#6 さあ、1次審査の準備を急げ。
コンクールに向けての準備がスタートした。
タスクはてんこ盛り。
美味しいお菓子は上原くんに完全お任せするとして、コンクール応募条件をクリアするために色々手続きしたり、検査をしたり。
一つひとつ、項目をつぶしていった。
コンクールの1次審査は、百貨店・流通のバイヤーのみなさんによるもの。
必要事項や、商品コンセプトなどを記載したエントリーシートと商品を用意して送る必要がある。
パッケージをどうするのか。コンセプトをどうプレゼンするか。
この時に思い浮かんだのは、前職で広告宣伝の仕事をしていた時に上司に教わったこと。
「デザインってさ、細部に渡って、理由があるんだよ」
デザインって格好や雰囲気ではない。デザインに心が動かされるのは、
意志やメッセージが込められていて、それがしっかり届くように設計されているからだ。
そして、夫が作ったフレンチモンスターを思っていた。「店に置くものは、すべて、エピソードが詰まっている必要がある」
お客様がレストランに求めるのは料理やワインは当然のこと、その時間である。現実感のあるものは極力排除をする。
そして、「これ、素敵」って注目していただいた時に物語のあるものしか置かないんだ。
「月へ鳴門へ」もそうありたい。
徳島フレンチ・フレンチモンスターにいらっしゃるお客様は、西麻布で徳島の食材を召し上がって、本当に感動してくださる。
鳴門金時の生産者・喜瀬さんが作っている鳴門金時は最高だ。
徳島銘菓を作りたいって動き出した夫は、幼少期を過ごした徳島の風景を今でも覚えていて。
青年になった彼は、フランスに憧れて、何十年もフランスに夢中で。
フランスと徳島と。
ハイブリットで何かを作り出そうとしている。
1次審査用の商品を準備するタイムリミットは迫っていた。
・外袋は、お母さんが書いてくれたワイヤーの袋を採用
・2本組でお菓子をガゼット袋に入れるもの採用
(ワイヤー袋に入れた時に座りがいいから。2本一度に食べるのはお腹いっぱいになるけどとことん満足してもらおう)
・お菓子がまるみえなのは興醒めなので何か紙帯を巻こう
(渋谷のロフトで5種類くらい紙を買ってきて色々テストして、外袋のイメージと合わせたクラフト紙に決定)
・外袋に入れてみたら5個入ったから、2本✖️5袋で決定
・お土産なので1,500円に決定。
(*現在は1650円(税別)です)
準備を進めながら、徳島のお土産屋さんで「西麻布で作った菓子なんて買わんよね」って言われたことを思い出していた。
県人会で「このお菓子、早く買いたい」って言われたことを思い出していた。
ところで。
私たちが徳島銘菓を作る必然性って、一体、なんなのだろうって考えてた。
お菓子を巻くクラフト紙の印刷準備をしながら。
デザイナーさんにお願いする予算も時間もないので自作。
イラストレーターとか使えないのでパワポ。
A4で3枚帯が作れるかな。ハサミできれいにカットすれば大丈夫だろう。
表書きはもちろん
「月へ鳴門へ」
鳴門金時のクリームサンドとか書いたほうがいい?
徳島銘菓とか書いちゃう?
裏面はどうしよう。
鳴門金時のイラスト・・・とか?
タイムリミットは迫ってる。
そうだ、理由のないものは書かない。
メッセージを込める。
私たちのメッセージ。
フランスに憧れて
徳島に感謝して
徳島で無邪気に遊んでた少年が大人になり、フランスに憧れて、いつか自分のレストランを持ちたいと夢をみた。
その夢を叶えてくれたのは、徳島の生産者の皆さん。徳島の自然。
西麻布のレストランなのに「徳島銘菓を作りたい」って思うのは、感謝の気持ち、だったんだ。
お土産屋さんも納得してくれるかな。優勝して、出来上がったお菓子を持って、熱苦しい営業を早くしたいな。
急げ急げ
プリンター急げ
バイヤーの皆さんに
通用しますように。