思い出(重いで)のピアノ
先日実家を離れることになりまして、
家の片付けをしていたときのことです。
わたしの実家はアパートで20年くらい住んでいた、言わば「ぬし」?「重鎮」?みたいな存在でした。わたしが家を出ることをきっかけに、実家も場所を移すことになりました。そこで、問題になったのがピアノです。
「わたしは3歳からピアノを習っています」これだけ聞くとどうでしょう?
かっこいいですよね笑
ものすごく弾ける感じしますよね笑
3歳という時点でわたしが自主的にやっていた訳ではないというのはお分かりいただけるのではないでしょうか。
母は自分がピアノをやりたかったが、やってこず後悔してるため娘に習わせているというなんかよくある話のパターンでやることになりました。
小学校中学年くらいまではまだ簡単で、自身も楽しんでやっていたように思います。
ただ某有名ピアノ教室に通っていて、先生が超のつくスパルタだったことをきっかけに、どんどんやる気がなくなっていました。
練習しない→下手→叱られる→ピアノが嫌いになる→練習しない→下手→叱られる…………
とまあ、こんな感じで当然上手になる訳もなく、だらだらと過ごし、高い授業料のみを払ってもらうことに…もちろんちゃんと向上心のある子はできるようになってました。(今考えると申し訳ない。)
そのうち同じピアノ教室に通っていた子が辞めることになったと聞きました。母からその話を聞いたわたしは、
いいなぁ、やめたい
という気持ちが、前面に顔に出てしまっていたのでしょう。
母が「辞めたければ辞めてもいいよ。他のところにしてみる?」と。
8年ほど通っていた教室を喜んで何の未練もなくおさらばし、個人のピアノ教室へ。
そこで更なる試練が待ち受けているとも知らずに笑笑
みなさんお察しかもしれませんが、そこは超超スパルタでした笑
なんとなくダラダラ続けていたピアノも、謎の腹痛により続けられないほどに。→このときわたしは本当に嫌だと腹痛が起きると知ります。
母には「そんな嘘ついてまで休むことないのに」と言われましたが、本当に痛かった笑
そしてそのピアノ教室も辞め、母の友人のところで生温く中学生まではやりました。
よって、3歳からやっていましたが、自信を持って言えます。上手くないです。
さぁ前置きは長くなりましたが、さほど上手くはないピアノですが一丁前にサイレントピアノ(普通のピアノとしてもヘッドホンでも弾ける)を買ってもらいました。家は決して裕福ではありません。なんなら母子家庭です。母はせっかくピアノをやるならといって、清水の舞台から飛び降りる決意でわたしにピアノを買ってくれたそうです。
ただ前説したように、わたしはピアノに嫌々通っていましたのでもちろん家でもサイレントピアノを使用することは少なくなってしまいました。
そんなピアノが引っ越しをする我が家に取り残されました。眺めれば眺めるほど哀愁の漂うピアノさん。大人になって眺めると、語りかけてくるようなそんな気がしました。
もっと弾いてほしかった
もっと聞かせてほしかった
それは同時に母の言わない心の声のようにも感じました。
今まで何とも思っていなかったピアノですが、母に「これも査定してもらおう」と言われたとき、ワガママなのは百も承知で、たった一言。
「売りたくない。」
母「そんな思い出も愛着もないでしょう。」
私「何となく嫌だ。」
母「娘(わたしの名前)、居なくなるのに置いて
おく場所ないよ。運搬費用もかかるし。ア
パートに置くときだって重くて大変だった
んだから。」
私「まだ見ぬわたしの娘が弾くかもしれな
い。」
母「じゃあ、娘の家に置けばいいじゃない。」
私「それは無理…」
何とも言えないこの気持ち誰か感情のお医者様はいらっしゃいませんか〜
結局ピアノはどうなったのか。
12万で売りに出しました…
ここだけの話、売りに出した日泣きました。
罪悪感?
愛着?
切なさ?
…ごめんねピアノ。
(…ごめんねお母さん…)
ピアノと私の物語 END