自分ならではのバリューを出し続ける!フリーランスの仕事術
自分のキャリアは自分でデザインするのがフリーランス。ではフリーランスが仕事で自分ならではのバリューを出し続けるためにはどうしたらいいのでしょう?
今回は慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授で、『自分らしいキャリアのつくり方』『キャリアショック』などの著書でも知られる高橋俊介先生にお話を伺いました。高橋先生はアドバイザリーボードとして私たちフリーランス協会の活動にもかかわってくださっています。
ニーズの変化を的確にとらえることが大切
世の中のニーズってどんどん変わっていきますよね。そのなかで求められる人材であり続けるためにはニーズの変化を的確にとらえることが大切です。ただ単に変化していくニーズにあわせるだけではなくて、「自分ならではのバリューを出す力」が重要です。
「自分の中でのバリューって何だろう?」と考えて、継続学習、生涯学習すること。人生100年時代に必要なのはそういう姿勢です。
インプットとアウトプットのバランスを意識する
そのときにフリーランスと会社員との最大の違いは「フリーランスはインプットとアウトプットのバランスを自分でコントロールしないといけない」ということです。
会社員時代をへてフリーランスになっている人は多いと思いますが、「会社員時代のスキルと人脈をフリーランスになって消費するだけ」になってしまうと非常にまずい。10年もってもそれ以上は厳しいです。
会社員の場合は会社が研修などの学習の機会を用意してくれますが、フリーランスは自分でインプットしなければずっとアウトプットだけで時間が過ぎてしまいます。
結果としてマーケットのニーズとあわなくなったり、同じことばかりやっているとニーズがなくなったりして、報酬単価も下がっていく。ですからインプットとアウトプットのバランスを意識的にとっていく必要があるんです。
複雑なのがインプットとアウトプットって、はっきりわかれないんですよ。特にプロジェクト型やミッション型のような個別性が高くて専門性も高い業務だと、「仕事をしながら学ぶ」側面があります。
ですからフリーランスの仕事選びにおいては、インプット的な仕事を何割か入れるように意識するといいですね。これからマーケットで「どういうニーズが高まりそうか?」「どういう分野の仕事が増えそうか?」を考えて、自分のこれまでの経験や強みを考えたときに足りないところを学んでいきましょう。
ノンチャージの時間を必ずとろう
もうひとつ、仕事のやり方で意識したいのが「ノンチャージの時間を必ず持つ」ことです。コンサルタントってタイムシートを必ずつけるんですね。私が社長をしていた人事コンサルティング会社のワトソン・ワイアット社では何時から何時まで業務をやって、15分単位で何の業務をしたかすべて記録していました。
業務といっても「チャージ」といって顧客に請求できる業務と「ノンチャージ」という顧客には請求できない業務があります。チャージ業務の比率が高ければ、会社としての利益は上がります。しかし、チャージ業務の比率が高すぎるとそれもまた問題なのです。
つまり、チャージ業務ばかりだと「先行投資していない」とみなすのです。すぐにお金にはならないけれど新たな知識やテクノロジーについて学ぶ「ノンチャージ」の時間は将来のためにも必ず持ったほうがいい。
フリーランスもタイムシートをつけたらいいと思うんです。たとえば「チャージの仕事」「人脈開拓」「研究」「勉強」など一日の時間の使い方を10種類くらいに分けて、自分が何にどれくらい時間を使っているか振り返ってみてはどうでしょうか?
1~2ヶ月単位で時間の使い方を見直してみて、「チャージ業務の時間が増えているわりに収入自体は増えていないな」「ノンチャージ業務の時間がどんどん減っているな」など分析してみるといいですね。将来への「投資」となるようなノンチャージの時間を一定程度確保することをぜひ意識してみましょう。
自分の時間単価に敏感になろう
最後に「自分の時間単価に敏感になる」ことも大切です。フリーランスは上司がいませんよね。自分が自分の上司にならないといけない。そういう意味では徹底的なセルフマネジメントが求められます。
前項にあるように自分の時間の使い方を「見える化」したうえで、自分の収入と考え合わせて、「現在の自分の時間単価はどれくらいか?」「投じただけの時間が収入に反映されているか?」--収益性の観点からぜひ考えてみてください。
フリーランスの売り物は自分自身。ですから収益性を高めて、自分ならではのバリューを高められるように自分の手で自分のキャリアをつくっていくことが大事です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?