯でした