#7 岡山で火が点いた
2018年年明け
私は岡山にいた。
1次予選には無事、突破。
その日は、1次予選通過事業者向け、瀬戸内エリアのバイヤーとの商談会。
「商談会」は初めての経験だったし、そこに集まるみなさん、全員審査に携わっていると聞き、全バイヤー様との「商談」を希望した。
「こういうお菓子、お土産にはなかったと思います。美味しかったです」
「これ、ちゃんとした化粧箱に入れて百貨店でお持たせとしてしっかり販売することも考えられるんじゃないでしょうか」と、お菓子そのものは大好評。「徳島を想う気持ち、伝わってきましたよ」という言葉もいただき、感激した。
一方、「これ、どれくらいの数作れるんですか?」との質問に、「パティシエの手作りなので限界があります」と真面目に個数で答えたところ「・・・うちが全国に何店舗あるか、ご存知ですか?」と、飽きれられるというシーンも。
その時の商談会に、私が持ち込めたのは、確か、5個入りを3袋程度。商談会の一方で、2次審査のオンライン販売がスタートしていて。
商品用意するのもいっぱいいっぱいな中、3袋だけよけといたやつ。
他のメーカーさんは、2−3人で連れ立ってやってきて、両手に大きな紙袋を携えて。もしかしたらこれを機会に関連商品のご案内なんかもしているのかな。
ビジネスの感覚・・・というか、キャパシティの違いを見せつけられて大いに悩む・・・のはやめて、「お土産の新ジャンル」的なところを目指そうと心に誓ったのでした。だって、うち、レストランだもん!
完全なる、開き直りですね。
でもこの商談会で、共にこれから闘う相手が見えた。相手は私たちから見ると、「巨人」ばかりなり。すでにしっかり体制を持っていて専門事業としてお土産菓子を展開しているメーカーさんが多いように見えた。
ここに勝つには、どうしたらいいのか・・・だって私たちの目的は、「優勝」を獲得すること。それがなければ事業化はない。
勝敗のルールはこうだ。
1次予選で絞られた9作品を、せとうちDMOが用意した通販サイトで販売する。そして。3月に広島で行う2日間のイベントでブースを構えて販売する。通販の売り上げと、イベントの売り上げの合計金額で、最優秀賞が決まる。
私たちのお菓子は、賞味期限7日間と短くて(現在は12日間)作り置きができない。だから、広島のイベントで販売できる個数は、どう考えたって用意するのに限界がある。
しかもお菓子の世界でそれは、笑っちゃうくらい少ないらしい。だから、イベントで大逆転で勝利を勝ち取ることは無理だろう。
通販に力を入れる。
上原くん。
思い切りアクセルふかしてたくさん作って。作ってもらったものは私が絶対、全部、売る。