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【花嫁スピーチ全文公開】スピーチトレーナーの私が結婚式を挙げるにあたって、ガチでスピーチを準備してみた件。

私事ですが、今年の3月に結婚式を挙げました。自分の結婚式のためにガチでスピーチを準備し、メンバーに添削をもらい、練習して当日を迎えました。

その体験が、本当に良くて、これから結婚式を挙げる誰かの役に立つのではないか、と思ったのでnoteに体験談を書いてみることにしました。

そもそも、何してる人?

私は、話し方トレーニングサービス「kaeka」の広報PR兼スピーチトレーナーとして働いています。kaekaでは政治家、経営者、社会人の方向けにスピーチライティング、スピーチトレーニングを実施していて、私自身もトレーナーとして、日々たくさんの方の話し方と向き合っています。

私の詳しい入社の経緯は以下のnoteをご覧ください。

普段は経営者の方の社長プレゼンを一緒に執筆したり、政治家さんの演説原稿を書いたりしている言葉のプロであるkaekaのメンバー。そんなプロフェッショナルたちに結婚式のスピーチを見てもらえる非常に贅沢な環境にいたので、これを使わない手はない!と思い協力を依頼しました。

今回スピーチを準備することになった経緯

kaekaに入る前のもともとの私は、人前で積極的に話す方ではなく、やらなくて済むならその方がいいな〜と思っていました。そのため、結婚式を挙げることが決まった時も、重要な部分はパートナーに話してもらって、式を挙げたいな、と思っていました。

ただ、そんな私がスピーチトレーナーという仕事を始めて、仕事をしていく中で、自分の思いを自分の言葉で伝えるということの素晴らしさに気づいたんです。

たくさんの方の発表を支援していく中で、自分がやらなくていいんだろうか?という気持ちが徐々に募り始めました。

結婚式で新婦が話をする場面といえば、「花嫁の手紙」ですよね。

でも私がやりたいと思ったものは、「花嫁の手紙」とは少し違いました。感謝は両親だけでなく来てくれたみんなに伝えたいし、なるべくその時の自分の言葉でみんなの目を見ながら伝えたいと思っていました。

それをプランナーさんに伝えて、花嫁の手紙のタイミングを「サンクススピーチ」という時間にアレンジしてもらうことにしました。

実際の準備

本番の1ヶ月半くらい前からスピーチの準備に取り掛かり始めました。結婚式前って本当に忙しいですよね。そんな中追い込まれて中途半端なものになってしまうことを避けたかったので、きちんと準備をして臨もうと思っていました。(この頃は常に頭の片隅に、結婚式で何話そうかなという思考が常に巡っていました)

いざ書き始めようと思い、「このスピーチを通して一番伝えたいこと」を考えることから始めました。ただ、ここで早速壁にぶち当たります。

私が伝えたいことは「感謝」だったんです。その場に来てくれた大切な人々へありったけの感謝が伝わればいいな、と思っていました。(めちゃくちゃ単純です)

伝えたいことは感謝なんだけど、それだけでいいんだろうか。私の人生を共にしてきた大切な人々と、パートナーの人生を共にしてきた大切な人々が一堂に会する唯一無二の瞬間。この中で私が伝えるべきなのは「感謝」だけでいいんだろうか…

一人でぐるぐる考えて、ネットで結婚式スピーチを探してみたり、YouTubeで他の人の話している様子を見たりもしましたが、あまりしっくりくる答えが出ません。そこで、kaekaのメンバーに早速相談してみることにしました。

トレーナーの二葉さんに言われて印象的だったのは、「ゆかさんの感謝は結婚式全体を通して、かなり伝わってくるんじゃないかな。だからこそ、ゆかさんだからこそ伝えたいメッセージがプラスで必要になるんじゃない?」という言葉です。

この話の後、本当に聞いてほしい私の思いはなんだろうと考え、人生を振り返り、自分がこれまで生きる上で大切にしてきたであろう信念のようなものを軸にしてスピーチを作ることにしました。

それが決まってからは、それに沿うエピソードをみんなの顔を思い出しながら書いていきました。

式場はここ!

スピーチを誰かと準備する理由

私がスピーチを作る上で、一番大切にしたのは、会場の誰も取り残さないことです。印象的なエピソードを語ることももちろん大事ですが、知らない話ばかりが続くと置いてけぼりになってしまうと思い、できる限り会場にいる全員が、話に没入して聞けるような世界観を作ることを大切にしました。

誰かしかわからない話はなるべく詳細に描写を入れて、何も知らない人が聞いても伝わるような構成を心がけました。新郎側のゲストも退屈しないよう、夫婦二人の話も(のろけのようなもの)たっぷり入れて作りました。

実際に原稿ができてからは、3人くらいに添削をしてもらい、話を聞いてもらいました。事前に原稿をみてくれる人・話を聞いてくれる人は、多ければ多いほどいいと思っています。今もし結婚式の準備をしていて、話す内容を考えている、という人がいたら、絶対に誰かに相談するべきだ、と強く思います。

自分にとって当たり前の話ってどうしても抜けやすいし、自分では繋がっていると思った前後関係が、耳で聞いてみると説明が抜けて意味が通じないなんてことは往々にしてよくあります。自分ではない、誰かの視点が入ることはスピーチを作るにあたってすごく重要なことなんです。

それを広めるためにkaekaがスピーチライター・スピーチトレーナーがいる世界を当たり前に作りたいと思っています。(話が逸れてしまいました)

ウェルカムスピーチや新郎の謝辞など旦那も話すシーンがかなり多かったので、式の1週間前くらいにはパートナーも一緒に会社に来て、スピーチの練習をさせていただきました。付き合ってくれたkaekaのメンバーにはとっても感謝しています。

結婚式当日

乾杯のスピーチは千葉さんにお願いしました。

千葉さんのお話で一番印象に残っているフレーズは、
「お二人との出会いはわたし自身を、そしてチームを彩り豊かにしてくださいました。ここにいらっしゃるみなさんも、そうですよね」というものです。

聞き手の想像をかき立てる描写や、聞き手のリアクションを待つ間、後半にかけての盛り上げなど何もかもが本当にプロフェッショナルでした。

忙しい中準備をしていただき、本当にありがたい限りです。

千葉さんの乾杯のスピーチがすごく素敵で、いい意味で私たちのスピーチへのハードルが高まったと思います。「社長さん?すごいね!!」と何度も言ってもらいました。さらに乾杯のスピーチの最後に、千葉さんが応援団長として、「お二人の最後のスピーチにご期待ください!」と声をかけてくれました。

これはやるしかない!!!と気が引き締まったのを覚えています。

そして迎えたスピーチ

当日まで旦那とお互いのスピーチは秘密にしていたので、旦那が私のスピーチを聞いて号泣してしまいました。来てくれたわたしのお友達、家族、新郎のゲストにも「自分の言葉で堂々と話していてカッコよかった」「思い溢れるスピーチだった」と感想をもらえて、本当にやって良かったと思いました。届いてほしい人に、私の気持ちがちゃんと伝わった気がして嬉しかったです。

大好きな人々が集まる場所で、自分の言葉で話すという選択ができて本当に良かったと思います。誰かの参考になるかわかりませんが、わたしのスピーチの全貌を公開させていただきます。

スピーチ全文

今日が来るのを本当に楽しみにしていました。楽しみにしていたんですが、本当はドキドキでみんな楽しいかな?とかこれで大丈夫かな?とか不安な気持ちでいっぱいでした。それでも私たち夫婦は、「結婚式を挙げる」という選択をしました。それは私たち二人にとって大切な皆さんが集まるこの場所を作りたかったからです。この選択をして、本当に良かった。今ここでみんなの顔を見ながらそう思います。私の大好きな人たちと、てらにとって大切な人たちが一同に会するとても贅沢な時間です。

今日を迎える日々のなかで、改めて、てらっていい旦那さんだな〜と思うところがたくさんありました。今日は少しだけ、そんなてらのいいところを自慢させてください。

てらは本当に思いやりのある人です。例えば、結婚式準備の過程でもてらの優しさは爆発していました。私はダイエットを決意して、鶏胸肉を食べ始めたんです。てらは十分すぎるくらい痩せてるのに、お酒も揚げ物も一緒に我慢してくれて、私に合わせて鶏胸肉を一緒にたべたね。私が鶏胸肉に飽きると、美味しく食べれるレシピを探して作ってくれました。納得した姿で今日を迎えられたのはてらのおかげです。ありがとう。てらは本当に思いやりに溢れた優しい人です。私と結婚するという選択をしてくれてありがとう。

結婚式をやるという選択をした私たちには、たくさん選択を強いられる場面がありました。その一つ一つの選択を通して、私たちにとって必要なものと、そうでないもの。それを2人で選べるようになっていると感じることができました。そんなふうに思えるてらと結婚するという選択ができて、幸せです。

こんなふうに選択したことを考えていると、私は選んだものをよかったと思っていると、良かったと思いたいと感じている自分に気がつきました。思いかえせば、人生のいろんな局面で、わたしは選択し、それを肯定してきたのではないかと思います。

私の家族は、わたしに自由な選択をさせてくれる教育方針でした。なんでも好きにやったらいい、という自由な家庭だったからこそ、自分のやりたいことを考え、動いてみることができるようになった気がします。可愛い制服が着たいからと中学受験を選んだり、東京に行きたいからと放送部で全国大会を目指したり。自分で選んでいる、という感覚はあまりなかったのですが、いつの間にか自分で選んで、その日々を楽しんでいました。ママ、なんでも自由にさせてくれてありがとう。

物心がついてからは、自分が伸び伸びと過ごせるかどうかを重視して環境を選んでいました。今日ここにきているみんなは、私を伸び伸びさせてくれた人たちです。高校時代に通った塾で、ちょっとだけ所属したダンスサークルで、自分らしくいられるお友達に出会えました。経済学部なのに商学部のゼミに入って、知るカフェに飛び込んで全国にお友達ができて、私の世界が広がりました。ラブグラフもkaekaも自分で選んで、毎日楽しく笑顔で過ごしています。一つ一つの選択で、みんなと、出会えていることに感謝します。本当にありがとう。

プロポーズのとき、てらに「なんて居心地のいい人なんだと思った」、と言ってもらいました。てらにとって居心地のいい私になれたのは、私にとって居心地のいいみんなのおかげです。みんなと友達でいられるこの日々を選ぶことができて、本当に良かったと思います。と同時に、てらにもてらのたくさんの選択があって、それを支えてくれた皆さんの存在があって、わたしの好きなてらがいるんだろうな、と思います。てらの家族、お友達、みなさんありがとうございます。

大好きな皆さんに最後に一つお願いがあります。私は、てらと夫婦になる選択をしました。家族となって、ここから歩みを進めます。ただ、2人のなにかが変わるわけじゃありません。二人としても、それぞれとしてもこれからも仲良くしてもらいたいです。変わらず旅行に行きたいし、飲みに行きたいです。これからも寺西家二人、夫婦共々あなたと繋がり続けるという選択をさせてください。今日は来てくれてどうもありがとうございました!

みんなと繋がれている今に感謝しつつ、この先もつながり続けられるみらいに祈りを込めて、私のスピーチは終わります。

終わりに

もしこのnoteを読んで、自分の何か大事な場面で話す練習をしたい、と思った方がいたら、ぜひkaekaにお問い合わせください。

さらに、結婚式で出番を誰かにお願いするのって結構勇気がいるなと感じました。誰に頼もう、断られたらどうしよう、とか。

そこで大切な方へ乾杯の挨拶や友人スピーチをお願いするタイミングで、大切な誰かにスピーチチケット(kaekaへのスピーチ相談)を添えてみませんか。誰かの大事な場面のために、スピーチ相談の機会をプレゼントしたいというご相談も受け付けております。こちらも以下のリンクよりお問い合わせください。(※お問い合わせ内容に【スピーチチケット相談】と記載ください。)

結婚式という一世一代の大切な場。そんな場面に向けて、不安な思いでスピーチを準備する人が一人でも減るように。満足のいくお話ができる人が少しでも増えることを願いながら、このnoteを終わります。

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