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夫との通わない感情【電子書籍「反対側へのダイアリー」制作日誌】

ふれるま たみ子初めてのエッセイ「反対側へのダイアリー:わたしが見つけた、もうひとつの世界」についての制作背景や想いなどを書き綴っています。

第1章 働き方と心の改革(2017年10月 前半) 
■2 革命の準備は心の育成 / 10月6日(金)同日

 私の心は健全な状態ではなかった。
 そして家計の状態も健全ではなかった。退社が決まり実家で一週間休養していたが、トチ狂って買った怪しいビジネスの支払いにより、銀行口座の預金はついに底をついていた。その怪しいビジネスはクーリングオフの手続き中ということもあって、確実にお金が戻ってくる保障はなく、まだ心はすっきりしないままだった。

 妻の帰省中にひとり羽を伸ばしていた夫がすっからかんになった口座に慌てふためいて電話をかけてきた。か弱い子猫のような声で
「どうしたらよいのか?」
と聞いてくる夫。私の心はカチコチの氷河期で何も感じなくなっていた。

 猫さまは私に
「自分は幸せな人しか周りに置けない」
と言ってきた。まったく条件に合わないのは一目瞭然なのに。
(なんで私が?)
と何度も思ったが、余計なことを言って破門になりたくない。藁をもすがる思いで、猫さまの言葉を聞いた。
 
 そんな私に猫さまはいくつかの宿題を言って消えた。それらをクリアし、まずは幸せにならねばならない。
私の心の育成とプロジェクトが少しずつ動き始めた。(本文より)

制作背景:夫との通わない感情

夫とは20代の頃に務めていた会社で知り合いました。映像制作の編集チームで上司だった夫は責任感が強くて、いつもチームや組織作りのことを考えているような人でした。部下だった私も昔から責任感が強かったので、たまに考え方の違いで衝突することもありました。付き合っている頃から、プライベートでも仕事の話をしているような関係性で、いつしか男女というよりも仕事上のパートナーのような感情を抱くようになり、気付けば夫に対して甘えることも、尽くすこともしなくなっていきました。

それでも、身体には限界がやってきます。育児と家事、そして仕事の両立がしんどいと、素直に言えていたら良かったのでしょうが、明らかに私はこの頃、夫を含めた世の中の「男」に対し不甲斐なさや怒り、そして対抗意識のようなものを感じていたのかもしれません。


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