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デジタル社会の中で、紙の魅力を伝える

取材:山口百香 写真:水子貴皓 / STAR*12号掲載

デジタル技術を用いた書籍の増加とともに、紙の真価も見直されてきています。今回は、伝統技術とのコラボなど今後の製本の展開について、製本のお仕事をされている一方で、奥様とともにアーティスト活動もされている田渕雄三さんにお話を伺いました。

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人間の性格を「猫」で表現する

Q:田渕さんの作品コンセプトを教えてください。

私が描くイラスト作品のコンセプトは「猫」です。昔猫を飼っていた時、猫の性格がそれぞれ極端に違うところがとても人間に近いなと思い、普段何気なくしていた人間観察を猫に置き換えて描いたことが始まりでした。

作品に出てくる猫たちは自分が出会ってきた人をモチーフにしながら内面的、外見的な特徴も捉えながら描いています。今年制作したカレンダーの表紙には、私の妻の親戚一同をモチーフにして制作しました。

また、製本業に関わるようになってからは、自社で行える手製本の分野を活かしたオリジナル商品を作ったり、イラストを手作り絵本として展開したりしました。

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デジタル社会の中で紙の魅力を伝える

Q:製本業界に携わる上で、今後挑戦したいことはありますか。

一般の方にとって製本会社の認識は低いもので、「印刷と違うの?」とよく言われます。製本と一口に言っても、何を仕立てるかで様々に工程は異なり、それぞれに専門の分野があったりして奥深い世界です。

また、デジタル書籍が広まっていく現代で、どのようにして紙の書籍とデジタル書籍との差別化を計り、紙の良さを伝えるかが各製本会社の重要な課題になってきました。

今後は手製本の技術なども少しずつ勉強し、イラストも活かしたオリジナルなものを製作していきたいと思っています。

田渕さん作品画像

【上写真】オリジナルイラスト作品 提供:田渕さん

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(有)林製本紙工、夫婦イラストレーター「2つボタン」
田渕雄三さん
HP:http://2botan.com/

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