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『社会システムを変革するWORK STORY 賞』を受賞しました。

2018年12月6日、一般社団法人at Will Work 主催の「Work Story Award 2018」において、フリーランスに会社機能を提供するサービス『Freelance Basics』(ランサーズ運営)が、「社会システムを変革するWorkStory賞」を受賞しました。一緒に創っていただいているフリーランスやパートナー企業のみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。まだまだ道半ばですが、社会システムを変革する、という名に恥じないよう、引き続き頑張っていきたいと思います。

映えある賞をいただいたタイミングですので、改めて。

以前、Freelance Basicsを始めた理由について概念的に説明したことがありましたが、もう少し、フリーランス個人にフォーカスした形でお伝えさせてください。

フリーランスに、会社機能を。

一般的に、事業体には大きく3つの機能が存在します。①仕事をいただく営業機能、②いただいた仕事に対して価値をお返しするサービス提供機能、③それらを健全に運営する機能、です。会社組織の場合、これらは得意分野ごとに役割分担され、機能ごとのパフォーマンスを最大化しています。複数人いることを活用し、得手不得手を踏まえたパーソナリティを最大発揮するために組み合わせているのです。

一方で、フリーランス(個人事業主)はいかがでしょうか。複数人数の事業主(企業と呼ばれる)と、個人事業主(フリーランスと呼ばれる)は、人数の違いがあるだけで、必要な機能は構造上は変わりがありませんが、得意・不得意に関係なく、全部独り手がけることになります。個人なので得手不得手は誰にでもあるはずですが、ちょっと乱暴な言い方をすると「そんなこと分かってて独立したんだから全部自分で頑張れよ」が現状です。

たしかに、独立したら(独立してなくてもだけど)頑張るのは良いことです。頑張ればいいじゃんと片付けるのも決しておかしな話ではありません。フリーランスという個人事業主は、単独組織であるだけで、実質(社員0名)社長だからです。と言われがちです。でもね、でもね、正直、苦手なもんは苦手、無理なもんは無理、というのがシンプルな本音ではないでしょうか。

ちょっと話はそれますが、多くのフリーランス(個人事業主)がどういう状態にあるかをサッカーに例えてみます。

通常、サッカーは、11人 vs 11人 で勝負します。11人の中でも、FW、MF、DF、GKとそれぞれの得意に応じて役割分担され、それぞれの機能を果たします。FWなら点をとることが役割機能ですし、GKなら失点させないことがミッションです。一方で、個人事業主はどうなるでしょうか。FW、MF、DF、GKのどれかです。仮に、その人の適性や強みがFWだとしましょう。たしかにシュートは巧い。得点能力も高いのですが、MFもDFもGKもいないので、失点を防げないどころか、そもそもパスが来ないので得点できません。

ただ、得点(収入)を狙わないわけにはいかないはず。そこでどうするのか。ひとりで、FW、MF、DF、GKを全部やろうとするわけですが、全部中途半端で”薄く”なってしまいます。不得手のことも全うしようとする分、本来得意だったFWに使える時間も減少するので、得点数(収入量)のは増えづらくなるでしょう。そもそも、縦横無尽に走らざるを得ないので相当疲れます。疲れたら「もういいや」とつい思ってしまうのがヒトのような気がします。

であれば、ムリに単独を維持したり、苦手なことに疲弊したりするくらいなら、フリーランスにもバーチャルな会社組織をつくればいいのではないか、と考えたのがFreelance Basicsの始まりです。

ただ、個人の ”苦手放棄” や ”単純にかわりにやってあげること” を目的としたサービスのつもりでは決してありません

個人のバリュー最大化を目指して

自主調査ですが、フリーランス(個人事業主)の方の時間の使い方は以下のようになっているようです。元フリーランスの僕としては、感覚的には納得感があります。

なぜ、そうなるのか。得意ではないのに、できる限り自分でやろうとしてしまうからです。たしかに誰かにお願いするとコストもゼロではありません。だからこそ余計に、足元の出費だけをみるとそうなってしまうのです。実際、フリーランス時代の僕は以下のような感じでした。

8要素すべてをうまく回せているフリーランス(個人事業主)を100点とした場合、ちょっと乱暴に按分すると、①②はできていたので25点、③⑥が無理してやっていたので半分の12.5点、ほかは放置なので0点、合計37.5点です。実際には、③⑥を無理にやっていたことが①②に影響しているので、30点くらいでしょうか。

もしも①②(あるいは②だけ)にフォーカスできれば全然違ったはずですし、頭ではそんなこと分かっていました。でもできませんでした。お願いできる知り合いが少なかったのもありますが、一番大きいのは「コストがかかる(出費がかさむ)」と思っていたからです。実際、誰かにお願いすれば当然出費はあります。ないわけがありません。でも、出費以上に収入があれば良いはずなんです。

いわゆる企業事業主(複数人を抱える企業の社長)はそういう発想で物事を手掛けますが、個人(単独社長)になった途端、多くのケースで「自分のポケットマネーからお金が出ていく」という感覚がぬぐえない(僕がフリーランスのときはそうだったので偉そうに語る資格なんてないのですが)。前述のように、単独なだけであって、本来事業主なのに、です。

以下をご覧ください。

AさんとBさんのどちらかがご自身だとしたら、どっちがよいでしょうか。おそらくBさんを選ぶでしょう。なぜなら利益(ここでは単純に差分を利益と表しています)が多いからです。

でも、お金を使うとなぜお金が増えるの?と思われるかもしれません。それは、再掲になりますが、

周辺業務の時間(≒コスト)を削減することにより、本業に時間を使えるからです。

仮に、現状、33%のアウトプットで年収1200万円&周辺業務を全部自分でやっているとします。そのフリーランス(個人事業主)がやり方を変え、稼げる力のある本職に時間を割くと、どうなるでしょう。

出費が増える分、その時間を本業に充てることができるので収入増につながり、結果的に差分(≒儲け)は増大するのです。あくまで理論上であり、使った時間で仕事が得られればの話ですが、どっちがチャレンジしてみたくなるか、でいうとどうでしょうか。

個人だけでなく、社会のバリュー最大化も目指して

ここまでは、個人にフォーカスしてきましたが、それは結果的にCrowd(群衆)による社会価値提供の総和的最大化につながると信じています。

例えばデザイナーさんが、最も社会に価値を発揮できるのはデザインです。確定申告のやり方を無理して調べながら手掛けたり、契約書を巻いたりすることではありません。一方で税理士や弁護士など、その道のプロフェッショナルもいるので、組み合わせることで、誰もが自分の得意や好きにフォーカスすることができる。それはすなわち、社会に提供するバリューが最大化するはずです。

調査によると、アメリカは2027年に、雇用されている人より、雇用されていないフリーランスのほうが多くなると言われています。

日本でも、すでに1100万人が広義のフリーランスとなっており、労働人口の20%程度になっています。社会背景を踏まえると、広義のフリーランス(専業だけでなくパラレルも含めて)は、増加の一途を辿っていくと捉えるのが妥当でしょう。

だからこそ、①フリーランスが、個人”事業主”(≒単独組織の社長)という認識で活動するようになること②とはいえその際に、自分の得意に安心してフォーカスできるよう、エンパワーする仕組みやサービスがあること③それがスタンダードになっていくこと、が不可欠ですし、そうなれば、むしろ社会にとってプラスに働く。そう信じて、Freelance Basics をコツコツと育てていきたいと強く思っています。



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