恋するフランス人
個人の自由が尊重される国
フランス女優ってなんとなく恋する女、恋多き女のイメージ強くないですか?
二人の子供の父親が違うという女性は、女優のような特殊な世界で生きる人でなくても、割によく耳にする話だったりします。
女性も男性と同じように仕事をもち、結婚しても自由に生きている人は確かに多いので、その分出会いもあるのでしょう。
フランス人には
「近所の目が気になるから」
「もうおばさんだから」
と、恋愛することを諦める発想はないように思えます。
籍を入れない事実婚も増える一方で、カトリックの国の伝統、「結婚」という制度を大事にする人も根強くいますが、形態に関わらず、夫婦としての絆を大事にし、うまく行かなければ夫婦関係を解消し、次の相手を見つける決断をする人は年々増えているようです。
離婚そのものや、離婚率の高さに対しては色々な受け止めかたがあると思うのですが、フランス人は恋人や夫婦の関係を真剣に考えているということの現れでもあるように思います。
誰もが恋愛する権利がある
フランスという華やかなイメージから、
「恋愛する」=年齢を重ねてもある程度容姿に自信がある
と思われる方がひょっとしたらいらっしゃるかもしれませんが、私が見る限り全くそんなことはありません。
「これから恋人を作ろう」
と思っているなら、多少いつもより身だしなみに気を付けるとか、ちょっとダイエットしてみたり、という程度のことはあると思いますが、
「恋に落ちる」
ということが特別視されない、むしろ幸せになるのに恋愛は欠かせないと認識している人が多いようです。
特に美形でなくても、若くなくても、多少太っていても、普通に老け込んでしまっていたも、それと恋愛するかしないかは無関係。
老若男女、再婚カップルや熟年カップルであっても、愛し合っている二人を見る目は概して優しいと感じます。
80代だって普通に恋愛するのがフランス
亡くなった夫の祖父は、80代で長年連れ添った最愛の妻と別れた後、その2年後には恋人がいました。
男性よりも、女性の方は長生きする傾向にあるのはフランスでも同じなので、エネルギーに満ちていて、とても優しかったシングルの祖父はきっと同じ年代の人が集まる催しではモテモテだったのでしょう。
新しい恋人が病気で亡くなった後は、すぐに別の恋人が見つかったと義母から聞いています。(この辺はリアル高齢者の恋愛事情!)
一人娘の義母はフランス人には珍しく、「とても保守的」と自称するくらい昔からの考えを大事にするタイプです。
妻に先立たれた父親が、少し離れた街で孤独にならず、楽しそうに生活しているのは心強いような気もするのですが、すぐに恋人を作ってしまった父親に大変な憤りを覚えたようです。
自分の父親が、そんなに早くに彼女を見つけたというのが母親を裏切ったように感じて許せなかったよう。
「あの人がパパに近づいたのはお金目当てに違いない!」
とまるで大富豪の娘のような発言をしていて、びっくりさせられたものです。
自身の夫婦関係に不満を感じ、夫に対する苦々しい気持ちを押し殺しながらそれでも夫婦でいることを選択している義母にとって、
「体裁を考えず、好き勝手やってるように見える実の父」
は自分の長年の我慢を否定する存在のように感じたのかもしれません。